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【わかりやすいマニュアルの作り方】第160回販売方法と取扱説明書

こんにちは。前回は大変失礼いたしました。
本当はお休みをしたくなかったのですが、いかにせん弊社は代表一人だけの、ミニマム会社ですので、こういったことが起こるとどうしても手が回らず、お休みせざるを得ません。

さて。今回は、販売形態と取扱説明書の関係について、述べようと思います。

■売り方の変化

変わった見出しがついてるのでびっくりされた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし実際のところ、昔のような対面販売からセルフ販売、あるいは通信販売へと販売方法が切り替わっていくにつれ、取扱説明書の重要性は、より高まっているのです。

何のことだと思われるかもしれません。無理もないと思います。
ここから順に説明していきます。

かつての主な販売方法は、商品について詳しい店員さんがいる対面販売でした。
現在でも最も望ましい販売方法だと思いますが、残念なことに詳しい店員さんを育てるにはコストがかかるため、減っている販売方法です。うちの近所では、商店街の味噌屋さんが「この季節にはこの味噌がおいしいよ。」と勧めてくれるのですが、こんなお店はほとんど見かけなくなりました。

さて、それに代わって主流となっているのは量販店などのセルフ販売方式や、それをさらに突きつめた通信販売です。

広い売り場に少数の店員さんを配置して、レジに商品を持って行きます。このバリエーションに商品カードを持って行く場合もありますし、商品を決めたら、店員さんを呼ぶという方法もあります。
いずれの場合も、これらの販売方法では販売する店員さんが詳しい知識を持っていません。なぜならば、一人一人の守備する販売エリアが大きく、商品点数も多いため、きちんと商品知識を教えようとすると、教育コストが多くかかるためです。

さらに、通信販売の場合には店員さんはいませんから、すべてを本やサイトの「説明」で商品を理解してもらわなければなりません。
勘違いした理解をされてしまうと、後でクレームの元となります。

■売り方と取扱説明書

さて、それでは取扱説明書は売り方の変化とどうかかわってくるのでしようか。

スムーズに買い物をする場合は、さほど影響を与えません。

問題はお客様が迷っているときや、よくわからずにそのまま買って帰った場合です。

商品のカタログ・パンフレットやチラシは店に置いてあります。しかし、これらは商品の良い点ばかり書いてあるため迷っているお客様にとっては、決定的な商品差別化のポイントを見つけるのにはあまり向いていません。

もちろん、それだけ強烈な個性を商品に付けられるのが一番ではありますが、それよりも、自分の商品が誠実であることを説明しようと思った場合、取扱説明書は強い武器になります。
商品のカタログ・パンフレットやチラシと同時に店に一部で良いですから、自由に参照できる取扱説明書があれば、使い道や商品の目的などを間違えることは大幅に少なくなるでしょう。

そうです。
店員の知識不足をメーカーから提供する取扱説明書でカバーしてしまおうということです。

■取扱説明書が役に立つ例

簡単な例で示します。

洗濯機を買おうと思った場合、大きく分けて、縦型洗濯機と横型のドラム式の二種類があります。
今の縦型洗濯機の場合、乾燥機能もついていて、ドラム式と大きな違いはないようにスペック上では見えます。洗いから乾燥まで全部の機能を洗濯機が行うことができます。

しかし実際には、縦型洗濯機は洗濯時間が短く、洗浄力が強いなど、外干しができる環境で使うのに適していて、ドラム式は洗濯時間は長いものの、乾燥まで全部の工程を洗濯機が行うのに適しているといった差があります。

こういったことは、丁寧に商品のカタログ・パンフレットを読み込んでいけば情報を見つけることが、できないわけではありません。

しかし、取扱説明書が置いてあれば、洗濯時間の差などはぱらぱらとめくってみるだけで一目瞭然です。

これらの違いは特性の違いというべきもので、目的に合わせて選ぶと最大の効果が発揮できます。どちらが優れている、というものではありません。

小さなお子さまがいて、おむつの洗濯を、大量にしなければならない場合には洗濯時間が短い。縦型を選択した方が、よい結果が得られますし、若い夫婦で二人とも会社に行っている場合などは帰ってくると、洗濯が終了しているドラム型の方が適しているでしょう。

これらの場合に逆に選んでしまうと「何か使いにくい」という結果になります。

ちょっと使いにくい程度で済めばいいのですが、場合によってはクレームにつながることがあります。クレームは起きる前に予防が一番です。

クレーム対応についても取扱説明書は役にたつのですが、それはまた別の機会に。

弊社はこういったことを考えながら、取扱説明書を提供させて頂いております。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所

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