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【わかりやすいマニュアルの作り方】第219回 取扱説明書は技術文書です

「取扱説明書は技術文書です」
久々に、こう実感することがありました。
自分は日本テクニカルデザイナーズ協会:JTDNA(http://www.jtdna.or.jp)という団体の会員であり、そこで「取扱説明書の検証がきっちりできるようになって欲しい」と言われ、勉強の必要性を痛感してきたのですが、自分の感想はさておき。

その話の中で、出てきたのが表題の話「取扱説明書は技術文書です」。
これがとても大切なことだということです。
マニュアル制作者や、その他のテクニカルライターもそれはわかっていることと思います。しかし、それ以外の人たち、ほとんどの人たちは広告などと同じような「読んでもらえば良いな」といったものだという認識をされている方が多いのではないかと思います。

取扱説明書の中には、組み立て家具やプラモデルの組立方と言った、見なければ使えないものというものもあります。
「取扱説明書なんか無くても使えるよ。」と言うのを売りにしている商品もあります。
また電話帳とあだ名が付けられて、ほとんど見られない携帯電話の取扱説明書といったものもあります。
もちろんそれでは困る……とならないのが取扱説明書です。
「操作に困らなければ取扱説明書を開かないですむ」というのがほとんどのお客様の認識だと思います。
困っているときに開くものですから、気分の悪いときだけに使うものということなのであまり良いイメージが持たれないのも当然のことです。
取扱説明書が「嫌なものだ」「めんどくさいものだ」といったイメージを持たれるのはしかたが無いことです。
しかし、取扱説明書というのは基本的には技術文書なのです。
技術文書がわかりにくかったら論外です。
技術文書が専門家にだけわかるというのでは、これも役に立ちません。
一般人に読める技術文書、わかりやすく危険も明示してあり過剰でない。
しかし、やっかいなのはこの「わかりやすい」「危険を明示」「過剰でない」といったこと。技術である以上、一元的な評価基準が必要だという話でした。

今まで取扱説明書は個人の才覚に頼って書いていました。

  • 担当者が、しっかりしたものを書けば良い物ができる。
  • 担当者がイマイチだと、取扱説明書もイマイチになる。
  • 危険を明示と言ってもどこまで書けばいいのかなんてわからない。
  • 危険の説明がアタマにページ続いていたっていけないなんて誰も言えない。

こういうものであったのです。
これに対して、冒頭の団体JTDNAは日本で初めてガイドラインを作りました。
PLに関わると言うこともありますが、「わかりやすい」といったことも技術である、と考えると、実は画期的なことなのだと思います。

参加団体の宣伝のようになってしまいました。
今回は以上にしようと思います。

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