涼しくなってきたと思ったら、都内には豪雨が降って近所の石神井川まで溢れそうになっていました。
ゲリラ豪雨ということですが、実際に危険なので油断できないです。台風も極端に速度が遅かったり、変な気候です。
さて。
今回はどう取扱説明書を工夫しても手も足も出ない製品について書こうと思います。
■わかりにくい製品
実は。弊社でも、どうやってもわかりやすくすることが困難な取扱説明書というのも存在します。
ハードウェアの場合は、手が入りにくい、回してみてもよく見えないなど物理的に手を入れにくい場合。
ソフトウェアウェアの場合は、似たような画面がいくつもあって、それぞれ入り方が異なる場合。
いいわけではなく、元々のデザイン-設計が悪くて、どんなに説明してもまぎらわしかったり、そもそも操作困難だったりする場合です。
人のせいにするわけではありませんが、実際にこういった製品も存在することは事実です。
では、こういった製品の取扱説明書を制作することになった場合はどうするか、ということになります。
簡単なのは、そのままわかりにくい取扱説明書を作って納品してしまうことですが、それは仕事とはいえません。
■わかるところまで分解する
と、ここまで書いて見出しでネタ晴らしをしていますが、実はひとつの説明で理解できる内容はさほど大きくはありません。
一つの説明で多くて二~三動作ぐらいまでです。
ハードウェアの場合に、スイッチを回してロックをはずして、押し込んで、3秒待ち、同時にもうひとつのボタンを押すという手順だとしたら、それを、「一手順の説明」で説明しようというのが間違っているということです。
そんなばかなものがあるものか、と思われるかもしれません。しかしこういったものが意外と結構あるのです。今はわざとこのように書いていますから、バカな話に見えます。しかし、実際には「手順1」が半ページ近くにわたって続いている取扱説明書というのを、時々見ることがあります。
これに対する対処はどうするかというと、見出しの通り、手順を分解し、理解できるところまで、細かく、手順を分けて書く、ということです。
見かけが1手順であるということにだまされてはいけません、わかるところまで、手順を分解して書けばよいのです。
■紛らわしい設定画面
ソフトウェアの場合は、もうちょっと深刻でした。
設定画面1・設定画面2・設定画面3とあって、それぞれがそっくりでかつ微妙に機能が異なるなんて場合があります。それぞれの場面でしか設定できない項目があり、しかも設定画面への入り方が違う。
こういうソフトウェアか実際にありました。
取扱説明書を書く前にテストのため操作をしていて、何がなんだかわからなくなって混乱しました。メニューの設定から入る場合と、右クリックのプロパティから入る場合と、設定アイコンから入る場合に、それぞれ動作が違うのです。
おまけに先ほども書きましたように、設定画面の見た目はそっくりなのです。
この場合は、結局目的別に書くことで対応しました。
- ●●の設定を行う:右クリックして設定画面にはいる。
- ××の設定を行う:メニュー→設定から設定画面にはいる。
このように設定の目的を明白に見出しにすることで、設定画面に入って何をするか、迷うという問題から逃れることができました。まぁ一応、取扱説明書としては理解しやすくなったのですが、それでも冗長なことは否めませんでした。
結局、そのソフトウェアは次のバージョンアップで、設定画面を一本化してわかりやすくなったのですが。
設定画面は、何かを設定することが目的です。その画面の操作自体は目的ではありません。このあたりの考えの切り替えが、わかりやすい取扱説明書を制作できるかのポイントの1つのように感じています。