コンテンツにスキップ

【わかりやすいマニュアルの作り方】 第102回安全システムとしての取扱説明書制作(続き)

台風が来たので、ちょっとは涼しくなったように感じますが、それでも30度を超す気温が続いています。

平安時代には、平清盛がマラリア(瘧)にかかったということですから、京は少なくとも亜熱帯性気候だったことに比べれば、涼しくなっているのかもしれませんが…

■事故の発生の前に

さて。先週の続きです。

「事故が減る」ということは、事故の手前で発生するクレームが減少するということです。
事故にいたらないけれども危ない目に遭う可能性が下がると、いろいろな良いことがあることは言うまでもありません。
・クレーム対応が減り、営業の人が楽になります。
・製品のイメージが上がり、ひいては会社のイメージが上ります。
・あまりにクレーム対応が忙しいと、対応が雑になり、製品や会社のイメージを損ないます。

これらは、見えないコストです。
取扱説明書を外部に頼むと、見える形のコストが発生します。
見える形のコストと見えない形のコストではそのままでは比較できません。
これらに加えて、社内の制作に要する人件費を考えると、取扱説明書を外注に出すという考えがあるのではないかと、言いたくなるのです。

■PL訴訟になってもPL保険がおりない?

訴訟に負けても、PL保険があるから大丈夫と思ってはいませんか?
…甘いです。

よく保険の約款を読み直してください。以下のように書いてあるはずです。
・不当表示,偽装表示の場合は保険金を支払わない

このあたりの詳しい内容については元ネタでもあるJTDNAの渡辺氏のブログ参照頂くとして。

http://www.superbm.net/modules/wordpress/index.php?p=1517

偽装は意図的なものですから論外として、不当表示は意図と関係ありません。
PL裁判で表示欠陥とみなされるような取扱説明書を使用していた場合(申し訳ありませんが、社内で取扱説明書を作成している製品の多くがこれに該当すると思います)、不当表示と見なさると思います。

その結果、保険金が支払われないおそれがあります。

少なくとも、弊社とは言いませんが専門家に任せた方がそういったリスクが下がります。
さらに言うと、実はここ最近では取扱説明書を作った人本人がこういった点で訴えられる恐れが出てきているのです。
ですから、弊社を含む、取扱説明書を制作する会社もリスクを分担して持つということになっています。

こんなことを書かなければならないということ自体、嫌な時代になったものです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です