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【わかりやすいマニュアルの作り方】 第105回 クレーマー対策を考える

使っているPCケースの電源スイッチや、USBコネクタに問題があることがわかって、ケースを買い換えることに決まりました。
いままで、怪しいパーツを多数含む、いろいろなパーツを使ってきて、当然ながら壊れたりした経験はあるのですが、ケースの不良というのは初めてでした。

今回は方向をぐっと変えて「良いマニュアルはクレーマー対策に有効?」という話をしようと思います。

■クレーマー対策としての取扱説明書?

まず、クレームが発生する状況を考えてみます。
クレームが発生するには、まず製品を使用して問題が発生することから始まります。

まず、良い取扱説明書があれば、そもそもの問題発生の可能性(確率)が下がります。

そして、さらにクレームをつけられた場合にも「取扱説明書(または注意書き)のここにはっきり書いてあります」と言えれば、クレームに対応ができます。もちろん、わかりにくく書いてあるのであれば逆効果ですが。

さて。
ここで、ひとつ気づくことはありませんか?
そうです。この構図は、そのまま「PL訴訟対策」と同じ構図なのです。

■今のクレーマー対策は間違っている?

このエントリでは詳しく触れる余裕はないので、また別の機会の更新に譲りますが、現在の企業のクレーム対策、ひいてはPL対策は間違っている場合が多いです。

簡単に言うと、「大企業の対策は中小企業には使えない」のです。
どういうことか説明します。
大企業にとっては、クレームや単発の訴訟などたいしたダメージになりません。大企業は優秀な弁護士を複数かかえていますから、ぶっちゃけ訴訟を受けて立ってしまえば良いのです。
そして、勝てば良し、たとえ負けてもたいしたダメージになりません。業績に影響を与えない金額の訴訟など、それだけなのですから。

そして、大企業はお抱えの弁護士や法務部のアドバイスに基づいて取扱説明書を作ります。
もちろん、弁護士や法務部の方に取扱説明書の作成経験やせめてそういう業務にかかわったことがあれば別ですが、まずそういう人はいない現状では「危険をすべて列挙した」注意書きなどを平気で提案してきます。
このことは、弊社がいままで受注してきた大会社の取扱説明書などで何度も見られたことです。
そして、業界の標準は大企業が作ります。つまり「訴訟を受けてたてる」企業が作った基準が、業界標準となっているのです。

言い換えれば、「中小企業にとっては、業界標準もアテにならない」ということです。

弊社のような取説屋に提案できることは「せめて、取扱説明書をもっとわかりやすくて安全になるものにしませんか」という提案までですが。

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