身体道楽日記 その9

強くなることとは<99/01/01>

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■99年の年頭にあたって

強くなること。
武術を初めてからずっと御しかねていたことでした。
自分は何のために強くなるのか。

武術を始めた動機は護身でした。
自分の身ぐらい自分で護りたい。
実際、一度だけ身を護ったこともありました。

しかし。
護身程度のことならば、3年もあればひととおりは身に着きます。
では、それより先は何だろうか。
その答が出ていませんでした。

おもしろいから続く、稽古自体も楽しい。そういうことはありました。
しかし、それだけでは上達へとは続かない。
「強くなりたい」という動機ではないから。

別に、チャンピオンになりたいとは思わない。
世界制覇もしたいとは思わない。
世界最強なんていらない。
それでも「強くなりたい」とは思い続けていました。

一時は、自分と大事なものを護ることかとも思いました。
しかし、それは不可能だとわかりました。自分一人では決してできないことでした。
それでも「強くなりたい」とは思い続けていました。

ずっと外を見ていました。「強い」とは何か。どうしたら強くなれるか。
そして、つい最近。
ふと、中をみました。あいかわらず「弱い」僕がいました。
こいつについては、良く知っています。20年近く付き合っていた奴ですから。
見たくないと思っていたことも事実でした。
でも、それもまた自分でした。もういちど見直して考えてみました。
そうして、ようやく理解しました。

僕は弱い。だから強くなりたいのだ、と。

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