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【わかりやすいマニュアルの作り方】第112回 製品安全は投資です

昨日は祝日でしたので、1日遅れで失礼します。

本格的に寒くなってきました。
もっとも、自分は大型バイクを処分してしまったので、あの極寒の状態に身をさらすと言うことはなくなったのですが。
ここのところ色々なところに出向いているので、本ブログのネタを集めるのは比較的楽になりました。

というわけで、本題です。

■安全は余計なコストにあらず

見出しの通りです。

「安全」について考えると、「コストがかかる」「事故が起きなければ無用」などと考えている人がとても多いようでした(取材による実体験です)。

さらに、「事故があっても、保険があるから大丈夫。」と考えている人がなんと多いことか。実際に知ってびっくりしました。

当ブログに何度もおいでになっている方は先刻承知かも知れませんが、製品事故が起きたとき、PL保険ではいろいろと不足が発生します。
簡単に言うと、「本人以外の損害は駄目」「風評被害も、売上が落ちたのも駄目」。
大会社以外にとっては、ほぼ一発で会社をたたむような大事です。でも、保険は出ません。

かといって、裁判で争うにしても結果は同じです。時間がかかれば、弁護費用が莫大になって、やはり風評被害が発生します。

事故が起きた後は、誠意を持って、素早く動いて対策を行うという正攻法しかありません。

ではどうしたらよいのでしょう。

■予防にコストをかける

火事で燃えてしまった後に残るのは焼け跡だけです。
風邪だって、ひき始めが肝心です。

このように、災害は可能であるならば、予防するにこしたことはありません。

メーカーさんは、なぜか設計・製造には全力を傾けますが、「設計・製造」をいくら改良しても、取り除くことができない危険(アイロンが熱くなることや、刃物に触れば切れるなど)のところは、どういうわけか「軽視する」傾向があります。

これは、危険なことです。

危険対策を「全部」やっても、なお残って、不慮の原因で発生するのが「事故」です。
私達は「事故」をなくしたいのです。
自分でなくとも、事故を起こしたい人などいないと思います。

だから、コストをかけるのです。
事故が起きてしまったときに発生するコストに比べれば、予防のためのコストなんて微々たるものです。

「50年間無事故の工場」や、「開業以来一度も人身事故を起こしていない新幹線」など、地味ではありますが、「無事故」も会社の価値だと認められています。
「無事故」に取扱説明書は「取り除けない危険」をお客様-使用者に警告する最後の手段です。

できれば、もっと取扱説明書のことを気にしていただけると嬉しいなぁと思います。

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  • 昨日niteの業務報告会に言ってきました。冒頭挨拶で使われたPPの資料に下記のように記載されていました。JTDNAのSNSに書き込んだものを転記しますね。
    石井ライティングのおっしゃる通りです。

    報告内容:
    「最近の製品安全政策について」経済産業省製品安全課矢島課長

    抜粋:
    ・消費者の安心・安全志向はますます強まっている。
    ・「製品安全をめぐる社会・環境の変化」>>安全な製品開発・供給は、企業にとっての「社会的責任」であるだけでなく、競争を勝ち抜くための企業の不可欠な「経営戦略」

    ・PSE,PSCなどの事前規制の強化、今後ますます規制対象品目が増えてくる。

    ・製品安全政策(経済産業省)については、
    「長期使用製品のように寿命、経年劣化規制強化」
    「製品安全対策優良企業表彰」
    以上が大きな枠組みとなる。
    発表のスライドでも「相田合同さん」の名前が載っている。

    ・リコールについて
    リコールを円滑にする取り組み環境整備を行っている。
    <対応の方向性>
    現在の課題の対応は、製造・輸入事業者のみの対応は限界がある。
    そこで「販売事業者・消費者自身等も含めた全体的な取組が必要」と結んでいる。いよいよ、販売現場の対応と消費者教育が重視されてきます。
    又、設計段階におけるリスクアセスメントとして、「安全設計の成果は、事業者自らが作り出す付加価値の一つであり、競争力の源泉」としています。

    総じて、当協会の取り組んでいること、「PL対策は商品力を高め、企業を元気にします」と「PL対策は事業者と消費者の取り組みで達成できる」
    という事業案内のヘッドコピーとまさに整合しています。
    当協会のより一層のPL対策の推進を期待されています。

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