99/4/15のツーリング
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朝、4時半に目が覚めた。
今日はヒマだ。なんせおととい入稿したばかりである。おまけに、きのうはブッ倒れていたので、体力もある。
じゃあ、「今年はまだ行っていない墓参りに行こう」と決めた。
たしか、昨日の天気予報では、今日は全国的に晴のはずだ。
なんだか、前回のやつと似ているような気がするが、要するに行きやすい所に行くからである。
■ま、なんとかなるだろう
ばたばたと出かける支度をする。
なんせ、先日バッテリーを交換したばかりなので、バイクのには安心感がある。
キックしなくてかかるエンジンというのは大変に嬉しい。
今日はわりと暖かいので、いーかげんな装備にする。
皮ジャケットにライディングパンツ。これは疲労防止にも有効なので必須。
シャツにトレーナー、バンダナ(首周りの防風はとても重要)。
工具袋と簡易雨具をバッグにつっこんで出た。
出たところで、ヘルメットが軽いほうのものであることに気付く。まぁ、いいかなとは一瞬だけ考えたが、マフラーをしていないことに気付き、どうせ戻るのだからということでヘルメットも換える。
で。ここでひとつ忘れ物をしていて後になって気付くのだが、それはおいておく。ここまで読んで何だかわかった人は相当経験があるか、僕と同じことをやったことがある人だ。
今回はきちんと5時半スタート。まだ夜は明けきっていない。最初の目標は夜明けまでに都内を抜けることである。
■腹が減ったのに
今回は前と違って時間に余裕があるので、下道(R246)で行くことにする。
道はわかり切っているので気楽なものである。
しばらく走って、都内を抜けた。
結構時間がかかる。前に世田谷に住んでいたときは簡単に南にツーリングに出かけられたが、この都内往復の40分×2は意外とでかいかもしれないと思った。
違法な速度を出しつつ(そういう流れである)、二子玉川から溝ノ口へ抜ける。そろそろ腹が減ってきている。いつもなら、あらかじめ食べるものを搭載していることが多いが、今回は出たとこ任せだからである。
『マックのモーニングセットにしよう』(マック=マクドナルドである。念のため>関西人の読者)と決める。いーかげんに入っていーかげんに食えるという点では、道沿いのドライブスルーのあるマクドナルドはとても楽だ。適当に脂っこいものだし、カロリーを使うライディングにはわりと向いている。腹持ちが良くないという欠点はあるのだが。
「たしかここいらに……」見つけた。大体とはいえ場所を覚えているんだからあきれたものだ。
停車。が、開いていない。「開店 7時」
……あと1時間はとても待てない。やむなく出発。
「この先にもう一軒…」
結果は同じだった。三軒確認したところで、確信した。
こういう道沿いのマクドナルドは7時にしか開かない。24時間営業は都内の店ぐらいのものなのだ。
不満だがしかたがない。開いてなければ食えないのは道理である。仕方がないので、ファミレスを探す。
食べるだけならコンビニでもよいのだが、さっきからコンビニは見掛けているが止まりそびれている。速度が出ているので、近距離で気付いても停止できないのだ。急制動を掛けてコンビニに行くというのもなにか変である。
その点、ガソリンスタンドやファミレスは遠くから目立つ工夫をしている。それと、夜が明けたばかりでまだ寒いのである。店内で食べられるに越したことはない
なにより、腹が減って集中力が落ちてきた。こんなことで事故ったら大馬鹿である。
と、ロイヤルホストを発見。店内に入った。
ロイヤルホストのモーニングメニューは初めてである。
メニューを見ると、卵とソーセージとコーヒーといったものばかりである。確かにこの時間からチキンジャンバラヤを食いたいというやつも少ないかもしれないが。
そのうちのひとつに「ハワイアンモーニングセット」というのがあった。
内容は、バターライスと、目玉焼きとソーセージにコーヒー。普通のモーニングセットのトーストをバターライスに変えただけみたいである。
「これのどこがハワイアンなんだろう」と思ってメニューを読むと、ハワイのなんたらホテルのモーニングメニューだそうな。で、卵に醤油をたらしてバターライスといっしょにお召し上がりくださいとある。
とにかく、ごはんが食べたいのでそれを頼む。他にはごはんメニューにはおかゆしかないからである。和食セットがあればいいのに。
身体があたたまってきたので、ジャケットとバンダナを外す。首が結構凝っている。寒いと身体をどうしても縮めてしまうらしい。
コーヒーが来る。カップに手を当てて驚いた。手が冷え切っている。
暖かいコーヒーをありがたくいただく。値段を考えるとマクドナルドよりリラックスできるぶんいいかもしれない。
食べ物が来た。メニューにあった通りにして食べる。うまい…けど、この食べ方って…と、そこでようやく気付いた。
これは茶碗に生卵をかけて食べるのと一緒である。御飯がバターライスに、生卵が半熟目玉焼きになっただけのこと。これをハワイアンとはねぇ(笑)
コーヒーをおかわりして、人心地がついたところで出発。
とりあえず、問題無く厚木に到着。まではよかったが、ちょいとお約束で1kmばかり
R129に行ってしまったのは内諸である。
■モーニングの漫画が悪いんです
途中で一度コンビニで休憩を取り、富士霊園に到着。
またしても内諸のあれこれを報告する。
報告の内容はおいておくとして、富士霊園は富士の裾野のちょっと高いところにある。そのため、都内ではもう葉桜になってしまったソメイヨシノがちょうど満開であった。
だけど、人のいない霊園での桜はいくら美しくても、心が騒がない。桜に酔う妖しい雰囲気というのはあれはあれで必要なのかもしれない。静謐な美しさを求めるならばやはり山桜なのかもしれぬ。
ここからしばらくは去年のをカット&ペーストするとことがすむ。ようするに同じコースで蒲原まで走ったのだ。
「道の駅・富士」で休憩。246から1号線にってとこまで同じ。
毎回ながら海が見えると嬉しい。やはり僕の根っこは海の系統だと思い出す瞬間である。
さて、今回の目的は「麦とろ」ではない。「桜海老」である。
今年はちょいと理由があって桜海老を食べにいっていない。それが心残りだったこともあるが、その桜海老のことが、途中で立ち寄ったコンビニにあった「モーニング」に掲載されていたのだ。
「これは行って食べてこいという意味である」僕は、勝手に了解した。
国道一号線を蒲原で降りる。そこから由比へ。
由比に着いて気がついた。「どこで食べればいいんだ?」
ま、名物だからなんとかなるだろうと考え直して由比駅へ。予想通り広告の看板がある。
「ふむふむ、こっちね」
トットットットとバイクで歩く。
うちのGB500はこういうことが得意だ。アイドリングのスピードで歩いて店を探す。
前にも思ったが、静岡のこのあたりは東京よりも明るい。海風が暖かいということもあるだろうが、なんだか日差しが明るく感じるのだ。
人がのんびりとして警戒心がないせいかもしれない。
店は簡単に見つかった。
しかし、開店時間は11時でまだ開いていなかった…この時点で10時半。まだ30分ある。
どうもここいらの店はみな同じらしく、どこも開いていない。なんてこったい、マクドナルドと同じじゃねぇかぁ。
やむなく、バイクを止めてうろうろする。本陣・広重美術館とかいうところを見に行くかと考え、ぶらぶらと歩く。
と、開いているところがあった。店に入ると、客は僕一人で、とりあえず開けただけみたいだったが、なんでもかまわない。
メニューを見て即決した。
「桜海老御膳」
しばし待つ。来た。
桜海老かき揚。生桜海老。桜海老サラダ。桜海老佃煮。
新鮮な生桜海老は甘い。うまい。
御飯のおかわりをお願いして食べた。…ふぅ、満腹。
あとは帰るだけだ。行きは富士を通ったから、帰りは箱根と西湘バイパスで帰ろう。そう考えた。
そこで気がついた。
しまった。地図をもっていない。
■地図が無い
ありゃ、ないやぁ。忘れた。
地図をもっていないことに気がつきはしたものの、別に心配はしなかった。
なんせ場所が由比である。どうしたって帰れるに決まっている。
(ここで地図を買おうとかまったく考えなかったところが自分ながらアホウである)
由比を出る時点で12時。去年とは訳が違う。
話は違うが、まだバイクの時計の電池は交換していない。そろそろ換えないとと乗るたびに思うが、降りると忘れるのだ。
とにかく、東京へは1号線をまっすぐ帰ればいいだけである。迷う要素はない。
ということで、そのまま東京を目指した。
途中の箱根で、煽ってきたおばかな自動車ちゃんとちょっと遊んだりして、「あああ、このタイヤぐりっぷしないよぉ」とか思ったけれども、あんまりたいしたことはなかったので省略。ごく普通に元箱根から宮の下へ抜け、湯元へ。
ある意味、地図をもっていなくて幸いだった。地図をもっていたら、熱海に抜けようとか、湯河原パークウェイとか椿ラインを選択したに決まっているからである。
まぁ、それはそれとして、タイヤがグリップしないのには閉口した。旋回しようとするとタイヤが「いや〜ん」とか言うのである。おかげで、ほとんど向きかえだけで乗るはめになった。
途中、さすがに眠気に襲われ、一時停止してバイクによっかかって15分仮眠。こーいう時はまったく躊躇しないで休むことにしている。外からみると、突然バイク止めて寝てるから変なヤツと思うかもしれないが、走り続けて事故を起こすよりはマシだ。
とにかく、それでもなんとか西湘バイパスに入った。
実に気持ちがよい。海の見える道を気持ちいい速度で走る。バイク乗りにしか味わえない会館であり、特権である。
そして、いい気持ちで走り……そのままR134に入ってしまった。
うん、実に気持ち良かった
気持ち良く、茅ヶ崎から江ノ島、稲村ケ崎へと通った。
さすがに、鎌倉まで来て、不安になった。
「なんか海沿いすぎる……」
実際、この勘は正しかった。我ながら見事だと思うが、このままR134を行っていたら、葉山から三浦に行ってしまうところだったのだ。これはとんでもない大回りである。楽しいコースだけど。
ここで、コースを変えた。鶴ヶ丘八幡宮の横を通って鎌倉街道で横浜へ。
今、地図で見るとねドンピシャのコース選択ではある。が、走っているときには全然わかっていない。このころ午後2時半、そろそろ6時間ばかり走っていて集中力が切れているころである。
とにかく、横浜到着。横浜市内では保土ヶ谷から、関内へ、綱島から新横浜に戻ったりしているから、かなりうろうろしたらしいが、それでも終ってみればオッケーである。とにかく、港北インターから第三京浜に乗った。
ここから後は、もう書くことはない。第三京浜から上野毛へ出て、環八から環七へというルートで帰っただけである。
ちなみに、走行距離は約350km。下道としてはまぁまぁの距離ではないだろうか。
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