びっくりするほど早く季節が過ぎていきます。
今年の秋は大変に短かったですが、その秋が過ぎると、もう年末です。
■取扱説明書を使う2つのシーン
今回は、取扱説明書の外側の話をします。
外側というのはほかでもない、表紙、背表紙、裏表紙のことを指します。
「これらが、取扱説明書は使うシーンとどういう関係があるか?」と疑問に感じることと思います。
それが今回のポイントである、「取扱説明書を使う2つのシーン」です。
普通に考えると、取扱説明書を使うのは買った直後をイメージすることと思います。
実際、取扱説明書を制作するときも、購入直後をイメージして制作する場合が多いです。
しかし、実は取扱説明書を使うシーンはもうひとつあるのです。
■「困ったとき」に開く取扱説明書
はい、その通りです。取扱説明書は、困った時に開くものでもあるのです。
そう考えると表紙、背表紙、裏表紙の重要性がよくわかります。
私たち取扱説明書をいう制作する者は、だいたい取扱説明書の内部を検索できるように考えて作ります。
しかし、残念ながら取扱説明書が複数並んだときにその中から目的の取扱説明書を取り出すための検索性についてはあまり考えることが、正直ありませんでした。
もちろん、メーカーさん以外には同じシリーズを製品の取り扱い説明書がずらっと並んでいるといった場合は考えにくいです。
しかし、そうでなくても、取扱説明書をきちんとファイルしてある場合に、目的とする取扱説明書がすぐ探し出せなければ機能として不十分だということになります。
困ったときに取扱説明書がどれだかわからないでは困ります。
だから表紙には、大きく製品名を書くことはもちろん、製品のイラストと型番を記載します。
製品名には、正式名称以外に愛称やシリーズ名なども書いた方がよいでしょう。
そして、もうひとつ。
そっくりな2機種がある場合には、製品本体のどこに型番が記載されているかを、表紙のイラストに書いておくとよいでしょう。
筆者は、2つの見たところそっくりで、機種の違う無線ルーター2つを前に途方に暮れたことがあります…。
■もちろん本体の注意書きも
本体の型番や製造番号の記載されたシールなどもわかりやすくしておくことはとても大切です。これらの記載場所を取扱説明書にも書いておくのも良いでしょう。
もちろん、すぐにわかる場所に。
これは、取扱説明書を使用するためだけではありません。製品の無償修理や回収といった問題が発生したときには機種名と製造番号-生産ロットが重要になるためです。
製造番号がわからないと、同じ型番でのロット違いに対応できないのは言うまでもありません。
取扱説明書や型番・製造番号はトラブルが起きたときにこそ必要になるものです。
いざという時への備えはしっかりしておくにこしたことはありません。
かけ過ぎにならない程度のコストをかけて。