今回は、取扱説明書を発注するときのページ数と版型についてお話しします。
なんでまたそんな話をするかというと、実は、とても大切な事項だからです。
たとえば、「9 ページの取扱説明書を作ってくれ」とか「13 ページの取扱説明書を作ってくれ」とか言われると、全部電子マニュアルにするのでない限り、対応できません。
…そのうえで、実際にこういった発注に実際に遭遇したことがあるのです。
「8ページじゃわかりにくいよ11 ページにしてくれ」
全く印刷について知らないででしょうが…せめて12 ならまだ…と思いました。
説明することでページ数は変更して頂きましたが、説明が必要だと思いました。
●取扱説明書の版型
取扱説明書の版型については、A4 を推奨します。
これは読みやすさと保存性から来ていますが、さすがに手に乗るような小さい雑貨も世の中にはあり、取扱説明書はパッケージの中に入れる必要があったりすることもよくありますので、強制ではありません。
なお、B5やA4といった紙のサイズを見たことがあると思いますが、これが元の紙のサイズと、その紙を何回折ったかということを示すものです。
●ページ数は4 の倍数?
本は、8ページ、16 ページといった4の倍数のページ数で作られています。
16 ページまたは8 ページというのは、印刷物を作るときに途中でその姿を通る「折り」という工程から来ています。
取扱説明書は薄いので、8 ページというのはあります。また、16 ページというのは印刷物としては普通です。まず紙には「表裏」があるのでページ数は偶数です。そうでないと裏が白紙となってしまいます。
本を作るときは、大きな紙に複数のページを印刷し、それを折りたたんで作ります。これを「折り」という工程といいます。
●折りの作り方
「折り」というのは以下のように作られます。
紙の真ん中の折り曲げた部分以外のフチを切り落とすと、本のページができあがります。
取扱説明書は紙で作ることを前提としているので、まずはこの「折り」に対応したページ数である、8とか16 といったページで制作します。
もちろん、4 の倍数である12 ページでも制作できますが、それ以外の14 ページやまして奇数のページ数では取扱説明書は制作していません。どうしてもであれば、できないことはありませんが白紙のページが入ってしまいます。
こうして、物理的にページ数が決まっていくのです。もちろん、ページ数は内容によって変化しますが、取扱説明書は「モノ」である以上、こういったことには影響されることを理解してください。