あけましておめでとうございます。
2014年になりました。ブログの新しい更新を投稿します。
それにしても、寒いです。さすがに寒の入りをすぎると違いますね。
そて、ここから本題です。
取扱説明書を作成しようと考えている人で、広告代理店やデザイン事務所に依頼すればできるだろうと考えている人もいると思います。
しかし、デザイン会社に依頼する前にも、そこが広告を主な仕事にしているところではないか、確認してから依頼した方が良いと思います。なぜなら、取扱説明書に必要なテクニカルライティングと、広告のコピーライティングはまったく異なったことだからです。
テクニカルライターとコピーライターはどちらも製品について文章を書く職業であり、しずれもその道のプロフェッショナルです。しかし、その向いている方向はまるで違うのです。
取扱説明書は元来「購入したユーザー」向けの「技術文書」です。
それに対して、広告コピーや商品パッケージは「購入前」向けの宣伝の文書です。
対象とする読者の想定が異なります。そして、目的も異なります。
たとえば、広告には「製品の欠点」は記載されませんが、取扱説明書の場合「危険」「やってはいけないこと」として欠点も記載されます。
こういった理由から、宣伝コピーと取扱説明書の両方を同時に作ることは非常に難しくなっています。
■技術文書としての取扱説明書
最初の導入部分でも書いたように取扱説明書は「技術文書」としての性格を持っています。
これにより、読者は製品を理解したいと思って読んでいるという前提に立つことになります。
先に書いたコピーライティングなどの場合には、読者は製品について理解したいとは必ずしも思っていないという状態で読むことが想定されています。
現在ではwebサイトの発展により、取扱説明書もPDFといった形で製品購入前に見ることができる場合が増えてきていますが、一般的には取扱説明書は製品購入後その製品を使用しようと思ったときに初めて見るものということになっています。
これはちょっとした違いではありますが、作り手の気持ちには、結構な差をもたらすものとなります。
その商品を買った人とまだ買っていない人ですから、買ってくれた人には隠し事をしない、もしかしたら買ってくれるかもしれないまだ買っていない人にはちょっとかっこいいところを見せたいといった「気持ち」が働くことになります。
もちろん、これは「気持ち」でしかありませんから、切り変えることは可能です。しかし連続的に何度も切り変えるというのは、他の人にはできるかもしれませんが、少なくともテクニカルライターとしてて、技術文書を作成する私には難しいことでした。
■二種類の文書の違い
では、具体的にテクニカルライテンングとコピーライティングはどう違うのでしょうか。私はコピーライティングをやったことがないので、詰めがぬるいと思いますけれどもそのあたりはご容赦ください。
とりあえず、例として今、自分の手元近くにある「湯たんぽ」でやってみましょう。
●テクニカルライティング
湯たんぽには、ヤカンなどで沸かした熱いお湯を入れます。
この熱いお湯の入った状態の湯たんぽは、カバーが掛かっていない状態では直接触るのは避けてください。火傷の原因となります。
炊事用のミトンや手袋などをはめて扱い、カバーをできるだけ早く掛けるようにしてください。
●コピーライティング
湯たんぽは、クリーンなお湯のエネルギーで私達の身体を温めます。
湯たんぽは、排気ガスも出さず、どんな場所でも使えるクリーンなエネルギー「お湯」を使っています。
ちょっと熱すぎる暑すぎるときはカバーを掛けて、いつだってベストコンディションで扱えます。
さて、この違いはどこから来るのでしょう……については説明しましたが、次回はどのようにちがうのかについて説明しようと思います。