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【わかりやすいマニュアルの作り方】第96回何にでも説明はあった方がよい

ここ何年かで産業構造が大きく変わっています。
個人商店が減り、大規模小売店や通信販売にどんどんシフトしています。
ここでそれを論じても、どうなるわけでもないのですが、生産者(必ずしもメーカーとは限りません、輸入をしてる方も含まれます)は、今までのように知識のある、店員さんに売ってもらうことができなくなりました。

しかし、それでも商品に説明が必要なことがあることは変わらず、説明の必要性は、まったく減っていません。
さすがに生鮮食料品に関しては、お店の人が調理の仕方などを説明してくれているようですが、電気製品などに関しては、店員さんの知識の低下は、かなりのものがあります。もちろん、プロの店員さんはいますが、比率としては明らかに低下しています。

■誰が商品の説明をする?

しかし、商品の説明をしなければなりません。
そのためにどうするか。方法は一つしかありません、商品そのものに語らせることです。
つまり、説明が不要な商品を作る。これが理想ですが、それができないのであれば、商品に説明書をつけます。

このとき、間違えてはならないのは、取扱説明書は商品の一部だということです。
一番よくあるのが「取扱説明書は商品の付属物である」という勘違いです。
「付属物だから、とりあえず付いていればいいや」という結果につながります。
これは大きな間違いです。
どんなに良い機能があっても、その機能の使い方が分からなければ、その機能はないのと変わりません。
むしろ、わかりにくいだけであればクレームの原因となるだけですから、むしろない方が良いとも言えます。

説明と本体は一体なのです。
昭和時代の製品のように単機能の製品であれば、必要ない場合もあるかもしれませんが、現代の製品では考えにくくなっています。
むしろ、ユーザーの方も知識が低下している(お米を洗剤で洗う消費者が居る時代です)ことを考えると、説明がきちんと付いていない商品はそれだけで欠陥であるということです。

■PL法でいう表示欠陥とは

PL法には「表示欠陥」という言葉があります。
文字通り、事故が発生したときに取扱説明書や表示やシールなどが不足していたり、間違っていたりして、危険を防止できない場合に言われることなのですが、実はこれはとても恐ろしいことなのです。
PL保険に入っていらっしゃるとしたら、是非とも約款を見直してください。そこには次のようなことが書いてあるはずです。

表示欠陥がある場合は、この保険は支払われない。

このことは、JTDNAのセミナーで知ったのですが、言い換えると、「取説に欠陥があったら、保険金は出ないよ」ということです。
脅すわけではないですが、これは相当にヤバいはなしです。
ちなみに、表示欠陥というのは、取扱説明書の中に、メーカーの連絡先が書いてなかったという場合なども含まれます。

今は、消費者保護ということで、こういった方向がどんどん強化されているようです。

厳しい時代です。

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