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【わかりやすいマニュアルの作り方】第117回 営業にはカタログと取説を

あけましておめでとうございます。
去年はいろいろと厳しい年でしたが、今年こそはうさぎ年らしく飛躍する、皆様にとって新しい年が良い年になりますように。
私も年男として精一杯がんばろうと思います。

さて。
今回は営業における取扱説明書の立ち位置について説明します。

■営業は取扱説明書も持ち歩くべき

「営業は取扱説明書も持ち歩くべき」と見出しに書きましたが、何のためでしょうか。
もちろん、「商品」について詳細に説明するためです。

「カタログだけで良いじゃないか」と思うかも知れません。
しかし、実際には両方持ち歩いた方がずっと良いのです。

営業マンも無限に勉強時間があるわけではありません。
ややもすれば、今日仕入れた商品を、今日営業に回る必要があるかもしれないのです。

有能な営業マンは、商品のこともよく調べて説明ができます。
その商品にどんな魅力があり、使用者にどのようなメリットを与えるかを説明できるのは当然のことです。

しかし、思わぬ使用シーンを想定された場合、その使用に関する内容がカタロクグに謳われていなかった場合はどうすればよいでしょうか。
そんな時に取扱説明書が役に立つのです。

■いつでも取り出せる設計図書

カタログと取扱説明書の違いは何でしょうか。

簡単に言ってしまえば、カタログは営業ツールで、取扱説明書は設計図書の一部であるということです。自動車やバイクのメンテナンスマニュアルや、パーツリストなどには部品番号がついていることが一番典型的な例です。

カタログは営業ツールですから、営業に不利なことはあまり掲載されていません。
これはわざとというわけでもありません。たとえば、ラグジュアリカーが雪道だの水没に強くないことをわざわざ謳う必要はないからです。そういうことを書くのは四駆のオフローダー向けだからです。

それに対して、設計の意図を使用者に伝えるための文書ですから、使用条件や、使用時の制約条件なども掲載されています(すくなくとも、そのはずです)。
少なくとも、仕様の最低地上高などを見れば推察できるわけです。

つまり、取扱説明書は、営業の時に詳細な説明が必要になったときにはぜひとも必要なものなのです。

もちろん、必ずしも紙で持ち歩く必要はありません。PDFやサイトにしてWebにアップロードしておいていつでも参照できるようにしても良いでしょう。

■携帯電話販売現場での実例

携帯電話の取扱説明書は分厚いので有名です。「誰が読むんだ」ともよく言われます。作っている方としては結構悲しい話です。

しかし、この取扱説明書、2つの場所ではじつにしっかり使われているのです。
1つは言わずと知れたユーザーサポート部門。これがないと話になりません。

そしてもうひとつが販売の現場です。
お客様の要望は実に多種多様です。どんな優秀な販売員でもすべての機能について回答できるわけではありません。

そんなときに販売員の人が使うのがリファレンスとしての取扱説明書です。

商品自身に語らせる、されが取扱説明書の一つの側面です。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所

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