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【わかりやすいマニュアルの作り方】 第103回 取説屋にできること

式根島に行ってきました。
9/15~9/16というスケジュールで、オフシーズンでしたが、初日はなんとか泳ぐこともできました。
この間、インターネットにも接続せず、持って行ったPHSは役に立たないという状態(携帯3社は全部入ります)でしたし、たとえ「急ぎ」と言われても、戻ってこられるのは早くて翌日でしたので、強制的にのんびりしてまいりました。

さて。

今回は製品の安全性に関して、取説屋ができることを説明しようと思います。

■取説屋にできること

タイトルに偽りありのようですが、実はマニュアルを制作する「取説屋」にできることは多くはありません。

基本的に「事故発生の確率を下げる」と「事故発生時に表示欠陥としない取扱説明書を作る」の2つだけです。以上終わり。
でも、地味にこれをやっていくよりないのです。
事故発生の確率を下げるには、一般には製品の改良や、製造法の改善を地道にやっていくことですので、この延長にあると言えるかもしれません。

でも。申し訳ないのですが、ほとんどのメーカーさんは、「取扱説明書の改善」のノウハウをお持ちではありません。努力されていらっしゃるところもありますが、やはり専門でいらっしゃらないところでは難しいと思います。

ノウハウといっても難しいことではないのですが、それは製品のバリ取りのノアハウと一緒で、状況ごとにことなるものです。
長年やっていると「こういう危険が考えられるから、こうすることが必要」「こういう利用者のことも考慮する必要があるのではないか」といったこと、書くべき内容がわかってくるようになります。

■安全に関する事項は紙で提供する

取扱説明書は、一般に操作説明書の部分と、それ以外の安全や法規にかかわる部分とがあります。これ全体を合わせて取扱説明書と言います。
逆に言うと、「操作説明」は別冊でも、画面表示でも、オンラインでもかまわないということになります。
ただし、安全に関することを除いてです。

操作内容でも、安全に関することは必ず「紙」にすべきです。
なぜなら、その操作をしながら参照することがありうるからです。
そして、その説明を読めない、または「読まない」可能性があるからです。
「読めない」場合は裁判になったら表示欠陥を指摘されて負けます。
一例を挙げるとパソコンの周辺機器のマニュアルをCDに入れても、オンラインにしても「すべての利用者がCDを読めるとは限らない」「ネットワークに接続できるとは限らない」普段、オフラインでネットブックを利用している利用者のことを考えていないことがあきらかになってしまいます。

安全に関する事項は、全てのお客様に知らせる必要があります。
そして、だれても確実に読めるメディアは現在のところ「紙」だけなのです。

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