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【わかりやすいマニュアルの作り方】第155回エディトリアルデザインの話

2011年12月27日 火曜日

もう年末です。
あっという間に、年の終わりが来てしまいました。このブログも細々ながら155回、読んでいただいている方には、感謝にたえません、また来年もよろしくお願いします。

さすがに、新年の更新はお休みさせて頂きます。

■エディトリアルデザインの話

今回は取扱説明書のデザインの話です。
取扱説明書のデザインと、広告・宣伝・広報のデザインは目的が違います。
したがって、同じ考えで作ってはいけません。

デザインというと、目立つもの、綺麗なもの、かっこいいものを作ることがイメージされますが、デザインは目的にしたがって作られるものです。
自分は基本的に製品の特性を調べ、それを記述すること・説明することを本業としている「テクニカルライター」であり、デザイナーではありません。
実際のところ、カッコいいものを作りたければ、躊躇無くデザイナーに依頼しますし、その方が良い結果が得られることは分かっています。
しかし、文章全体を構成する編集という技術の中には、文章全体の論理的な構成を作成し、それを見やすいように並べるといった技術も含まれています。エディトリアルデザインというものです。
さてそこで考えることですが、見やすいとキレイというのは必ずしも同じではないということです。もちろん、優秀なデザイナーがデザインすると両方を満足することは可能ですが、一般的なデザインを業務としていない素人の社員が行った場合を考えています。

自分がデザインの教育を受けたわけではありませんが、ソフトウェアの必勝本などを作った実務経験から指定紙の書き方などを実務で覚えさせられました。

■デザインの要件

では、エディトリアルデザインで要求される内容の簡単な例をあげてみます。

  • 内容が論理的なブロックで分かれるところは、視覚的にもブロックとして認識できるように、分けるのが望ましい
  • 説明本体の流れとは別だが、その場所に置いておいた方が良い説明はコラム形式にして近くに置く。

難しいことではないと思います。むしろここを読んでいらっしゃる方としては「なんだごく普通のことじゃないか。」と思われるかもしれません。そうです、それで正しいのです。

ですが、実際に業務マニュアルを作成しようとすると、ソフトに準備された機能に引きずられてしまうということがよくあります。

特にMicrosoftWordなどを使って政策をしていると、意識的に避けようとしていない限り「ぎっちぎち」に詰めたものを作ってしまう傾向があります。
ソフトウェアがもともとビジネス文書を作成するためにできているので、一般ユーザー向けの文書を作成するときは、いくつかの設定を変更しなければならないのですが、そんなやり方はどこにも書いてありません。

上の要件を満たすための見出しの作り方や、コラムの作り方は機能としてはWordの中に用意されています。しかし、それは使い方を知っていないとそこにアクセスすることはできません。

たとえば、人が一目で見ることができる1行の文字数はどれだけか、1行の行間はどの程度にするのが適正かといったことは制作を始める前に知っておくべきことです。
そしてそのために、ページ数が多くなったり、思ったより改ページが多くなって白っぽい取扱説明書になったからといって、きっちりと詰めた文書にすべきではありません。

優先すべきなのは使う人にとっての、読みやすさなのです。

前にも書きましたが取扱説明書は、製品を扱うために必要な「お客様に説明する」部品です。
部品であれば「使いやすく作る」のは当然だと思うでしょう。取扱説明書も使いやすくなければならないのです。

色を使わないとダサく思うかもしれません。

見出しがデカくてバカみたいだと思うかもしれません。しかし、人間にはある程度以上の差がないと見出しと本文を見分けることは難しかったりするのです。

1ページの情報量が少ないと思うかもしれません。

こういったことを上司から言われるかもしれませんが、それでも取扱説明書はお客様のために作っているということを忘れないでください。

少なくとも弊社ではそう考えて取扱説明書を制作しております。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所


【わかりやすいマニュアルの作り方】第120回 読んでもらうには見掛けも重要 その3

2011年2月1日 火曜日

もうすぐ立春です。今日をすぎれば寒気団もすこし遠ざかり、過ごしやすくなってくるかもしれません。

さて、今回は引き続いて見掛けと読みやすさについての話をします。

■見出しを設定しよう

以前、この連載でも、見出しの重要性について書いたことがあります。
しかしその時は、主に見出しの文書における構造的な役割について書いていました。
見出しのツリー構造は、取扱説明書全体の構造をひいては見渡しやすさを決定しますから、内容的には間違いありませんし、いまでも内容には自信がありますが、今回は違う話です。

■1つの文章は見出しの下に3~4行まで

見出しの後には、本文が続きます。本文の内容は、この見出しのように3~4行ぐらいまでとします。1行の長さは、版型によって異なりますが15~35文字程度。これが3~4行で1ブロックを構成します。

これは、ぱっと見たときに、あまり視線を移動させずに文字を読み取ることができる範囲です。
たとえば横に60文字もあったり、縦に20行も続いていたら、そのブロックの内容を一回で把握することは困難になります。
こうした場合は、ブロックを分割して、新しい見出しをつけることを考えます。

小説の場合は、もっと長い場合もよくあります。そうした方がイメージを伝えられるからです。
しかし取扱説明書は、実用品です。
正しい内容を、誤解されないように伝える必要があります。

内容が正しくても、読んだ人に誤解されてしまって、正しく伝わっていない。これでは取扱説明書の意味がありません。

■見出しと本文に差をつける

以上のようにして見出しと本文を書いていきます。
そして出来上がった文書の中で、見出しをはっきりと目立つようにすることが必要です。
現在のワープロでは、テンプレートを使用して見出しを段落単位で設定すると、適切な書式を設定してくれるものもあります。こういったものをうまく活用すべきです。
しかし会社の書式がある場合など、そういったテンプレートを使えない場合は、自分で見出しの書式を設定しなければいけません。

ここは、デザインについて詳しく語る場ではありません。ですから、詳しいことは割愛しますが、見出しと本文が、紛らわしいような書式設定は論外だということを覚えておいてください。

見出しは見出しとして目立ってこそ、意味があるのです。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所


【わかりやすいマニュアルの作り方】 第32回  Microsoft Wordで社内マニュアルを見やすくするには 3

2009年3月10日 火曜日

●文字レイアウト

元のワープロ文書のレイアウトを見やすくするために、次のような工夫をしています。

レベルによって見出しに差を付ける

元文書では見出しと本文の違いが小さく、見出しが余り目立ちませんでした。
また、大見出しと中見出しも違いが少なく、見出しのレベルを誤解したりするおそれがありました。
そこで、大見出しを反転としたり、フォントを変えて、本文と文字サイズであきらかな違いを付けるなど、見出しをわかりやすくしました。

本文の文字サイズと行間・字下げ

本文の文字サイズが必要以上に大きかったのを小さくし、行間も空きすぎていたのを直しました。
また、本文を見出しにくらべて字下げすることで、1行の文字数を多すぎないようにコントロールし、同時に見出しを目立たせるようにしています。

ヘッダやフッタを活用する

ヘッダに文書のタイトルとページ数/総ページ数を入れています。
こういったスタイル指定した文書をテンプレートとして利用しています。

リスト

メモする内容について、本文内に列挙されていたものをリストに直しました。


【わかりやすいマニュアルの作り方】 第31回  Microsoft Wordで社内マニュアルを見やすくするには 2

2009年3月4日 水曜日

前回の続きです。

■見やすさのポイント

同じ内容の文書でも、見せ方が違うだけでこれだけ「わかりやすさ」が違ってきます。
ここでは弊社が前のページの元の文書(左)を修正するときに注意したポイントについて説明します。

●テキスト(文章)

「内容を簡潔に示した見出し」と「見出しに対応した本文」を簡潔に書きます。
本文の書き方

「見出し」の直後にはその項目の概要を書き、詳細に進むというように、内容を把握しやすくするように住めています。
また、元の文章は3つ見出しだけが続いて、本文がその後に続くといった部分があるため、それぞれを見出しに対応するように文章を分割しています。

「見出し」の付け方

「○○機能」のような体言止めと、「○○しましょう」といった動作を主体とした書き方の2種類を混ぜて使うことがないようにします。


【わかりやすいマニュアルの作り方】 第30回  Microsoft Wordで社内マニュアルを見やすくするには 1

2009年2月24日 火曜日

前回まで同じネタが続いて、書く方も飽きてきたので、今回からしばらく趣向を変えた話をしてみようと思います。
さて、今回は画像でWordの業務マニュアルのサンプルです。

電話応対マニュアル原文

電話応対マニュアル原文

電話応対マニュアルリライト済み

電話応対マニュアルリライト済み

ほとんどの方が最初の文書のようなものを作っていらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、これがどうやると下のようになるのかの説明をします。上の文書から下の文書にするには、ちょっとしたコツとルールを覚えるだけです。
いつでも誰でも見やすいレイアウトの文書が常に自動的に作れるようになります。

文字組について

というわけで、最初の一回は「文字組」についてです。
見やすさの秘密は「文字組」を変えたことにあるからです。
次回から詳細について説明します。