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【わかりやすいマニュアルの作り方】第111回 取扱説明書と操作説明書

昨日は浜松まで行って、テクニカルライターを仕事にされている方と会ってきました。
もっとも、話した内容は、仕事の話ではなくて太極拳の話じかりだったりですが、そもそもテクニカルライターという仕事をしている人が少ないので、いろいろと刺激が得られて有益でした。

■取扱説明書は 操作説明書と違います

さて、タイトルの通りの本題です。

取扱説明書と 操作説明書は、一般的には同じと思われています。実際に、同じ一冊になっている場合もあります。おまけに、英語にするとどちらも同じ”Manual”になってしまいます。
ですが、弊社石井ライティング事務所では、取扱説明書は 操作説明書を含むと考えています。

これでは、、わかりにくいですね。
例を挙げて説明します。

一番、極端な例として「携帯電話」を考えてみます。

携帯電話の「取扱説明書」にはおおよそ、以下のような内容が含まれています。

  • 表紙
  • 目次
  • 各部の名称
  • 安全に関する注意
  • お使いの前に(セットアップ)
  • 電話のかけ方
  • メール機能
  • その他の機能・ソフトウェア
  • お手入れ
  • FAQ
  • 索引
  • 保証規定
  • 仕様

さて、それに対して、「操作説明書」では以下のようになります。

  • 表紙
  • 目次
  • 電話のかけ方
  • メール機能
  • その他の機能・ソフトウェア
  • 索引

違いがわかるでしょうか。そうです。「操作に必要な部分」だけを取り出したものが「操作説明書」なのです。
少なくとも弊社「石井ライティング事務所」はそう考えています。

■何が違うのか?

それでは、この違いはどこにあるのでしょうか。

弊社「石井ライティング事務所」は、「取り扱い」は、「落とすな・水をかけるな・電極に針金を突っ込むな」といった部分まで含まれるのに対して、「操作」はメーカーの意図通りの操作だけを指していると考えています。

では、意図通りの操作を説明する「操作説明書」だけあれば用は足りる…と考えるかもしれませんが、それはお奨めできません。
そうすると、誤使用対策や、どうしても設計・製造で取り除けなかった危険をお客様に伝える方法が亡くなってしまうからです。

もしも、それでもマニュアルの分量を小さくしたい場合は、むしろ「操作説明書」を除いた「取扱説明書」を作り、「操作説明書」を分冊にしたり、オンラインドキュメントにするといった方法を考えるべきです。

「取扱説明書」は安全のためのものです。

「操作説明書」は使用者の便利さのためのものです。

目的と場所にあわせて使い分けることが必要です。

コメント 0

  • 先日は日本ダイレクトマーケティング学会法務研究部会に起こしただきありがとうございました。製造者と販売現場の温度差、お分かりいただけたことでしょう。PLに興味はなく視点が異なる、とはいえ、その重要さには数年前とは格段に変わっているのです。様は悪い取説の製品は大きなお店では売らせない、そういう流れを作れれば、取説の改善がもっと進みます。

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