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【わかりやすいマニュアルの作り方】第225回 リスクと「非常識な使用」について

2015年2月13日 金曜日

前回の書き込み「第224回 独立行政法人製品評価技術基盤機構(nite)訪問」に続きます。

取扱説明書は『すべての製品』に

niteでは取扱説明書は、安全のためにあると考えられていました。
そして、「取扱説明書は『すべての製品』についていることが必要で例外規定はない」ということでした。

…実感と違います。
不動産にも大根にも取扱説明書はついていません。
このあたりは、実感では、そう感じます。
実は、『すべての製品』の「製品」の定義から外れるものには取扱説明書は付いていなくても問題はないということになるのですが、ちょっと「用語」と「一般的感覚」の間にはズレがあるようです。
「製品」とは、”Products”の訳のため、不動産は外れますし、大根は一次産品ですのでやはり”Products”にはあたりません。ですから、取扱説明書がついていないことが許容されるのです。
まぁ、そのあたりは良いとして。

リスクとは? 製品の使い方のどこまで対応する?

「安全って何?」というところまで戻ってしまうと、根源的に過ぎるということになってしまいますが…
そして、リスクに対して以下のように定義していました。

リスク:危害の発生確率と、その危害の程度の組み合わせ

そして、絶対的な安全はありえません。
許容できるリスクまで低減させるということで、リスクアセスメントを行うということになります。

niteでは、対応すべき主体(危険?)を3つに分類していました。

[危険の分類]

・正常使用:事業者の意図した使い方

危険はある場合が当然あります。たとえば、ガスコンロはどうしたって熱く、危険がありますが、それがないものは考えられません。

・合理的に予見可能な誤使用:事業者が対応を検討すべき領域

このあたりは、メーカーが悩むところです。アイロンを持ち上げていると熱い部分のスイッチが切れるとかのセーフガードを付けて対応したりしています。
ここまでは事業者が「製品」で安全を確保するということになります。

・非常識な使用:誰もが非常識だと考える使用方法

この非常識な使用については、いつも取扱説明書を作るときに悩むのですが「どこまで書けばいいのだろう」ということ。
簡単な例で示すと、包丁の使い方を説明するときに、「人に切りつける」というのは非常識な使用方法にあたり、誰もが非常識だと考えると思います。このレベルには、事業者(メーカーまたは販売者)は対応する必要がないということです。
意図的な誤使用は「誰もが非常識だと考える」と見なして、対応しなくて良いということが示されたのです。
これによって、「限度なくありとあらゆる内容に対応する」という必要がないということが示されたのです。もちろんそれが非常識かどうかということは、一人で決定できることではないので、複数人数で検証する必要はありますが、「常識的な範囲」で書けば良いという指針が示されたことは非常に有り難いことでした。

[スリーステップメソッド]

そして、それらの危険に対して、スリーステップメソッドという対策方法を示していました。

・本質安全設計

・保護装置による安全確保

・消費者に対する情報による安全確保

この最後の方法に関して「取扱説明書」や「本体表示」で対応するという話でした。

一回では書き切れないので次回に続きます。


【わかりやすいマニュアルの作り方】第224回 独立行政法人製品評価技術基盤機構(nite)訪問

2015年2月5日 木曜日

独立行政法人製品評価技術基盤機構(nite)訪問

独立行政法人製品評価技術基盤機構(nite)に
おうかがいして話をしていただいてきました。

内容としては、取説屋として
「製品安全の一般論として取扱説明書がどのような位置づけ
 であるのかという点について」
をうかがって参りました。

いやぁ、興味深かったです。
まず、取扱説明書というのがnite、ひいては経済産業省
そして国がどう考えているかという話から。

「取扱説明書は『すべての製品』についていることが必要で
 例外規定はない」というのが法的な基本的立場です。

消費者安全法からの安全4法と製造物責任法では、こうなっている。
と教えて頂きました。

そうすると、「実際にはすべての製品に取扱説明書が付いている
ようには思えない」という実感と離れていることから疑問を
感じます。

まずは「製品」の定義がPRODUCTSなので、すべての商品では
ないというところから理解しないといけないのですが……。
不動産や、未加工の一次産品、そしてソフトウェア(これは
実体がないため)は「製品」ではないので取扱説明書は必ずしも
必要でないとか…。

今回、書いていくとボリュームが大きすぎるので、今回はこれ
くらいで終わりますが、次回の予告を。

「非常識な使用について」
(「合理的な予見可能な誤使用」と対比して)

「情報弱者」など、使用者の立場から考えると
「誰でも使えなければならない」という点では紙が最強

こんなところ、からでしょうか。
今回はこのあたりで。


JTDNA総会に出席してきた

2010年4月19日 月曜日
JTDNAと書いてもほとんどの人は知らないだろうと思いますが…
日本テクニカルデザイナーズ協会
http://www.jtdna.or.jp/
何をやっているところかというと、PL関連から、取扱説明書や製品の包装など表記のガイドラインとかやっているところ。
経済産業省 製品安全課
http://www.meti.go.jp/product_safety/
http://www.nite.go.jp/
それと、MCEIでお会いした梁瀬先生の講座があって、取扱説明書をどう書くかということの話をうかがった。
どれも実務に密着していて面白い話であった。
正直、役人の人と大学の先生の講義で僕が眠くならないのですから。

■メンテナンスは大切 教育はもっと大切

製品寿命の記載とメンテナンスの話のなかで、印象に残ったエピソード。
某事故が起きた石油FF暖房機。
製品寿命というか、パーツの一部に使用していた材料が経年劣化して事故につながったということでった。
それ自体は不幸な事故であり、事故防止にはという話にもなるのだが、興味深いのは「その製品が最も多く売れていた(はずの)北海道では事故が1件もなかった」」という話であった。
種明かしをすると、「北海道では『暖房が故障すると命に関わる』ため、シーズン前にはメンテナンスする習慣が根付いていた」という話である。
こう書くと「ああそんなことか」と思うかもしれないが、実に重大な示唆に富んだ話である。製品は正しくメンテナンスしないと安全に使い続けることはできないのだ。
機械を仕事で使っている人には当然の話です。
でも、一般消費者にはほとんど届いていない。このあたりが取説屋の仕事なんだろうなぁと思ったのでした。