前回は、梁瀬先生のセミナーの内容をアップさせて頂きました。
今回は、取扱説明書の根本、「取扱説明書は何のためにあるか」というお話をしようと思います。
■取扱説明書は何のためにあるか
いきなり結論を書いてしまいますと、「取扱説明書の目的は、製品を正しく使ってもらうため」にあります。
そんなに難しそうなこととは思えませんね。
では、それがどうしてこんなに問題になるのかというと、「正しい」という部分にあります。
「正しい」というのは、メーカー側から見た、「正しい」と思う使い方です。これを伝える必要があるのです。
■正しく使わないと、メーカーもユーザーも不幸に
正しい使い方がわからないと、ユーザーは、間違った使い方をするか、あるいはもっと困ったことに「全く使えない」と言うことが起こります。
全く使えないと、当然ながらユーザーは起こってユーザーサポートに電話をしてきます。まず個のを減らす、これが「良いマニュアル」の目的の一つです。
これまでは、だいたいそう言ったことを書いてきました。しかし、問題はそれだけではありません。
製品を、正しく使わなかった場合、何事もなければよいのですが、不幸なことに事故につながる場合があります。
正しくない使い方も、勝手に使っていて問題がないぶんにはまぁかまいません。しかし、ひとたび事故が発生した場合は、ユーザーの「誤使用」ということになり、「取扱説明書に正しい使い方の記述がない」または「取扱説明書に、その使い方を禁止されていない」といった場合、とても困ったことになってしまうのです。具体的には。PL裁判を起こされて負けます。
では、禁止事項をずらずらと並べばよいかというと、これがやっぱり読みにくい。読みにくすぎると、「読めない」と断じられて「書いてないのと同じ」になってしまいます。
ではどうするかというと、今までも何度か書きましたが「正しい使い方を書く」ことが大前提です。そして「これ以外の使い方はしないでください。」と包括的に禁止してしまいます。
これ以外には使用方法をきちんと制限できる記述方法はありません。少なくとも筆者は他の方法を知りません。
正しい使い方をきちっとユーザーに伝え、かつ「それ以外はダメ」と伝える。
マニュアルに要請される役割は以前より増えているようです。
■追記
この98回は重複でした。98回が2つありました。お恥ずかしい…