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【わかりやすいマニュアルの作り方】 第104回 注意書きを書くには

今週は多忙のため更新が遅れて申し訳ありません。
島から帰ってきて、仕事モードに切り替えようとすると急に寒くなったりして大混乱…と言い訳を書いておきます。

さて。
今回は、注意書きの書き方について説明します。
実はこういった技術的なネタの方が書きやすいのです。

■役に立たない取扱説明書の注意書き

以前自分でも書いていたことがありますが、先頭から何ページもわたって延々と注意書きが書かれていて、結果として読みもしないで、その部分を丸ごと飛ばすようなマニュアルが…残念ながらしばしばあります。
これは「PL法対策」と言われて、「ありそうなトラブルをすべて列挙する」という考え方で作られたものです。

で、これは…実は役に立ちません。
実際に注意書きとして役に立たないことはもちろん、「PL法対策」としても役に立ちません。
なぜかというと、上に書いてある通り「実際に注意書きとして役に立たない」からです。裁判でも「これは読むことができません」と言われて、裁判にも負けてしまうからです。

そりゃそうでしょう。
マニュアルの頭に16ページも注意書きだけがついていて、その5ページ目に書いてあるって言われても「辞書にはすべての単語が載っているから、英語の学習はそれだけあれば十分」というのとたいした違いはありません。

■箱や本体の注意書きは大切

ちょっと余談ですが、とても重要なことなので。
取扱説明書ではなく、パッケージ(箱)や、本体についている注意表示はものすごく大切です。
そして、これらもまた「誰でも読めなければ」いけません。
「誰でも」というのはシピアな話で、弱視の方を含めてということになりますので、4~5ポイントの小さな活字で書いてあった場合「Aさんには読めませんでした」と言われてしまう恐れがありますし、こんな程度の大きさですと「見落とされて、注意喚起にならない」と言われてしまうことだってありうるのです。ご注意を。

■不要な注意書きは書かない

さて。
話を戻しましょう。巨大な注意書きを取扱説明書に付けないようにするにはどうしたらよいのでしょう。

まぁ、予想できるでしょうが「不要なことは書かない」と「危険な作業の近くに注意を書く」につきます。
わかりやすく言うと「猫を電子レンジで乾かしてはいけません」と書くのは、余計なことですから、書かないようにすれば減ります。
「でも、そういうことをして訴えてくるクレーマーが…」
心配いりません。そのために取扱説明書の先頭に「本製品は食品を加熱。調理するための製品です。目的以外には使用しないでください」と書いておけば良いのです。
あとは、猫はペットであり食品ではないことは、「言うまでもない常識」ですから、全部が網にかかります。裁判官だって認めます。

■危険な作業の近くに注意書きを書く

もうひとつの「危険な作業の近くに注意を書く」は、あまり実践されていませんが、とてもわかりやすいやり方です。
重い部品を固定する作業に関する説明の近くに「指を挟まないように、下に手を入れない」と書くことは事故を減らすのにとても有効です。

コメント 0

  • 整理して書く、危険の洗い出しという方法が有効です。
    これは日ごろの生活、仕事にも転用できますから、慣れると常にそういう思考回路が働き、リスクを軽減することができます。その分、無駄遣いが無くなるわけです(笑)

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