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【わかりやすいマニュアルの作り方】第149回 安全装置について

木枯らしの第一号も吹いていったん寒くなったかと思いましたが、また夏日が来るとかいう気候でどうなっているのでしょうね。恐らくは、太陽活動の変化などによるもので、人間の活動とはあまり関係のない気候の変化だと思いますが、急激な変動は暮らしにくくなって大変です。

さて今回は、少し個人的な事柄から入ろうと思います。…実は、普段使っている二輪車を買い換えました。
今まではスズキのアドレスV100、これが同じくスズキのEN125に。

シート下のヘルメット入れが無くなったとか、スクーターからギア付きのオートバイになったとかいろいろ編かはあるのですが、それ自体ではなく周辺の話からです。

■盗難防止器具の外し忘れ

実は今までアドレスでは、ハンドルロックとカバーしかしていなかったのです。

カバーをめくってみると、20000キロ近く走ったボロいスクーターが出てくるのでは、盗む方もやる気が起きなかっただろうとは思いますが、本来はもっときちんと防犯対策をすべきところではありました。まあ幸い、盗まれたりいたずらされることはありませんでした。

しかし、今度は新車(正確に言うと二千キロ走っていない新古車)なのと、ショップでつける盗難保険に「チェーンなどの施錠をすること」ということが条件として記載されていたため、チェーンロックを付けることにしました。

そして、付けた翌日、早速やってしまいました。

チェーンを外し忘れて、そのままエンジンを掛けてスタート…

幸い、チェーンの長さがあったのと、移動した距離が1メートルほどだったので、ガツンとぶつかる前に停止することができました。はっきり言って僥倖以外の何者でもありません。

ちなみに、多数販売されているオートバイ用のブレーキロックやミナU字ロックにはどれもこれも「外し忘れに注意」という注意書きがついている。これは、逆に言うと外し忘れが如何に多いか、ということを証明しているようなものです。

これを個人責任というのはどうか、とちょっと思います。ある意味、商品に問題があるといえるかもしれません。

■組み合わせによるセイフティ

話はチェーンロックに戻ります。保険の関係上からも、問題があるといっても、ロックをしないわけにはいかないわけです。

ところで、普段使っているバイクのカバーには、チェーンロックを通すための穴が開いています。この穴はチェーンロックを外側から通し、カバーを外せないようにするためのものと認識していました。

しかし、視点を変えてみると、これはチェーンロックをしたまま走り出すことを防止するために最も優れた方法であるとも言えます。

これはどういうことかというと、
チェーンロックを外さない限りカバーを取ることができず、どうやってもまたがって走り出すことはありえない。
ということになるわけです。

こういうシステム構成をフールプルーフといいます。一時置いておくだけで、チェーンロックだけをかけてカバーをしないという状態は、自分の場合ではまず考えられないため、大変安全度の高い方法といえます。

最後に取扱説明書の話に戻しますが、弊社ではシステムとして「こういう方法であれば安全」という方法と、「こういう設定もできるが危険がある」という場合は、手順としては安全な方法のみを記載し、それ以外の方法は追加的な一覧などのところに記載して、あえてその方法を選択しなければ、危険な方法にならないように記載しています。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所

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