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【わかりやすいマニュアルの作り方】 第65回 テクニカルライターとは その03

さて、前回はじめてコメントが付きました。
いやそれなりにアクセスはあるんですが。
さて。
もうひとつFAQから
【Q】

資料さえあればだれでも作れる?

【A】

資料さえあれば取扱説明書はだれにでも作れるのではありませんか?
だれにでも作れるということは、高い品質の製品を作れるということではありません。
テクニカルライターは、マニュアル制作の専門家です。
制作にはそれぞれ独自のノウハウやポイントがあります。
読みやすい文章の作成だけではなく、全体の構成、目次の構成、索引などの検索の機能の追加、図表の作成、読みやすさやレイアウトなどにも気を配って取扱説明書(取説)を作成しています。

実はこの点が微妙なのですが。

技術文書とマニュアルの文章は違います。

どちらも迷わないように、正しい内容を必要とします。

技術文書だって、目次や索引などがあるに越したことはありません。

時間があれば、技術者も当然こういったものをつけるでしょう。

一部のスーパーエンジニアは、最初からシステム化して、目次や索引もできるようにしている人もいますが例外です。

この差はどこから生まれてくるか。

「読者」です。

  • エンジニアの書く「技術文書」の読者は「エンジニア」です。
  • 、テクニカルライターの書く「取扱説明書」の文章の読者は「一般ユーザー、お客様」です。

特に技術的な訓練を受けているとは限りません。ほとんど受けていないと考えるのが自然です。

技術用語に関しても説明が必要な場合がほとんどです。

今でこそ、マウスのボタンをカチカチと2回…といった記述は見なくなりましたが、Windows3.1のころはこういった記述が必須だったりしました。

スクロール・クリック・ドラッグといった用語の説明がどこまで必要かといったことは、技術の要請ではありません。社会がそれらの技術をどれだけ評価しているかにかかっています。
そういったことを理解するためには、普段からアンテナを張り、技術雑誌やパソコン誌以外の一般紙で技術的内容がどう扱われているかといったことに常に気を払っておく必要があります。

続きます。

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    技術者とエンドユーザ。二つの視点を持つ者。
    知識や技術だけでは足りないし、ただの物書きでもない。
    これ分かってらっしゃらない方が意外と多いのですよね。ふう。

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