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【わかりやすいマニュアルの作り方】第176回一般の人のマニュアルの認識

毎回、天気の話で申し訳ありませんが、さすがにこのところの天気の異常さはどうしたのだろうと思います。

雨が降るにしても、あまりにも極端です。
全然振らないか、おるときは100ミリといった大雨、これでは安心して暮らすことができません。

おそらくは、地球温暖化その他、マクロな事象によって引き起こされている異常気象だとは思いますが、もうちょっとなんとかなってほしいものです。

 

■一般人の作ったマニュアル

先日、普通の人が作った業務マニュアルを見る機会がありました。

まあどこででも作られるようなもので、この仕事の資料はどこにあり、あそこの人に聞く、といったことが記されています。

しかし、それを「マニュアルだ」と言われると、自分としては大変に困ってしまいます。
なぜならそれは、私たちが考えている「マニュアル」というレベルまで達していないからです。

別に高いレベルのものを作れと言っているわけではありません。ある一定レベル以上のものを作ってほしい。と考えているのです。

ではその一定のレベルというのはどういったことを示しているのでしょうか。

実際、その普通の人が作った「マニュアル」はどういったものだったのかという点から見ていこうと思います。

実はその「マニュアル」で一番困った点は、次の点でした。

「やらなければならない作業」は列記されていますが、それぞれの作業の順番の依存関係が全く分かりませんでした。

たとえば、「瓶の中に水を入れる」といった作業があるとします。

これは、たとえば、「1.ふたをあける」「2.水を入れる」といった作業に分解されます。

そして、「1.ふたをあける」という作業を、「2.水を入れる」という作業をよりも必ず前に行わなければならない、という説明を必要とします。

書き方にもよりますが、「ふたを開けてから水を入れる」 または上記のように手順として書くと思います。また、こうしないと、きちんと瓶の中に水を入れることができない可能性があるわけです。

■手順の「順番」自体も重要な情報

もちろんこういった作業は、「常識」として順番が知識として共有されている場合があり、そのために書かれずに終わってしまった、ということも考えられる。

作業のリストをすべて書き出したとしても、それはまだマニュアルとしてはまったく十分ではありません。
少なくとも、その作業の順番がどうなっているのかについての情報は必要です。

上に書いたような「手順として記述する」という方法はその記述方法自体の中に情報を含んでいるのです。

しかし、残念なことに「やるべき作業」すべてのリストアップを終了すると、それで「取扱説明書制作」は終わったと勘違いしてしまうことがあるのです。

手順の中の順番は、必ずしもひと通りとは限りません。場合によっては順番が前後することはしばしばありますし、手順をいくつか行わないと順番を決められない、ということすらあります。

かといって、フローチャートのような方法は解決ではありません。今回、フローチャートについて詳細に述べる余裕はありませんが、やはりそれだけでは足りないのです。

むしろ、表や普通の説明文の方が良い場合があります。

そういった入り組んだ手順をどうやってわかりやすく説明するか、そこにこそ取扱説明書を制作者の、腕・技術の見せ所があるのです。

作業の一覧の制作は、取扱説明書制作作業の第一段階です。ここからどうしていくかを考えていくのです。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所

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