ありがたいことに、100回目です。先週は怪我をしたりと続けられなくなる機器もありましたが、なんとかこえられたようです。
■安全を優先すると言うこと
取扱説明書を制作する場合には、様々な制約があります。
例えば版型であったり、デザインであったり、ページ数であったり、また予算であったりします。
たとえば、「この箱に入れたいから、取扱説明書は小さくして」とか、「このデザインでいくから、注意書きのサイズは小さくして」といった場合です。実際、日常茶飯事といって差し支えありません。
その結果、注意書きの文字が5ポイント以下の米粒のような文字となって読みにくくなってしまったり、デザインに従った結果、薄い色で印刷された文字で印刷されるといったことが起こります。
でも、これらの「版型・デザイン・ページ数」といった制約はすべて制作者側の都合です。
弊社はこれまで、こういった制約の下で「制約の範囲内でできるだけよいものを制作する」ことをやって参りました。これからも、やらざるをえないでしょう。
しかし、弊社はできる限り「安全を優先したい」と考えます。
・書ける範囲が小さすぎて、詰め込むと文字が小さくて読みにくくなる
→書ける範囲を大きくする
・ページ数が少なくするために、図を減らして文字も小さくしてびっしりと詰め込んでいる
→ページ数を増やす
・デザインが読みにくい色や書式を指定している
→デザイナーと協議
このように、「わかりやすい・読みやすい」を実現するためには、ある意味商品の企画にも意見を出す必要が出てくる場合があります。
こうした場合に、同じ方向「安全を優先する」向いている会社さんと一緒に仕事をしたいと弊社では考えています。
「わかりやすさ」のガイドライン(コンサルタント・法務部の方へ)
現在、取扱説明書や注意書きの「わかりやすさ」には、公的な基準はありません。
弊社でも取扱説明書冒頭の注意書きについては、メーカーさんの法務部から原稿を頂くといったこともよくありました。そして、実際のところ「これで良いのか」といった資料がまとまっているところについては、弊社でも昨年まで知りませんでした。
弊社が参加していることもあるため、宣伝のようになってしまいますが、私の知る限りではそういったガイドラインを出して、第三者として「わかりやすさ」を検証できる機関はJTDNA(NPO)しかありません。
マニュアルの作り方のガイドラインやチェックの方法の基準については、JTDNAの出している各種ガイドラインが参考になると思います。
特に「取扱説明書ガイドライン」は有料ですが、購入してでもいちど目を通しておくことをおすすめします。
JTDNA http://www.jtdna.or.jp/
取扱説明書ガイドライン http://www.jtdna.or.jp/businesses/torisetsu-guideline.html
媒体検証ガイドライン http://www.jtdna.or.jp/businesses/baitai-kenshou.html
とりあえず、ここまででまずひとくぎり、連載100回ができたことを喜ぼうと思います。