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【わかりやすいマニュアルの作り方】第163回広告と取扱説明書の違い

だんだん温かくなり、日ものびて来ました。
そろそろ5時半すぎまでは日が残り、梅の花もほころぶようになってきました。
街ではキャンディーズの「春一番」が流れ、卒業式の学生たちが溢れ、やっと冬が終わったことを感じさせてくれます。

■広告との違い

今回はパンフレットやチラシと取扱説明書の特性の違いについての話をします。

簡単な取扱説明書は、一見チラシとよく似ています。
1枚で完結し、読み手に「商品の内容」を説明すると言うことは全く同じです。

しかし、違いも数多くあります。まずは、もっとも大きな違いから述べてみましょう。
チラシなどの広告にはキーとなる画像、メインビジュアルがあります。取扱説明書にも同様に大きな画像があることが多いのですが、これらはチラシのそれとは似て非なるものです。
チラシのビジュアルは「商品を買う前のお客様」に訴えかけ、「買いたい」という興味を掻き立てるためのものです。
ですから、きれいなお姉さんがにっこり微笑みながら商品を持っていたり、商品を使うことで幸せになるといったイメージを喚起するようなビジュアルを置きます。
それに対して、取扱説明書のビジュアルはビジュアルであると同時に説明図でもあります。
説明図ですから、当然かわいいお姉さんのような商品説明の気を散らすビジュアルは排除されます。また、綺麗に撮った写真よりも写真から線だけを起こした線画のイラストを使う場合が多くなります。
陰影もついていないし、商品としての魅力を伝えるにはあまり向いていない手法です。

実際、自分でイラストを作成したりする場合もありますが、「色気はないなぁ」といつも感じてしまいます。

■キャッチコピーと説明文

さてもうひとつの違いです。

本文であるキャッチコピーと説明文です。

ひとつは上と同様に読者の違いです。
不特定多数あてのチラシと、商品を購入したお客様向けでは書き方が異なります。ここでは詳細な説明は省きますが、読者が異なると言う意識を持つだけで文章は変わります。

さらに、目的が「紹介や広告・告知」である文章と、説明を目的とした文章では全く異なります。
このように、基本的に異なる読み手と目的のため、同じ文章といっても同じ人が続けて書くのは難しいでしょう。

逆に言うと、弊社ではキャッチコピーは苦手です。チラシのボディも得意ではありません。
ひとつに特化するということは、他の何かを捨てると言うことです。しかし、弊社はこのやり方しか知らないので、このやり方を続けていこうと思っています。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所

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