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【わかりやすいマニュアルの作り方】第164回取扱説明書と必勝本・解説本

今日は本当に大変な春の嵐のようです。今日お出かけになる人は、十分気をつけてください。

でも春の嵐と共に、ようやく長かった冬も終わり、やっと暖かくなってくるようです。

つくしも芽を出し、桜の花が咲き、春の気分になってきました。新しい期が始まったところで、楽しく気合を入れて頑張っていきましょう。

さて。本題です。

■必勝本・解説本と取扱説明書

今回は、取扱説明書と必勝本・解説本の違いと棲み分けについてです。

実は私は、ゲームの必勝本にも携わったことがあります。

必勝本というのは、ある意味、取扱説明書の上位バージョン、といった風情のものがあります。

自分のやっていたのはシミュレーションでしたので、コマンドやデータの詳細な説明と、戦略、戦術の説明とリプレイといったところでしようか。

リプレイに関しては別としても、コマンドやデータの詳細な説明に関しては、付属の取扱説明書では版型やページ数の関係から思いっきり「詰めた」書き方をしなければならなかったところを、十分な余裕を持って書き直すことができたので良かったと思います。

また、ソフトウエアのリファレンス系の解説本の場合は、むしろ付属してる取扱説明書が充分なコマンドリファレンスが掲載されていないなどといったことがあったりして、むしろそちらの方が取扱説明書として使われる場合も多いようです。

もちろん、ゲームの必勝本などでRPGやアドベンチャーのストーリーの解説をしていたり、キャラクターのファンブックのようなものは取扱説明書とはまったく異なったものになりますが、それでも一部の必勝本・解説本は取扱説明書と近い構成をしているものがあります。

■違いはどこに?

それでは、必勝本・解説本と取扱説明書の違いはどこにあるのでしょうか。

簡単に言ってしまうと、身も蓋もない話で、一般に取扱説明書の方が制限が大きいということに他なりません。

まず、予算。さらに商品と同梱するためにパッケージに入る版型、さらに取扱説明書である以上、必ず書かなければならない記述など、取扱説明書の方が制限が大きいのです。

たとえば、ソフトウェアの取扱説明書の場合、丁寧にインストールと(あるならば)インターネットでのアップデートの方法、さらにソフトウェアの起動方法などを書きます。

必勝本・解説本では、こういった記述は必要ないということで、、ほとんどの場合はカットされ、その替わりににソフトウェアの内容・機能についての説明が多くなります。

さらに、危険に対する説明や警告も取扱説明書である以上、当然入ってきます。省略することはできません。

また、必勝本では商品を使った「応用操作」、たとえば調理器具であれば、炊飯機能を使った煮物作りなどを掲載できます。

そういう意味では、より商品に詳しく・深く切り込んでいくのが必勝本・解説本であり、最初に使う、初めての使うお客様が誰でも一応使えるようにするのが取扱説明書の役割と言えるかもしれません。

商品が素晴らしいと、より商品に詳しく・深く切り込んでいきたくなります。

でも、そのあたりの棲み分けも必要だと思っています。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所

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