キャッシュレスを勧め、「なぜ個人商店では導入されないのか」という疑問をしばしば見る。今回はそうした疑問に数字で答える。
■個人商店の例
利益率が売り上げに対して10%、キャッシュレスの 利用料が売り上げの3%の場合
10万円の売り上げがあった場合の例で示す。
現金の場合
100,000円×0.1=10,000円 利益
キャッシュレスで支払いを行った場合
100,000円×0.1=10,000円 元の利益
100,000円×0.03=3,000円 キャッシュレス手数料
10,000円-3,000円=7,000円
利益率が30%ダウンする。
必要な売り上げ増加額
キャッシュレスを振興する企業は「キャッシュレスにすると集客が増えます」と言う。
では、これをカバーするために、どれだれの売り上げが増加すると同じ金額の利益が得られるか計算する。
7000円÷10000円=1.428…
小数点2桁以下は四捨五入するとしても、4割も売り上げ が伸びないとキャッシュレスのコストは回収できない。
消費者のデメリット
ャッシュレスで支払っても、現金で支払っても消費者からは見えないコストである。
キャッシュレス使用でポイントが付くといっても、キャッシュレス運営会社が利益を得ている以上全額還元ではない。
個人商店はこれに対応するために、現金客にも価格を転嫁せざるを得ない。これは現金とキャッシュレスでの支払金額に差を付けてはならないという契約による。
しかも、売り上げの増加分からも3%の手数料を取られるため、4%値上げしないと同額の利益は得られない。
4%の売り上げに対するコストが消費者にとっては必要とする。
その他もろもろ
その上、キャッシュレスでの入金は遅い。また、端末の購入費も必要となる。
交通系での公共交通での利用、スーパーのプリペイドカード店内使用、高額商品購入時のクレジットカード使用、これらはコストに見合うサービスと思う。
しかし、スマホなどでのキャッシュレス払いは現状、個人商店ではコストに対してサービスが引き合うとは思えない。
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