「取説屋:石井ライティング事務所」の代表兼テクニカルライター改めマニュアルディレクターのブログ

【わかりやすいマニュアルの作り方】第98回 梁瀬先生による警告表示と広告表現におけるPLトラブルを回避するポイント

先日、JTDNAのセミナーで、金城学院大学の梁瀬 和男先生のセミナーがありました。
その中で、警告表示と広告表現におけるPLトラブルを回避するポイントについての説明がありました。
これが大変にわかりやすかったため、梁瀬先生に特別にお願いして、ポイントについて資料を頂きました。
これは自分の仕事に役立てようと考えたのですが、自分だけで持っているのは大変もったいないと思い、公開の許可を頂きました。

以下に梁瀬先生のお話しされたPLトラブルを回避するポイントについて、掲載いたします。
掲載の御許可を頂けたことを心より感謝いたします。

なお、本テキストは筆者が書き起こし直したものであり、丁寧に見たつもりではありますが、誤字・脱字などがあった場合の責任は筆者にあることを追記しておきます。

また、元データには「3 今後、注意すべき事項(その1)」「3 今後、注意すべき事項(その2)」とありましたが、以下では表示を割愛させて頂きました。

以下、資料の内容です。

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<警告表示のPLトラブルを回避するポイント>

  1. 警告ラベル、取扱説明書は「製品の付属物」ではなく「製品の一部」であるという認識が必要である。
  2. 具体的に、正確に、やさしく、簡潔に説明する。
  3. 「…しないで下さい」という警告だけでは不十分。危険の種類、程度、さらに、応急処置や解毒方法なども記載する。
  4. 重大な危険性については、すぐ気付くような(immidiately obyious)表示をすべきである。
  5. 主な対象が子供、高齢者、外国人などの場合、特別な配慮が必要である。
  6. 警告ラベルは製品本体の見やすいところに貼付する。
  7. 警告ラベルの耐用年数は製品の耐用年数に合わせる。

※製品の安全性は、本来製品本体で解決すべきであり、安易に警告表示に頼るべきではない。

<広告表現のPLトラブルを回避するポイント>

  1. 消費者に過大な安心感を与えたリ、過大な期待を抱かせるような表現をしない。
  2. 広告で表現する製品の使い方は、メーカーが設計段階から意図した正しい使用方法.または,メーカーが合理的に予見している使用方法とみなされる。
  3. 製品の取扱説明書や警告ラベルの表示内容と矛盾するような広告表現をしない。
  4. 製品のユーザー・ターゲットおよびコミュニケーション・ターゲットを配虜した分かりやすい表現をする。
  5. 小売業者が実施する広告表現のチェック体制を整える。
  6. PLの責任期間である10年間は、広告作品および関連資科を保存しておく。
  7. 海外向けの広告表現については、PL専門の弁護士に最終チェックをしてもらう。

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以上です。

【わかりやすいマニュアルの作り方】第97回マニュアル制作者に必要な能力

先日、様々なメーカーさんとの交流会に行ってきました。
そこではまだ直接商売の話にはなりませんで、相変わらず「そういう仕事があるのか」という反応が、数多く見られました。
まあ、日本中探しても「マニュアル制作者」の養成をしているところはほとんどない(厳密には始めたところがあります)状況なので、仕方がないところではありますが。
「マニュアルなんて、日本語を書ければ誰にでも書けるだろう」と思っている方がまだ多いということですが、実務でやってみますと、そんなことでは全く制作できないという、壁にぶち当たるはずです。
マニュアル制作者に必要な能力を、リストアップしてみます。
この内容は以前にも書きましたが、その時代よりも、必要な能力がいくつか増えているのです。

■技術的理解力

まず真っ先に必要なのはこれです。
「この製品なんだかわかんないけど、とにかく書く。」これではよい取扱説明書は絶対にできません。
技術的な詳細についてまで知っている必要はありませんが、その技術が何なのかといったことまでは知っている必要があります。
■説明をする技術力
テキスト・イラスト・写真・図表・デザイン・構成など全てをひっくるめて指しています。
とにかく、わかりやすく説明する能力です。
個々の文章の書き方から、全体の構成の作り方まで、広い範囲を含んでいます。

■成果物を作る能力

印刷物・ヘルプ・htmlその他どんなメディアであれ、最終成果物を作る能力です。
印刷の基礎知識から、レイアウトデザイン-しかし、ここでは説明のためのデザインではなく、印刷物として必要な小口やノドといった知識を指しています。
また、技術的に「このテキストは絵の回りを、回り込ませることができるかどうか」といったことを知っている必要があります。
このあたりの技術を持たず、たとえば、Wordでテキストと図表だけ作り、製品写真をデジカメで撮影して、すべて印刷屋さんに持ち込めば、取扱説明書を作ることはできます。
しかしそういった方法で作られた物が、良い出来であるということは少ないでしょう。
全部自分でやる必要はありません、しかし、少なくとも、どのようにして作るかの指示が書けるだけの、技術は必要なのです。
■法律的な知識
「取扱説明書に何を書くか」「取扱説明書はどう書くべきか」
このあたりを規定する知識です。
実務としては、「会社名・連絡先は必ず掲載されていなければならない。」や「使い方の最初には、危険・警告・注意といった内容を記載する。」といったことを知っていなければなりません。
これも厳密な法律知識が必要なわけではありませんが、PL法や消費者保護法、および各業法が「どんな思想に基づいて何を目的として作られているか」ぐらいは知っている必要があります。
実は、この部分が、今までの説明と違うところです。今までは、こんなに法律的な知識が普通だと自分では思っていませんでした。
ただ、知らないでいますと、いろいろとヤバい(デザイナーや制作者個人が訴えられたという実例があるものですから)ので、最低限は自分の身を守るために必要だということです。
今週はこのあたりで…

全天周映像-HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-を見てきました

全天周映像-HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-を杉並区立化学教育館のプラネタリウムで見てきました。

基本的には、知っている内容が映像化されていたのですが、やはりパソコンの小さな画面ではなく、全天周映像で見ると迫力が違う。
地球が迫ってくるシーンでつかめるような感じからしてすばらしかった。

ハヤブサが帰ってくるところでは、やはりつい涙腺が…ゆるんでしまいました。

【わかりやすいマニュアルの作り方】第96回何にでも説明はあった方がよい

ここ何年かで産業構造が大きく変わっています。
個人商店が減り、大規模小売店や通信販売にどんどんシフトしています。
ここでそれを論じても、どうなるわけでもないのですが、生産者(必ずしもメーカーとは限りません、輸入をしてる方も含まれます)は、今までのように知識のある、店員さんに売ってもらうことができなくなりました。

しかし、それでも商品に説明が必要なことがあることは変わらず、説明の必要性は、まったく減っていません。
さすがに生鮮食料品に関しては、お店の人が調理の仕方などを説明してくれているようですが、電気製品などに関しては、店員さんの知識の低下は、かなりのものがあります。もちろん、プロの店員さんはいますが、比率としては明らかに低下しています。

■誰が商品の説明をする?

しかし、商品の説明をしなければなりません。
そのためにどうするか。方法は一つしかありません、商品そのものに語らせることです。
つまり、説明が不要な商品を作る。これが理想ですが、それができないのであれば、商品に説明書をつけます。

このとき、間違えてはならないのは、取扱説明書は商品の一部だということです。
一番よくあるのが「取扱説明書は商品の付属物である」という勘違いです。
「付属物だから、とりあえず付いていればいいや」という結果につながります。
これは大きな間違いです。
どんなに良い機能があっても、その機能の使い方が分からなければ、その機能はないのと変わりません。
むしろ、わかりにくいだけであればクレームの原因となるだけですから、むしろない方が良いとも言えます。

説明と本体は一体なのです。
昭和時代の製品のように単機能の製品であれば、必要ない場合もあるかもしれませんが、現代の製品では考えにくくなっています。
むしろ、ユーザーの方も知識が低下している(お米を洗剤で洗う消費者が居る時代です)ことを考えると、説明がきちんと付いていない商品はそれだけで欠陥であるということです。

■PL法でいう表示欠陥とは

PL法には「表示欠陥」という言葉があります。
文字通り、事故が発生したときに取扱説明書や表示やシールなどが不足していたり、間違っていたりして、危険を防止できない場合に言われることなのですが、実はこれはとても恐ろしいことなのです。
PL保険に入っていらっしゃるとしたら、是非とも約款を見直してください。そこには次のようなことが書いてあるはずです。

表示欠陥がある場合は、この保険は支払われない。

このことは、JTDNAのセミナーで知ったのですが、言い換えると、「取説に欠陥があったら、保険金は出ないよ」ということです。
脅すわけではないですが、これは相当にヤバいはなしです。
ちなみに、表示欠陥というのは、取扱説明書の中に、メーカーの連絡先が書いてなかったという場合なども含まれます。

今は、消費者保護ということで、こういった方向がどんどん強化されているようです。

厳しい時代です。

チラシ作りました

これから交流会などに持って行くためのチラシです。
モノクロでシンプルに作りました。

Tirashi_100706

【わかりやすいマニュアルの作り方】第95回それでもポイントは愛

前回の直接的な続きです。
突然、歌のタイトルのようなものが出てきて驚かれたかと思います。
しかし、まぎれもない前回の続きです。
ですが、前回とは全く趣が変わってしいるので驚かれるかもしれません。

■愛が無くては始まらない

さて。

前回の「取説屋」のお客様層について、もう少し掘り下げて考えました。
すると、お客様は「自分の仕事に誇りを持っているプロ」だという結論になりました。
つまり私はプロと仕事をしたかった。ということなのです。
プロは、自分の作ったもの責任と愛を持っています。
責任を持つのはプロとして当たり前、愛がないならプロとしてやるべきではありません。

つまり、私、取説屋は、こういう「プロとしての技能」を持っています。
一緒に、良い仕事をしたいです。

ただ、それだけのことです。

■説明が必要な時代

本当は、取扱説明書が不要な製品が理想だというのは私も知っています。

でも、昔とは販売方法も変わりました。
昔は、お店で、対面販売をしていました。
今は、対面販売よりも、電話インターネットファクスを使った通信販売の比率がはるかに大きくなっています。
昔ならば、店員さんは専門家でした。商品の説明もしてくれました、サポートもしてくれました。アフタサービスももちろんしてくれました。
ですが今は、そういった、説明などについてはほとんど望めなくなっています。
商品の情報については、製品を出すが、メーカー側、生産者側が提供しないといけなくなっています。
消費者保護法との関連もありますが、何より、通信販売の説明のもととなるものは商品の説明です。

生産している人や会社が商品の説明をつけなければ、通信販売の業者は一般的な説明をつけることになります。
あなたの商品が「こんな特色があるのでこう売りたい」と思っても、それを伝えない限り、伝わりません。
販売会社に口頭で説明しても、それはなくなります。
「説明をこうつけてほしい」そう思ったなら、紙かデータでつけるべきです。
そしてそれをお手伝いできるのが、私「取説屋」だと考えています。

「取説屋」は、取扱説明書ばかりを作っているとは限りません、リリースやニュース原稿のもとだって作れるのです。
自分の商品はこういうものだ、と説明したことがある方は、ぜひご相談ください。

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