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【わかりやすいマニュアルの作り方】第90回 取材について02

ひっかかったとこって何だろう?

前回は「ひっかかった」ところについてエンジニアさんにインタビューすると書きました。
それでは、どうして「そこ」にひっかかるのでしょうか?
答えは簡単です。

そこにトラブルの種を見つけるからです。

マニュアルは、ユーザーのために作るものです。ですから、製品が使いにくかったら、それを回避するような使い方を提示し、トラブルに直進する使い方は回避させなければならない。
前回は「エンジニアさんに想定される使い方を尋ねる」と書きましたが、これがまさしくそのためなのです。

想定される使い方とは

たとえば、 プリンターを考えてみます。
オフィス用のビジネスプリンタは、高速でさまざまな用紙が使えます。ポストスクリプトに対応していたり、ネットワーク機能も充実しています。
しかし、そのかわり起動時に大電力を必要としたり、動作音が大きかったり、消耗品が高かったり します。設置に要する面積も大きく、本体も重めです。
こういったオフィス向けプリンタを家庭で使用するとどうでしょうか。
当然、不平不満が出てくるはずです。

だから、適材適所で使うことが重要になってくるわけですが、それを説明するのは説明書の役割です。
製品の概要を説明するところで「本製品はビジネス向けで一般的なオフィスでの使用を想定しています」と書かなければいけないのです。

そうです。「書かなければいけない」のです。
使う人を想定したならば、そのように書かなければいけない。
エンジニアの基礎知識を前提とするならば、そう書く必要がある。
ここではプリンタでしたから、購入する前にカタログを見ることもできるでしょうし、購入前に知識のある店員さんに尋ねることもできるでしょう。
しかし、そうでない商品のほうが大多数なのです。

現在、売る側は消費者に「わかりやすく説明する」義務があるようになりました。

こことの関わり合いもあるのです。

次回の更新に続きます。

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