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【わかりやすいマニュアルの作り方】第174回記号について-続き

6月に台風が来たかと思うと大雨と続きます。自然災害はあなどれません、皆様ご用心を…というのもあるのですが、今回のサーバーの大規模障害(おわかりの人にはわかるでしょうからあえて書きません)のようなことも、また会社をつぶすトラブルになりません。
他人やメカを信用しない、バックアップ体制を取っておくというのはできるだけ守りたいところです。

しかし、経験によると、トラブルはバックアップを取れないときにこそ起きるのですが…

■記号を変更するということ

今回は、前回に引き続いて記号の話です。まず、頭の中に「記号は標準化とその広報・教育が必要だ」ということを思い出しておいて頂けると理解が早くなります。

1ヶ月ほど前に「洗濯のタグ記号の変更」というニュースがあり、2回ほどそのネタを引っ張らせて頂いています。

記号は知っていないと役に立ちません。ですから、たぶん今回の変更でも家庭で洗濯を行う消費者にわかりやすいパンフレットや広報などの教育が大々的に行われるものと思います。実際、〇の中にPと書かれたマークを見て「駐車禁止?」という反応がテレビで紹介されていましたが、この状態では役に立たないでしょう。

報道によると、この変更の理由は「国外で服を売る際に、タグを複数付けなければならない」という製造側の理由であり、別に日本の消費者は困っていなかったわけですから、メーカーへの援助であると同時に、そのぶんは消費者には不便になるわけです。

ちなみに、先程のマークは「ドライクリーニングできます」というのが大意です。いままでであれば「ドライ」とカタカナで書かれていたマークが該当するそうですが…

現状では記号としての視認性が大幅に劣ります。

たぶん、この記号に全面的に移行するとしても、旧記号との相当の併用期間をおかないと、間違いが頻発することになるでしょう。

記号だからといってわかりやすいわけではないのです。

■取扱説明書の中の記号

さて。

取扱説明書にもたくさんの記号が使われています。

「禁止」であったり「注意」であったり…これらは、交通標識と同じマークを使用しているので、たとえ免許を持っていなくても、まぁ大概の人には通じるでしょう。この程度なら悪くありません。

しかし、「水濡れ禁止」とか「プラグ抜く」を記号として記載するのはどんなものでしょうか。

実際、これらのマークは業界ではフォントになるほど使われているのですが、こういった業界にいる私ですらこういった記号について教えられたことはありません。

しかも、「水濡れ禁止」とか「プラグ抜く」といった操作に関しては、その横に付いている本文を読まないかぎり、どんな場合にそういった操作を行わなければいけないのか、理解できないのです。

本文を読むのであれば、理解できない記号は無駄です。無い方が良い、むしろ害悪とすら言えるかもしれません。

他社の取扱説明書ではこのマークを使っているからうちも、ではわかりやすい取扱説明書はできません。実際に使う人のことを考えて、記号を使うべきかを判断していきたいと思います。

良い製品に良い取説を提供します

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