て第3回になってようやく本題に入っていきます。
業務マニュアルの先頭に書く概要あるいは目的欄「これは何のために、誰が行う業務か」という説明です。
普通は「なんだそんなの分かってるじゃないか」と軽視されますが、これが意外とと言うかほとんどの場合書かれていません。
前回と同じく「最終退出者の事務所締め」で説明します。
普通に書くと「最終退出者が事務所を閉めます」となります。
ところが、これでは業務マニュアルとしては役に立ちません。
タイトルとしてはこれでOKですが、業務の概要としては不十分です。
業務の目的
一般的に最終退出者の作業としては、以下のような作業が発生します。
- 自分が最終退出者かの確認
- 電源、空調、水回りの確認
- 安全確認。火などを使っている可能性はないか
- 窓や他の出入り口の施錠確認
- ブラインドのチェック
- 管理事務所などに最終退出の連絡を入れる必要がある場合は行う。
- 全ての確認が終わったら退出して施錠し、施錠を確認
事務所によっては、ゴミ出しの日の前に最終退出者がゴミを集めるといった作業も発生する場合もあるでしょう。
また上記の作業を行ったかどうかを「出口の近くにあるホワイトボードにチェックを入れる」といったことを行う場合もあります。
こうやって行う作業をまず洗い出して、一覧で書き出して共通点を探します。
上の場合は「業務終了の確認」「安全確認」「防犯確認」「退出に伴う軽作業」「施錠」となります。この時点ではまだ見出しレベルです。
そこで、業務の目的は以下のように書きます。
本業務の目的は、①業務終了の確認 ②安全と防犯の確認 ③退出に伴う軽作業 ④施錠と退出 です。
業務担当者
最終退出者が行う業務と考えるので、一般にはそのまま書いてしまうと思います。
ところが、これが実は違うのです。
取説屋として、長くやってきた経験からすると、ユーザーがマニュアルを読むのは最初の使用開始時、操作に困った時、トラブル発生時だけです。
新人教育用の業務マニュアルが、使用開始時にあたります。
問題はトラブル発生時です。
業務においてはトラブルは業務を行った者ではなく、その周囲に問題を及ぼします。
上で書いた「自分が最終退出者かどうか確認する」を例にとります。
実はやったことがあるんです。他の徹夜組がちょっとコンビニに出かけている間に鍵を締めかけてしまったことが…。そのため、外出中の場合は机の上に現在外出中という札を置いておくということになりました。タイムカードなどでもチェックはできたでしょうが夜中に帰る時にそんなことはやっていられませんでした。
そのため、業務担当者も業務の内部的にも別となります。
「業務終了の確認担当者」「安全確認担当者」「防犯確認担当者」「退出に伴う軽作業担当者」「施錠担当者」です。
こう書き出すととても面倒ですし、実際は一人がほとんどです。
実際に書くときは「最終退出者が以下の業務を担当する」といった書き方をします。
最終退出者は一人、複数で同時に退出する場合も誰か責任者になりますから、こういった書き方になります。
今回は事務所締めというあまり大きな業務ではなかったので、一人で全部行うと考えており、業務担当者も1人になっていますが、大きな業務ではそれぞれを別の業務として分けて書く場合もあります。これはまた別の回で書きます。
ただの夜の事務所締めの作業について書いていますが、意外とボリュームが大きいので驚かれたかもしれません。
実際の業務についているとこれぐらいのことは当たり前だろうと体が覚えてしまっているので書き出してみると結構なボリュームになることが多いです。
ということで、冒頭の目的と担当者については終わります。次回をお楽しみ?に。