コンテンツにスキップ

【わかりやすいマニュアルの作り方】第134回 取材の大切さ

ビックサイトの方に取材に行ってきました。

もちろん仕事で、エンジニアの方から話を聞くのが目的です。

もっとも、自分は船が大好きなので、帰りには有明ふ頭から水上バスに乗って帰りたくて困りましたが。

■取材の大切さ

今までにも何度か書いていますが、良い取扱説明書を作るためには、しっかりした事前取材が必要です。

事前取材には、当然ながらその商品について詳しい話を聞く、機能や特長について、話を聞く、といったことが一つ目の目的に挙げられます。

しかし、取材の目的はそれだけではありません。

エンジニアの方または、販売している方から「この商品の、どこが素晴らしいのか」という、「売る人の気持ち」を聞いてくることが必要です。

「そんなものなくても書ける。」その通りです。しかし、それが良いものになるかという点では、実物を見て、さらにエンジニアさんや販売員さんからお話を聞いた方が良い物になると断言できます。

「製品にかける思い」これがわからないでマニュアルを作るのでは、あまり良いものができない、そう思えないでしょうか。

■人への取材、製品への取材

今回は、製品を作っているメーカー様への、取材がメインでした。

それと同時に、製品がどのように動くかについても取材をする必要がありました。

テクニカルライターという仕事は、人だけでなく、「もの」の言うことも聞かなければなりません。

製品を実際に操作してみて、その製品がどういうコンセプトをもって作られているかを理解する必要があります。

例えばパソコン向けの周辺機器であるならば、お客様は高い確率で技術に詳しい人である可能性が高くなります。

また、家庭用品であるならば、おそらく主なお客様は主婦であろう、と想像されます。

もちろん、主なターゲットが、だれであれ誰が読んでも分かるように、取扱説明書を書かなければなりませんが、それでも基礎知識の有無(例:パソコンユーザーにはUSBの基本的な説明は不要)は、現行の内容を左右します。

■実際の取材

今回の取材は、玄関ドアについてでした。

ビックサイトにおける展示会の出展物の取材でした。そのため、幸いなことに秘密の内容はなく、公開情報だけで構成されています。

今回、マンションのドアについて、可動部分の写真を33枚撮影してきました。
普通に見ると、どれもこれも似たような写真で、面白みはまったくありません。

ただ、実際に、カギが刺さっているところ、カギを抜いたところなど状況によって異なるものをきちんと撮影してあります。
それだけに、そっくりなものが30枚も、ということになるのです。

そして、今回は取材メモを公開します。内容は、カギを掛ける・開ける・カギを抜くといった一連の動作です。難しいことはありません。
ただこの動作は、自分が試してみて、カギを抜く方法がわからなかったことから丁寧にメモを取ってきたものです。

メモメモをとっているときに、社長さんに聞かれました。

「やはり物を見ながらでないと、難しいですか?」

自分はこう答えました。

「はい、やはり、ものを見て、いじってみてが基本ですから」

私たちはこう考えて仕事をしています。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です