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【わかりやすいマニュアルの作り方】第190回 コレはひどいと思う取扱説明書

年末に購入した最新PC、しかしその取扱説明書は相変わらず使う人のことを考えていないのでわかりにくいものでした。

■相変わらずのPC取扱説明書

年末に妻のPCを国内某社のものに買い換えました。
Windows8搭載、最新プロセッサに十分なメモリと性能的には問題がありません。
もっとも、こうしないと、買い換えまで長い期間「遅いPC」に付き合わされる羽目になるからですが…PCが遅いのはともかくとして、ウェブサイトが速いPCを基準に作成されるようになって、ついでに表示される広告の動画が表示しきれなくて停止してしまうということになってしまい、業務の検索まで停止させられてしまう…。
なにか、少し横道にそれているような気がしますが、それはそれとして。
その、国産の大手メーカーのPCの取扱説明書が、取説屋から見たらひどいものでした。
はっきりと「ひどい」と書いている以上、どのメーカーかを書くと、それこそ訴訟の対象とでもされるおそれがありますので、どこのメーカーのものかは書きませんが。
それは、レイアウトや、パッと見のデザインはとてもキレイです。
しかし残念ながら「使う」という観点からすると、それはヒドいものだと言わざるを得ないのです。

次節から、どう「ひどい」のか説明します。

■「使う」ことを考えてない?

いや。
これは自分が作る場合でも阻止しきれないことがあるので、そういうときは果てしなく申し訳なくあるのですが…
冒頭に以下のものが来ていると、まず8割の人は読む気力を失うと思います。

  • ライセンス条項
  • 無線LANについて(法規)
  • Bluetoothについて(法規)
  • DVD(レーザ)について(法規)

はっきり言うと、予算が許すならこんなものは別冊にすべきです。
そうできないなら、最後にでも回すべきです。
誰がこんなものを読みたいですか?
少なくとも、自分は仕事以外では飛ばします。
書かなければいけないのはわかっています。
でも、こういう順番になるということは、読者-使う人のことをほとんど考えていないと評価されてもしかたないでしょう。

そして、ハードウェア全体の説明→セットアップと取扱説明書の内容は続いていくわけです。
たしかに、書いてある手順の通りに全部いっぺんに行うならそれはそれでよいのかもしれませんが。

無線LANと有線LANとBluetoothと各種プリインストールソフトのソフトのセットアップとWindowsのアップデートとオフィスソフトのアクティベートにウイルス対策ソフトのセットアップ、プロバイダへの入会と続いています。
これを全部やろうとするとどう速く見積もっても1日がかりであることは間違いありません。

まぁ、それ自体は仕方がありません。それだけの機能が搭載されているのですから。
とはいえ、自分は「プロバイダへの入会」などはさわってもいませんが。

問題は、セットアップ以前に「今日は中断してPCを落とそう」と考えたときには取扱説明書の中程にある「Windowsをスタートする/終了する」という項目の後半の「パソコンの電源を切る(シャットダウンする)」を探し出さねばならないということです。
しかも、その説明の最初にはウォームスタートやスリープの原理の説明があり、「とにかく、いまは電源落としたいんだよ」というときには全然向いていません。

■無限ループ?

さて。
ここまでいろいろ書いてきましたが、実は最大のダメージを受けたのはこんなものではないのです。
それは、それでも我慢しながら「Windowsを終了する」という項目を読んでいったときでした。

そのまま引用します。

クイックモードでWindowsを終了するときはデスクトップ画面が表示されている状態で終了してください。

ちょっと待ってください。私はWindows8にさわるのはこれが初めてで、デスクトップにするにはどうすればよいかもまだわからないし、なによりもその終了の仕方がわからないので取扱説明書を開いているのですが。
結局、自分はそのPCをインターネット接続して、Web検索で「Windows終了」を検索して、メモを取って対応しました。
昔のPCを使っていた人間には「いきなり電源スイッチを切って落とす」というのが正解だとはかえってわかりませんでした。

これでは、取扱説明書はいけないのです。

次回にはどうすればよかったのかについての案を書こうと思います。

 

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