「マニュアルの作り方」第3回です。
今回は「マニュアルはどこで使いますか?」です。
前回は、「誰が」使うかという点が重要ということを書きましたが、今回は「それをどこで使うのか」という点の取材の大切さについて説明します。
「どこで使うか」ということですが、端的にいうと、製作現場で使うものと、教育用に使うもので全く異なります。
「誰が」と「どこで」がワンセットになります。
実際にあった例として、製造の現場で使うものがあります。
現場の機械にフックで引っかけて止めておくものでした。
そのため、B6サイズで16ページと小さくて軽く、現場が暗いために文字が大きい必要があり、1ページの情報量が小さく、ポイントだけを絞ったものが必要となりました。
これに対し普通のオフィスで使い、困ったときに調べるためのマニュアルならば、一般的な作り方をした方が良い結果となります。
また、使う場所がコンピューターの前である場合は、PDFやWEBといった電子的な手段の方が良い場合もあります。
製品付属のマニュアルの場合も、紙でできた簡単な操作の説明書と、電子化された詳細なマニュアルの、2種類を添付する場合もあります。
こういった場合も、使うシーンを考える必要があります。
操作や機能について調べごとをする場合と、機械のセットアップなど手順に従って行うだけの場合では、作る目的が異なり、作り方も多いそれに伴って異なってきます。
さらに、提案型として、使うシーンを想定してそれをビジュアルに見せる場合など、想定するユーザーがしっかりしていないと、ちぐはぐなものができてしまいます。
このあたりについては、マニュアルの制作を発注するお客様と丁寧に打ち合わせをして、意思の疎通をしっかりとすることが大切です。
ここですれ違ってしまうと、後でどんなにがんばってもできあがったものが「何か違うなあ」といった結果となってしまうのです。
続きます。