完全に秋めいて参りました。
そろそろ夏の服で朝や夕方に出かけると肌寒く感じるほどです。
あんなに熱くてかなわなかった夏ですが、過ぎてしまうとちょっと寂しいものです。
さて。
■手順について
取扱説明書を書いていると、手順で説明する場合が、大変多くあります。むしろ手順でない場合の方が少ないほどです。
しかしこの手順というものが、実際にはその通りでない場合ということがしばしばあります。
手順A → 手順B→ 手順Cのように書いてある場合、実際には手順A と手順Bはどちらを先にやってもよく、順番を問わない、といった場合があります。
例えばネットワークの設定などで、端末とルーターなどをそれぞれ設定しなければならない場合など、実際にはどちらからやっても問題はない場合があります。
しかし、取扱説明書を制作する立場としては、手順で書いた方がわかりやすいと考えています。
上記のように、手順をAからCの順に行う場合は、手順を一つ抜かすと言うことは考えがたいからです。
それに対し、以下のように書いてあったらどうでしょうか。
以下の手順をすべて行ってください。
- 手順A
- 手順B
- 手順C
自分がこういう書き方をほとんどしたことがないのですが、まず間違いなく、手順のひとつを落としたり、抜かしたりといったことで設定ができないといったことが起きると思います。
■依存関係がないリファレンス
上に書いたように、操作の順番に依存関係がない場合でも手順として書く場合があります。
ただしそれは、導入マニュアルや、設置の手順書といった、非専門家向けの「確実に設定できること」わ目的に書いた取扱説明書になります。
これに対し、リファレンスマニュアルといわれる形式のものでは、それぞれの設定方法を個別に書きます。
そのかわり、設定できる詳細な内容がすべてリストされて表形式で説明されている場合もあります。
設定によっては、各設定内容が互いに影響を与える場合があっても、それらは読み手の知識によって補完されることを前提として書かれます。
なぜそのようになるかというと、それぞれの依存関係について詳細に記述していては、以下バランスマニュアルのような、詳細な説明においては、説明量が膨大になりすぎるためです。
そのためにリファレンス形式のマニュアルは専門家向けとして扱われるわけです。
どちらが優れているというわけではありません。
だれが使う、どのような目的で使う、といったことにより、取扱説明書の形式も選択するものなのです。
弊社では、そのように、考えて取扱説明書を制作しております。