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【わかりやすいマニュアルの作り方】第152回取扱説明書の責任

本格的に寒くなってきました。近所の公園の紅葉もすっかり色づいてきました、

常に季節をひとつ先取りしている「オートバイ乗り」にとっては、もうほとんど真冬の寒さです。もっとも、常にという訳ではなく、コースで全力走行をしている場合はこの気温でも汗をかいているわけですが。

さて。本題です。今回はちょっと大上段に構えたテーマを扱ってみます。

■取扱説明書って何?

このブログは「わかりやすい取扱説明書」について書いています。

ということは「わかりやすいって何でしょうか?」ということが問題になるわけです。この問題は何度書いても書ききれない話で、ある意味「幸せって何でしょう」という問題に似ています。

技術的にはこの件はいくらでも書くことができます。というか、実際150回近いこのプログではえんえん書いています。

ともあれ、取扱説明書は商品に欠かせない「部品」です。
では、なぜ欠かせないのでしょうか?エンジニアさんは「取扱説明書の要らない商品」を一所懸命に作ろうとしています。それでもなお必要な理由とは何でしょうか。

弊社では、取扱説明書には責任と「この製品は○○である。」「この製品の責任者は●●である」という宣言が必要だから、と考えています。
極論を言えば、(場合にもよりますが)操作説明はなくても良いとすら考えています。

たとえば、とても使いやすい単機能のナイフであるとしましょう。

ナイフの使い方を説明するべきでしょうか?
切る、突き刺す、それから道具としてこじったりする方法を説明すべきでしょうか?

テクニカルライターである自分が考えても、必要ないと思います。ですが、使い方以外の内容が必要だと感じるのです。

■取扱説明書の「使い方」以外のこと

良いナイフを買ったことのある人は、ご存じのことだと思いますが、良いナイフには必ずといってもいいほど「メーカーの歴史」や「ポリシー」が書かれたものが入っています。

良いナイフであればあるほど「このナイフはハンティング用です」「このナイフはツールナイフです」「このナイフはフィッシングナイフです」と用途が宣言されています。
もちろん、ユーザーからすれば、見ただけでわかることは言うまでもないにもかかわらず、です。

そして、「長く使うためのお手入れの方法」と「破損時の対処方法」などと、メーカーの名前・連絡先などが誇りを持って書かれています。

これが取扱説明書だと弊社では考えています。

どんなに簡単な道具でも、良くできていても、時間がすぎると壊れます。手入れをしないとダメになっていきます。

それらに対して「作った」もしくは「売った」ことに対する責任を表明する、それが取扱説明書の「使い方の説明」以外の部分なのです。製品に対する誇りの小さな表明です。

弊社ではそんな考えで取扱説明書を作っています。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所

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