コンテンツにスキップ

【わかりやすいマニュアルの作り方】第82回 テクニカルライターになるには その02

前回はここまででした。

  • 1つめはマニュアル制作会社に入ること
  • 2つめはメーカーのマニュアル制作セクションに入ること
  • 3つめはフリーライターとしてテクニカルに的を絞っていくこと。

さて。

前回、3つ目はパスと書いたので残りの2つについてできる範囲で説明します。

それでは…

■マニュアル制作会社から始める

まず、こちらですが。
テクニカルライターになりたいと言う方に逆に質問です。
「マニュアル制作会社」って、どことどこがありますか?社名を挙げてください。
…私は業界の人間なので答えられますが、たぶん学生さんにはよくて3つくらいしか答えられないのではないでしょうか。
そう。とても狭い業界です。そして、発売前の製品を扱うことから、制作会社とメーカーの結びつきはとても強く、あまり開かれた業界でもありません。
そして、多くのマニュアル制作会社は翻訳会社や印刷会社の1セクションである場合が多いのです。
また、自分の知っているいくつかの良心的なマニュアル制作会社は、会社規模が小さいため、新人を採る余裕が無く、経験者の採用のみであったりしています。
つまり、こう書くと申し訳ないのですが、新人さんが「テクニカルライターになりたい」といってマニュアル制作会社を探すのはなかなか難しい、というのが私の見解です。

■メーカーのマニュアル制作セクションから始める

お奨めとしてはこちらでしょうか。
自分を含め、何人かのテクニカルライターはこの方法から始めています。
自分の場合は、最初はソフシウェアエンジニアとして始め、マニュアルセクションに異動したのがきっかけでした。
製品企画からマニュアルもてがけるようになった人、英文の翻訳から印刷物全般の担当となってマニュアルもやるようになった人…人それぞれですが、現在テクニカルライターを続けている人たちは必ずしも最初からテクニカルライターを目指していたとは限らない場合が多いようです。
実際、テクニカルライターというのは現在の日本ではわりとなんでも一人でこなさなければなりません。
PL法などの法務や、安全に関する知識、技術の知識はもちろん、印刷の実務やDTP、PCの操作やネットワークくらいは普通に扱えなければ仕事になりません。
そして、そういった知識や経験はほとんどの場合実務で身につけてきました。
そのためにも、最初から「ライター」としてだけの経験がないのでは、やっていくのは正直厳しいと言わざるを得ません。
また、小さな会社ではマニュアルセクションは独立していません。
そして、マニュアルセクションがあるような大きな会社では、希望のセクションに配属されるかどうかについては……です。

■まとめると

2010年の現状では「新人が最初からテクニカルライターとして就職する」のを探すのは難しい。
これが私の現状認識です。もしかすると、希望を打ち砕いたかもしれません。
自分としてもそういう就職ができるくらいテクニカルライターという職業が認識されることを望んでいます。
いつかそうなることを望みつつ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です