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【わかりやすいマニュアルの作り方】第179回プロの道具について

暑いです。他のことが言えなくてすみません。

天気としては異常だと思います。35度とかそれ以上は、人が生活できる温度ではありません。

やむをえずクーラーを入れて生活。少なくとも仕事をするときにだけは止められません。

■プロの使う道具について

さて。

今回はプロフェッショナルが使う道具の取扱説明書について書こうと思います。

プロフェッショナルの使う道具は、アマチュアの使う道具と何処が違うのでしょうか。

設計をしていらっしゃる人には説明不要な話とは思いますが、あえて書かせて頂きますと「制限が少ない」ということに尽きます。

自分は以前はソフトの開発職をやっていたことがありますので、開発用ソフトウェアの話を例にとってみます。

最近では普通の人のパソコンに開発環境がインストールされることは減りました、というかインストールされていても使うことが減ったため、見ることが少なくなったというのが正しいのかもしれません。実際にはオフィス付属のマクロツールやJavaなどが入っていることが多いのですが。

それはさておき、開発ツールを使用してプログラムを作成すると、できるプログラムにはOS / ハードウェアによる以外の制限がなく、よく考えて作れば(しばしば希望していなくても)実行環境を破壊したり、外部記憶装置を壊したりすることもできました。

電動工具なんかはもっとはっきりしていますね。もちろん安全対策はしてありますが、それでも作業効率を考えて、ある程度のところまでとなっています。

手で使う道具、たとえば包丁は刃がむき出しです。「こどもがはじめて使うほうちょう」といった製品でないかぎり、尖った切っ先や鋭い刃がついています。

■安全意識について

プロの使う道具は以上のように危険を含むことがあり、それをコストとして容認しているものだということです。

昔は、プロの道具は素人には手に入りませんでした。

しかし、今では洗浄機程度ならともかくとして、ホールソーやチェーンソーなどでも簡単にホームセンターで手に入ります。ホームセンターでカートの上に載っけてレジに持って行けば高校生でも買えるでしょう。むしろ、大きな包丁の方が買いにくいかもしれませんが。

ましてや、インターネット通販を利用すれば、お客様がどんな人かを確認することは不可能です。

ですから、取扱説明書も変わらなければいけないのです。

昔は「常識を持ったプロ」が「プロの安全基準」で購入した製品を使用していました。

プロは毎日のように同じ作業を行いますし、怪我をしたりしてはオマンマの食い上げになります。だから、安全確認がしっかり身についています。

毎日工事現場に入る人で安全帽を忘れる人はほとんどいないでしょうが、1日体験で見学に来た小中学生は言わなければ安全帽をかぶりません。

そういうものなのです。

現在は、便利になりました。あらゆるものが簡単に手に入ります。

しかし、そのかわり、自分は素人としてその商品を手に入れることが多いことを忘れないようにしないといけません。

商品を提供する方としては、たとえそれがプロ向けの商品であったとしても、「もしかしたら、素人が使うかもしれない」ということを考えて取扱説明書をつけたり、パッケージングしたりしなければならないのです。

「これはプロ向けの商品です」と言うのは事故が起こったときには通用しません。「素人でも簡単に入手できた」と言われて終わりです。

「誰にでも売ることができて」販売のチャンスが増えたということは、同時に「素人が買うかもしれない」のでうかつな扱いをされて事故を起こすリスクも増えているのです。

面倒なことではありますが、まずきちっとした安全対策を書いた取扱説明書を付属した方がよいと思います。

弊社は、安全対策に力を掛ける皆様の力になりたいと考えています。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所

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