さて、「テクニカルライターになるには」は今回で最後です。
前回までで、新人からテクニカルライターを目指すのは日本においては難しいと書きました。
このことは、少なくともテクニカルライターという職業がデザイナーと同じ程度に認知されるまでは変えられないと思います。
■実際にライターをしている人たちは?
では、実際にテクニカルライターとして仕事をしている人たちは、どうやって今の仕事についたのでしょう。
前回、前々回で書いたように、元は技術者であったり、編集者であったり、翻訳者であったりして、そこからテクニカルライターになっていくという例が多いようです。
それだけに、それぞれの元の職業から身につけた特長が現在の仕事に生かされています。
以前にも書きましたように、現状ではテクニカルライターは執筆から画面作成、下手をすると編集-DTPまですべてをこなすことが要求されます。
「これができない」では仕事にならない場合があるのです。ですから、それだけの幅広い技能を身につけるには、どうしても時間がかかります。
その上で個人営業をするならば、さらに営業・経理・広告宣伝、そして何よりも経営を見られなければいけません。
実は、自分でもこれら全部を見ることはできません。
だから、他の人にいろいろとお願いしています。
無理をお願いすることもあります。
継続して行くには難しい仕事かもしれません。
しかし、技術者と消費者の間をつなぐ、テクニカルライターという仕事は絶対に必要な仕事だと信じています。
これを読んでいる皆様が、テクニカルライターという仕事を理解していただき、できればそのうちの何人かは志していただけるとすればこんなうれしいことはありません。