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【わかりやすいマニュアルの作り方】第110回 参考図書はありません

ようやく秋です。普段より1月から1月半遅いように感じます。きっと冬も寒いのでしょうね。

さて、本ブログもちょこちょこといじっています。大きくは変えていませんが、本サイトへのリンクや、サイトの各ページへの直リンクを増やしたり。
まて、本サイトの方も良かったら見てやってください。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所

■「参考図書はありません」って…

今回は過激なタイトルを付けてみました。しかし、自分で調べた範囲ではこうとしか言いようがありませんでしたので、その通りに書くしかありません。

実は、今回何冊か図書館でマニュアル関連の本を調べてみました。都の図書館横断検索も使いました。
その結果を見ながらではありますが。あったのは以下の通りでした。

  • 実は業務マニュアルの本(これはこれで良い)
  • アメリカの法律・規則の解説本
  • PL法で訴追されないための本

普通、マニュアル(取扱説明書)の書き方において一番知りたいことというのは、どう考えても「わかりやすい」書き方、「使用者に間違いなく使ってもらえる」書き方の説明書だと思いますが、そういった視点の書籍はいまのところ筆者には見つけられないでいます(そういう本があれば、この投稿にコメントして頂けると嬉しいと思います)。

これは「いずれ自分で書くことになるのかなぁ」などと、ちょっと暗澹たる気持になったのですが、それはおいておいて。

一番の問題点は、「取扱説明書の作り方の本がわかりにくい」という、共通の点でした。
これでは、誰も参考にはできません。

ちなみに「わかりにくいマニュアル」だと、PL法でも「指示・警告上の欠陥」と見なされる可能性があるわけで、何をやっているんだろうという感じでした。

■「わかりやすさ」には何が必要?

取扱説明書のわかりやすさには、以下のような技術が必要です。

  • 構成のわかりやすさ
  • 文章のわかりやすさ
  • 読みやすさ
  • 図・表・イラストの使い方
  • 検索性の良さ

これを全部まとめると、膨大な「理系の技術書の編集技術ハンドブック」になってしまうので、その中からマニュアル・取扱説明書に限ってどこをポイントとするかが編集やライターの腕の見せ所だと思うのですが、自分の見た本はもともと「わかりやすさ」に焦点をあてていないので、どの本も「マニュアルの作り方」の参考にするには、かなり難しいと言わざるをえません。

おもしろいことに、業務マニュアル以外の2冊は、片方には実際の電化製品のサンプル、もう一冊には現役のマニュアル制作者の数ページの文章が掲載されており、こちらの方は実に参考になります。

■現場を知らないということは

つまり。

現場を知らないコンサルタントの言うことは、実際の役には立ちません。
彼らが何をしたいのか(売り込みや勧誘である場合も…)をしっかりと見極めていかなければいけません。
ちなみに、本ブログの目的は広報で「同じような考えを持っている会社の人と仕事をしたい」です。

最後に。

つい最近になって弊社では「取説屋.com」(愛称:ぽちポチ)というペーパーを始めました。
そこに書いたカットを転載します。
内容は「箱の下に手を入れると、挟むかも知れないので危ない」です。
コンサルタントさんの言うままに注意書きを増やした場合と、石井ライティング事務所のやり方の比較です。
文字が小さいので、クリックしてフルサイズでごらんください。

基本 CMYK

評価は読者の方にお任せしいたます。

コメント 0

  • 日本ではテクニカルライティングそのものが定着しませんでした。そのせいでマニュアルの世界はやりたい放題!特に法律家のです。実務経験もないこういう人が法律を嵩にしますから経営者は従ってしまいます。
    わかりやすい取説は「わかりやすいマニュアルの原点」と思っています。ですからJTDNAのガイドラインには、すべてのマニュアル(カタログもパッケージもそしてwebもです)について解説しています。
    日本ではこれだけだと思いますよ!

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