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【わかりやすいマニュアルの作り方】第201回 電気用品安全法(電安法)の解釈を見直し-広がる夢

驚くほど早く東京都内が梅雨に入ってしまいました。かと思えば、梅雨に入ったというのに晴れの日が続いたりもしています。
なんだか変な気分です。体調を崩さないように気をつけてくださいね。

本ブログも200回を突破して、珍しくまめに毎週更新を続けています。

今回更新が続くのは、何よりも大ネタが飛び込んできてくれたということに尽きます。

そして、今回はその大ネタのトリとなります。今回は、自分自身の興味が向いているので、ふだんよりもぐっと長いものになってしまいました。

■改正の内容について

さて、前回及び前々回に引き続いて電気用品安全法(電安法)の解釈に変更があったことについて書きます。

前回も書きましたが、今回追加されたのは、「今までは電気回線か赤外線でしか操作ができなかったリモコンを、通信回線を通じて操作できるように変更した」ということです。

後日追記:iOS7からBluetoothを使った、近距離無線通信iBeaconがサポートされました。まさしくこれですね。

実は…今回書く内容は、前回及び前々回の2回の説明とは全く異なり、「こんなこともできるすごいぞ!」と、技術の使い道について夢を語る回となります。もしかすると、実際には実現できないようなことが多数含まれるかもしれませんが。

でも、自分はこのあたりの技術の夢が楽しくて仕方がないのです。

「今まではこういう事は法律的に全くできませんでした」ということは同じですが、これは個人的な技術に関する趣味の問題です。
まぁブログなので勘弁してください。

また、前回までは、この変更によって通信回線を利用してリモコンが操作できるようになるとどういうことが起きるかいうことについては、いくつかサンプルを示すにとどめました。

もう少し追加してみようと思います。

■これを利用するとどういう良いことがある?

実例としてすぐに考えつくのは前回までのサンプルや、以下のようなあたりでしょう。

●家の外から洗濯機を起動する

家の中にある洗濯機に…あらかじめ洗濯物を洗濯機に入れておかなければなりませんが…さすがにスマホはそこまでのことやってくれません……指示を出して家に帰った頃に洗濯が終わるようにセットし直す。

●自動掃除機を家にいないときに起動する

もちろんこういった遠隔地からの操作と言う事が便利になる事はもちろんですが、実は表に現れていないもう一つの側面があります。

これを利用するともっと良いことがあるのです。

実はこのブログの原稿を書いていて「あれっ? もしかしたら、これが実現するとこんなことできるんじゃないか?」と気が付いた事でもあったのです。

■これを利用すると考えられるもっと良いこととは?

答えはとても簡単です。

超高性能リモコンがほとんどノーコストで出来てしまう」ということです。

なんと言ってもスマホと言うかなり高性能なCPUを積んだ小型コンピューターがリモコンになってくれるのです。

たとえ1世代や2世代古いスマホであっても、既存のディスプレー付きリモコンに搭載しているワンチップCPUなどとは比較にならないほど高性能な上、さまざまなデバイスが無料で利用できるようになるのです。

これはものすごいことです。

ついでに言うと、これによって本体の操作パネルもなくしてしまうと、高機能のリモコンがありますから、そちらでほとんどの操作はできますし、コストをかなり下げることができます。

●ハードディスクレコーダーをスマート操作

ここまでの内容でイメージできない人向けに、ハードディスクビデオ録画機を例に考えてみましょう。

もちろん、本体と赤外線リモコンといった現状の組み合わせは再生・停止・早送りといった直接操作にはもっとも向いています。

しかし、番組の録画予約といった機能を操作しようとすると、本体から録画メニューを呼び出し→番組表呼び出し→録画設定といった一連の操作を行うことになります。

簡単に言うと、これらの操作のユーザーインターフェースを本体に内蔵させなければいけないということになります。

録画だけでなく、録画した動画の管理機能などについても同様です。動画の削除やフォルダを作って移動といった機能は、スマホのお得意です。

こういった機能を持ったアプリケーションを作るのは、一般のソフトウェア会社で可能です。ハードウエア設計の中に含めないで良いのです。

また、これらの全ての操作をハードウエアと、赤外線リモコンの限られたキー操作だけで行おうとすると非常に難しくなります。

かといってへ赤外線リモコンのキーを追加すると「こんなに多いキーのリモコンでは、わけがわからないよ」といったことになってしまいます。

もちろん、アプリを間違ってアンインストールしてしまったといった場合にそなえて、本体でオンオフができたり、アプリがダウンロードできたり、バックアップを取っておけたりということは危険防止策として必要になります。

■スマホのデバイスを利用したリモコンも…

普通に、リモコンと言う面から考えるとこのような結果になるのですが、実はスマホをリモコンにできるとすると、さらに、とんでもない高機能化ができるというもう一つの側面があります。
それは、「条件による機能の実現」です。

やはり具体的に書いてみましょう。

●雨が降っている日の昼間だけ除湿器を動かす

「天気」の条件を取得して、本体の動作に反映させます。

もっともこの天気の条件の取得方法をインターネットにするのか、それともスマホ本体に湿度計といった機能があること前提にするのかといった事は残ります。

もちろん、時計についてはスマホのほうの時計を利用して、操作される除湿器本体には搭載する必要すらありません

●天気によって、洗濯機の動作を変える

天候による動作の判断についてはもうひとつ例を書きます。

スマホリモコンが使える場合、洗濯物と洗剤を夜に洗濯機の中に入れておいて、明日の朝の天気、晴れか雨かによって洗濯をするかどうかを自動で決めて動いてくれるということができるようになります。

ついでに、快晴なら30分の簡易乾燥モードを、曇りで乾きが悪そうなら、しっかり乾燥を選ぶなんて事も簡単に機能追加できます。
ハードウェア的には通信するというだけのコストで…

●オーナーの場所をGPSで取得して、対応した操作をする

これ、どこまでやって良いのか全く不明なのですが……

スマホ本体のGPSと通信機能を併用するとそのスマホを持っている持ち主がどこにいるのか、操作されるデバイスの場所がどこにあるのか、といったことを取得できるようになります。

例えば、マンションに住んでいるオーナーが100メートル以内に帰ってきたら空調をオンにするといったことが可能になるわけです。

ただこの辺本当にわからないのが、この遠隔操作どこまで自動化して良いのでしょうか。

スマホがリモコンになるという事は当然ながら、プログラミングした操作にしたがってリモコン操作される可能性があるということです。本体側からは人間が操作しているのかスマホがプログラムに従って操作しているのかは判別する手段がありません。

さらにこっそり書いてしまうと、本体側からはOSが何かと言うぐらいのことまでは判別できるかもしれませんが、コマンドを出している機器がスマホなのかどうかといった形状については判断できません。

つまり……タブレットからあるいはもっと言えばパソコンから画面をちょこちょこっといじると、家電製品が操作できる様になるのかもしれないのです。

ちょっとわくわくするような法律の解釈の改正だと思いませんか?

■リンク

最後にやっぱりもう一度リンクを貼っておきます。

経済産業省>消費者政策>製品安全ガイド>電気用品安全法のページ>(3)解釈・Q&A

http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/kaishaku.htm

電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈の一部改正について(20130424商局第1号)

http:www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/kaishaku/gijutsukijunkaishaku/kaiseibun20130510.pdf

◆電気用品安全法

http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/topics.html

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