マニュアルと注意書きの続きです。
注意書きとマニュアルは立場が違い、補完関係というべき立ち位置にあります。
「危ない」という注意は 実際に操作するとき以外は役に立ちませんが、困ったことに箱や注意書きのペラは、操作する時点では大概手元にありません。マニュアルはもうちょっとマシで「最初の操作」のときまではたぶん、手元にあって参照してもらえるはずです。
■見てもらえない警告・注意は意味がない
前回のエントリでも書きましたが、最近のマニュアルは冒頭にまとめて「注意・警告」が書いてあります。
しかし、実際のことを考えると、これは読んでもらえないので、ないのと同じです。
これと同じしくみが、タバコの外箱にある「健康を損ねる恐れがあります」 です。ヘビースモーカーの人は、あんなことは承知の上でタバコを買って、喫煙している。あえて言えば、はじめてタバコを吸う人に警告としての効果があればよいかな、といったところがせいぜいでしょう。
■できれば言い訳はしない
ですから、実際に効果がある注意書きというのは、操作部分のそばに添付されているなど、常に見ることができる必要があります。
そうしてはじめて効果が上がります。
でも、製品を作る以上は、言い訳をしないですむ方が良いと思いませんか?
ライターは火を付けるものですし、刃物は鋭いものです。使うときはそういった特性がないと役に立ちません。
でも、それ以外の時、持ち歩くとき、置いておくときなどは安全な状態にこしたことはありません。
そうすれば「持ち歩くときはケースに入れてください」と書く必要はないわけです。
マニュアルやその他の注意書きはあくまでも補助にすぎません。
製品を注意書きがあまり必要でないように設計する。
本当は、これが一番だと思っています。
もう少し、次回のエントリに続きます。
石井さん>>
無駄な表示、無駄なページ、すべてに無駄でよかった、というのは余り無いですね。
エコを語る製品の取説の無駄なページ、無駄でしかも有害な重金属のカラー印刷。
エコを語るなら取説もエコでないと。
読みやすさは、簡潔な文書と視認性よさ、それにわかりやすいイラスト、それにレイアウトが重要、そう決めて15年、作りやすい、手離れがよい、ミスが少ない、作る側にも簡潔でわかりやすいものはメリットがたくさんありますね。