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【わかりやすいマニュアルの作り方】第171回取扱説明書を読まない人たち

何か最近はすごい天気が続きます。晴れていたと思ったら嵐に変わる。まったく油断ができません。

■取扱説明書が付いていない製品

さて、今回は先週に続いて、取扱説明書を読まないひとのことを書こうと思います。
前回のように、読まないで間違った使い方を自慢するというのは論外として、世の中には使い方を間違えると危険な製品がたくさんあります。
その代表格が刃物だったりしますが、刃物は正しく使えば実に便利な道具ですが、間違った使い方をすると凶器になります。
刃物には通常、取扱説明書は着いていません。着いているとしてもそれは刃物の手入れの方法であったり、刃物に付随している機能や、刃の部位による使い方の違い(栓抜きや缶切りを含みます)であったりして、メインのブレードについてはほとんど説明はありません。(その刃が片刃か両刃かといった説明はあるにせよ、です)。

まぁ、こういったことに関しては 取扱説明書というよりも、一般的な教育と常識の問題であるとは思いますが「人に刃を向けてはいけません」とはほとんどの場合、書いてありません(自分の知る限りでは戦闘にしか使えないダガータイプのナイフにかえってこういう注意書きの紙が付いていたという例外があるだけです)。

なお、あえて法律でも破ろうという人にはどんなに注意書きがあっても無駄です。
自分の意志で法律を破るのですから、注意書きも守るはずがありませんから。
では、そうでない人向けに注意書きを付ければ、万事解決でしょうか?

■取扱説明書を読まない人たち

まぁ、今回のブログのタイトルから想像でき寝ように、実は取扱説明書を読まない人は決して読みません。

また、困ったことに取扱説明書がほとんどついていない商品もあり、それが「クールだ」とか「スタイリッシュだ」と言われている場合もあるのです。こうして取扱説明書を読まないことが推奨されるのは、取扱説明書制作畑の人間としては極めて困った状態です。

基本的に、こういう人に対する対処方法は2つあります。

1つめは、箱・本体の見えるところにシールや印刷などで表示してしまうことです。
ただし、電化製品などのように、買ってから長く使うものでは、箱は捨てられてしまいますから、本体ということになります。

わかりやすい例では、建設機械などで「作業中は動作範囲に入らないこと」といったのが書いてあるのがありますね。

ただし、この方法のも欠点があります。

まず、見た目でカッコ悪くなってしまうこと。

もうひとつは、製品の表面には限りがあること。
あまりゴチャゴチャ各のも困りものですが、それでも書ける内容には限りがあります。
本当に危険な禁止行為くらい(上記の「動作範囲に入るな」などはそれにあたります)になります。

もうひとつは、取扱説明書の必要な部分に(たとえば、買って電源を入れるまでのところや、各部の名称、基本操作)にきちんと危険なことの内容を本文中に入れ込むなど、読んでもらえる工夫をすることです。

ちょっと前の取扱説明書には数ページにわたって禁止事項のネガティブリストがならんでいました。

しかし、ひれではかえって誰も読みません。はっきり言って飛ばされます。

セッティングや操作の近くにそれぞれの危険事項を表記しないと意味がありません。

もちろん、最初から取扱説明書を読まずに捨てられてしまっては意味がありませんが、それでも、読んでもらうように努力は続けています。

そうすることで、事故が一件でも減ればメーカーにも、ユーザーにも良いことだからです。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所

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