節電でクーラーを使えず、いろいろと大変である。
まあ、それでもがんばってのりきっていくしかないのですが。
■説明が好き
自分はこんな仕事(取説屋)をやっているが、とどのつまり、自分は説明することが好きなのである。
私事になるが、現在妻はHAMの免許を取ろうと勉強中である。HAMといってももちろん食べ物ではなく、アマチュア無線技師の資格である。
日本史や世界史では適当に「ろくはらたんでいって何?」とか「ルビコン川はどのあたりにある?」といった些末な、普通にはとても覚えていられないようなことでも大概は即答する妻だが、どういうわけか、物理ではオームの法則、数学では平方根あたりで理解困難になるらしい。
しかし、無線技術者の試験はあくまでも(初級)物理であり、歴史ではない。
たいへん不思議な話ではあるが、自分は理系と文系の間くらいを仕事としているわけなので、これらに何とか説明を試みる。
電圧と電流はポンプの流量で、平方根は文字通り平方(2乗)の逆数という概念からいろいろやってみる。
うむ、今思い返してみると、数学の先生もこんなに丁寧に概念を説明してもらってないが、それはそれとして。
やっていてよくわかった。
「説明して理解してもらうのは楽しい」
つまりはそういうことだ。
自分は、説明してわかってもらうことが好きなのだ。だから仕事としても楽しく、誇りをもってやれる。
■ひどい説明……
ちなみに、妻が購入したアマ無線の試験のテキストの「説明」はとてもひどいものである。技術的内容を知っている自分が読んでも、理解するためには図を書いてみないとわからない「書き方」というか説明をしている。
試験対策であり、1月くらいしか使用しないものとはいえ、よくまぁこれでお金をとれるものだというくらいである。
一例を挙げると、DSBとSSBを何の略語か一度も説明しない。両側波帯と単側波帯と書かれても何のことかわかったら不思議であろう。ちなみに、”Double Side Band”と”Single Side Band”である。先に一度こう書かないと、英語が瞬時に頭に浮かぶ人以外には絶対に理解できず、したがって覚えられないことは今晩の夕ご飯をかけても良い。
■結局の所は
説明をしてわかってもらうには、「1.理解していること」は当然として、もうひとつ「2.その説明の対象が好き」でないとむずかしい。そして「3.説明すること自体が好き」でないと取説屋はやれないのだなと思ったりしたのでした。