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【わかりやすいマニュアルの作り方】第175回すべては安全のために

2012年7月3日 火曜日

7月になってしまいました。

7月までにあれをやろう、これをやろうと考えていたのですが、意外と間に合わなかったり、時間の流れが速いのを感じます。

ただ、今年はちょっとだけ暑くなるのが遅いのでしょうか。暑すぎるのも電力の点で心配ですが、涼しいのも稲なども気になります。

■取扱説明書は安全のために付けるもの

先日、商談をしながらいい話だなと思うことがありました。

「こんなことやっとって、お客さんが知らんでムチャをして怪我でもしたら、アカンでっしゃろ」

その通りです。取扱説明書というのはそのために付けているのです。たしかに、法律による規制も数多くあり、「こう書いていないと、事故があったとき、裁判で負けるから」という発想で制作をする人もいます。

でも、そのとき仕事を一緒にした人は違いました。

「そんなことより、事故が起きんようにきちっと言っとくのが役目や。言っといて、それでもミスがあってもトラブルにならんようにしたい」

仕事が楽しかったです。

「この部分はお客様が買う前にわかっていなきゃならんことや、だからサイトの商品説明のところに追加する」

この点がとてもすばらしかったのです。

こういう場所には設置してはいけない、と禁止する内容です。理由はもちろん、そういう場所に設置すると危険だからです。しかし、同じような商品を扱っている競合他社のところにはそういった記述はありません。

つまり、その危険を書くことにより、もしかするとそのサイトで買ってくれるお客様が減るかもしれないのです。それでも、この人は書くことを選択しました。

■事故の予防

確率論から言うと、書かずに買ってくださったお客様は何の問題も起こさない確率が高いです。

しかし、このクライアントさんは「お客様が事故を起こさないように」したいということで、対応を行いました。

ケチくさいことをいうならば、販売は販売で黙っていて、取扱説明書の方に「こういうところには設置しないでください」と書いておくこともできたわけです。

もちろん「自分はそういう場所に設置するつもりで購入したから返金しろ」と言われる可能性はありますが、取扱説明書に書いてある以上、それに従わない危険な場所に設置することは購入したお客様の責任ということになります。

でも、それで正しいでしょうか?

弊社は取説屋なので、それが法律的に正しいのかどうかはわかりません。争えそうには感じますが確信は持てません。

しかし、倫理的には「最初から駄目とわかっているものは売らない」のが一番正しいことは考えずともわかります。でも、この方法は売上が下がるのです。これを選択するのには勇気がいります。

もちろん、もうひとつの事情として「自分はそういう場所に設置するつもりで購入したから返金しろ」とかいうクレームはまっぴらだ、というのはあります。この対処には、書かないで売れたときの利益が完全に吹っ飛ぶだけのコストがかかることは間違いないからです。

しかし、それを考慮に入れても。

弊社では、このクライアントさんの選択を応援します。

取扱説明書の改善などもお手伝いさせて頂きましたが、危険が発生しないように、危険なところで札買う人には最初から売らない、これは立派な心意気だとと思いました。

良い製品に良い取説を提供します

torisetuya.com


【わかりやすいマニュアルの作り方】第159回取扱説明書の対象について

2012年2月14日 火曜日

ようやく少しずつ温かみを感じるようになってきました。
まだ春は遠いですが、春の足音が聞こえてくるような気がします。

弊社では、先週はいろいろな所に出かけていました。
今回は、その中でつかんだ新しい考えについて述べさせてもらおうと思います。

■制作する取扱説明書の対象を広げる

弊社では、これまでは主に「一般消費者」(コンシューマー)向けの取扱説明書を扱ってきました。

したがって、制作された結果は「印刷所に納品するとそのまま印刷できる」データであり、「凝ったレイアウトされたキレイなデザイン」の仕上がりでした。

はっきり言うと、格好の良い出来あがりです。

しかし、問題もあります。

格好良くしようとすると当然ながらコストがかかります。分かりやすくするためにはある程度の作業コストは必要ですが、格好良くするためのコストとは別のことです。

簡単に言うと、コストの半分はDTPとデザインとレイアウトに掛かっています。これを切ってしまおうということです。

実を言うと、弊社の利益もこのあたりから捻出させていただいたりすることもあるので、これは経営的にはかなりの冒険でもあるのですが…。それでも、この仕事には絶対に意味があると私自身が確信しています。だから、やるのです。

■技術者・作業者・販売者向けの取扱説明書

最終消費者向けの製品を作っていないメーカーやサービスを提供している会社は非常に数多くあります。実際のところ、最終消費者向けでないメーカーやサービスを提供している会社の方が数が多いのではないかと考えています。

営業に行くとよく言われるセリフがあります。

「うちでは消費者向けの製品は作っていないから、取扱説明書は必要ないんですよ」

そうでしょうか。

自分は「技術者・作業者・販売者向けの取扱説明書」のできが、いまひとつのために、作業が滞ったり問い合わせが多くなったりしている例を数多く見ています。

作業マニュアルはきちっと作られている方が良いに決まっています。あえて言えばきちっとできていない作業マニュアルはタダのゴミです。

自分はきちんとした取扱説明書を作成する技術を持っています。それは構成であったり、編集であったり、、最低限のレイアウトの知識であったりしますが、それは極小のハンダ付けをしたり、バフがけで平面に磨いたりすることと同じように、身につけようとするとどうしても時間がかかるものです。

極小のハンダ付けをしたり、バフがけで平面に磨いたりする作業が必要になったらどうしますか?社内の事務員にやらせたり、エンジニアさんにちょっと練習させてやらせますか?
まさか。当然、外注しますね。

取扱説明書制作も一緒です。「きちんとしたわかりやすい取扱説明書」を制作するには、技術が必要です。

「技術者・作業者・販売者向けの取扱説明書」をわかりやすく作り直して、公開してみませんか?

弊社では、現在「技術者・作業者・販売者向けの取扱説明書」の価格体系や作り方を検討しています。少なくとも現状の最終消費者向けの取扱説明書に比べれば大幅に低コストでできると思われます。

もちろん、コストを削っただけではなく、お使いになるお客様にもメリットがある方式、具体的には最終的に納品するデータがDTP用のIllustratorやIndesignといった、操作に専門的な知識が必要なデータではなく、一般的なWordのデータと公開用のPDFのセットなどにする(その分は弊社でもDTP作業がなくなってコストが低下します)といったことを考えております。

詳しく仕様が決まったらまた、こちらでお知らせさせていただきます。

よろしくお願いします。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所


【わかりやすいマニュアルの作り方】第156回広告コピーと取扱説明書の違い

2012年1月24日 火曜日

本格的に寒いです。
外の天気もどんよりとしているため、お日様が入らなくてちっとも部屋が温まりません。

さて今回から、通常のスタイルに復帰です。
タイトルの通り、取扱説明書の作り方にもどっていきます。

■広告デザイナーと取扱説明書屋

取扱説明書を作成しようと考えている人で、広告代理店やデザイン事務所に依頼すればできるだろうと考えている人もいると思います。
しかし、デザイン会社に依頼する前に、一度、そこが広告を主な仕事にしているところではないかを確認してから依頼した方が良いと思います。
なぜなら、取扱説明書に必要なテクニカルライティングと、広告のコピーライティングはまったく異なったことだからです。
テクニカルライターとコピーライターはどちらも製品について文章を書く職業であり、いずれもその道のプロフェッショナルです。しかし、向いている方向はまるで違うのです。

  • 取扱説明書は「購入したユーザー」向けの「技術文書」です。
  • 広告コピーや商品パッケージは「購入前」向けの「宣伝文書」です。

対象とする読者の想定が異なります。そして、目的も異なります。
たとえば、広告には製品の欠点は記載されませんが、取扱説明書の場合「危険」「やってはいけないこと」として欠点も記載されます。

つまり、方向性が全く異なっています。これはどちらかが優れているとか、良い悪いのはなしではありません。
こういった理由から、宣伝コピーと取扱説明書の両方を作れる人はまずいません。

■取扱説明書屋の目指す方向

それでは、取扱説明書とコピーライティングの方向が違うことを理解したら、次にどうしたら良いのでしょう。

そうすると、「ぜひとも弊社に」と宣伝をしたいところではありますが、そうはいってもいろいろ事情があるでしょうから、とりあえず取扱説明書は取扱説明書で専門の制作を行っているところを探した方がよいでしょうというアドバイスになります。

そして、メーカーの方は是非とも「自社で」取扱説明書を作るようにしていただきたいと思います。

これは弊社の仕事が増えるかもということも無いわけではありませんが、それよりも、マジメにメリットがあるからです。

以下にメリットを挙げてみます。

  • 製品を販売会社や卸に売り込むときに、取扱説明書を渡せばすむ。
  • 販売用のパンフではないので、メリットデメリットを含めて説明できる。
    (メリットだけでは信用されないこともあります)
  • 販売会社が取扱説明書を作る必要がなくなる(コストダウン)。
  • 販売会社が顧客に説明するのも容易になる。
  • 販売会社へ問い合わせがあったときに取扱説明書を見て回答できれば、更にそれがメーカーまで回ってこないですむ。
  • カタログの文言を考えるのが楽になる。
  • 販社にとっては保証書以外に責任の所在が書かれた文書が点くことになる。、

販売寄りのことを書いていますが、自分はメーカーさんはこういうポリシーであってほしいと考えます。

良い商品を作り、それを正直に説明して売る。

もちろん、販売部門まで持っている大メーカーさんは「売る」ための方法も駆使するのが当然ですが、そうでなければ「売る」ことについてはプロである販売会社を信用して良いと思います。お互いに得意なところを分担する。

そして、その製品に必要な取扱説明書について、お手伝いができれば良いなぁ、と思っているのです。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所


【わかりやすいマニュアルの作り方】第152回取扱説明書の責任

2011年11月29日 火曜日

本格的に寒くなってきました。近所の公園の紅葉もすっかり色づいてきました、

常に季節をひとつ先取りしている「オートバイ乗り」にとっては、もうほとんど真冬の寒さです。もっとも、常にという訳ではなく、コースで全力走行をしている場合はこの気温でも汗をかいているわけですが。

さて。本題です。今回はちょっと大上段に構えたテーマを扱ってみます。

■取扱説明書って何?

このブログは「わかりやすい取扱説明書」について書いています。

ということは「わかりやすいって何でしょうか?」ということが問題になるわけです。この問題は何度書いても書ききれない話で、ある意味「幸せって何でしょう」という問題に似ています。

技術的にはこの件はいくらでも書くことができます。というか、実際150回近いこのプログではえんえん書いています。

ともあれ、取扱説明書は商品に欠かせない「部品」です。
では、なぜ欠かせないのでしょうか?エンジニアさんは「取扱説明書の要らない商品」を一所懸命に作ろうとしています。それでもなお必要な理由とは何でしょうか。

弊社では、取扱説明書には責任と「この製品は○○である。」「この製品の責任者は●●である」という宣言が必要だから、と考えています。
極論を言えば、(場合にもよりますが)操作説明はなくても良いとすら考えています。

たとえば、とても使いやすい単機能のナイフであるとしましょう。

ナイフの使い方を説明するべきでしょうか?
切る、突き刺す、それから道具としてこじったりする方法を説明すべきでしょうか?

テクニカルライターである自分が考えても、必要ないと思います。ですが、使い方以外の内容が必要だと感じるのです。

■取扱説明書の「使い方」以外のこと

良いナイフを買ったことのある人は、ご存じのことだと思いますが、良いナイフには必ずといってもいいほど「メーカーの歴史」や「ポリシー」が書かれたものが入っています。

良いナイフであればあるほど「このナイフはハンティング用です」「このナイフはツールナイフです」「このナイフはフィッシングナイフです」と用途が宣言されています。
もちろん、ユーザーからすれば、見ただけでわかることは言うまでもないにもかかわらず、です。

そして、「長く使うためのお手入れの方法」と「破損時の対処方法」などと、メーカーの名前・連絡先などが誇りを持って書かれています。

これが取扱説明書だと弊社では考えています。

どんなに簡単な道具でも、良くできていても、時間がすぎると壊れます。手入れをしないとダメになっていきます。

それらに対して「作った」もしくは「売った」ことに対する責任を表明する、それが取扱説明書の「使い方の説明」以外の部分なのです。製品に対する誇りの小さな表明です。

弊社ではそんな考えで取扱説明書を作っています。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所


【わかりやすいマニュアルの作り方】第124回 取説屋の需要について

2011年3月1日 火曜日

今回は、ちょっと業務多忙のため「作り方」ではなく、余談みたいなものにさせていただく。
時間もきちんとしていないうえ、前回のネタの続きみたいで大変申し訳ないのだが。

さっそく本題に入る。

自分でも珍しいと思っている「取説屋」の需要と供給についてである。
最近、ビジネス交流会などに参加すると「そういう仕事があったのですか」と言われるのに慣れた、というのは以前も書いた。
ただ、面白いのは、その後に「需要はあると思いますね」と言われることだ。実際にはあまり発注はないのだが。

しかし、そう言われるということは、必要性はあるということだ。
じゃあなぜ需要が発注に結びつかないのか。
まぁ、これも結論はでている。

ピーアール不足なのだ。

えーと。他に適当な例を思いつかないので。
1978年より前に「アニメ雑誌」の需要はあったか?
たぶん、あった。というか、その需要が見いだされたからこそ、その後の大ブームにつながったのだろう。

ビジネスとして。
取説屋は必要とされている。
実感としてそれはある。

きちんと強い需要がある業界とコネクトしてくれることを望む者である。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所


【わかりやすいマニュアルの作り方】第121回 取扱説明書をつけて製品の売り込みを

2011年2月8日 火曜日

今回は、ビジュアルの話をいったん中断して、取扱説明書の現況について書きます。
実はということではないのですが、流通業界の方にお話しをうかがってきたのです。
いままで漠然と「たぶんこうだろうな」と思っていたことの裏付けが取れました。
いや、正確に言うと、予想を遙かに超えていましたが。

■取扱説明書の現況

さて。

あまりにもショッキングだったので、そのまま書きます。

取扱説明書のついている売り込みなんて見たことがない。

呆然。としか言いようがありません。
「いやぁ、そぅかなぁ」とはうすうす考えてはいたものの、事実としてそういうことを聞くと、少々凹みます。

さらに続けて、バイヤーさんから見た取扱説明書のことを聞いてみました。

ついてるのを見たことがないから考慮したことがない。

当然です。さすがに、電器製品の一部についてはついているようですが、それ以外のほぼすべて、組み立てが必要なものも、回転や折りたたみと言った動作部分のある製品でも、全くないとのことでした。

こうした現況を踏まえて、取扱説明書をどうとらえるべきか、ということなのですが…

非常にぶっちゃけたことを書きますと。

安全に配慮したしっかりした取扱説明書が着いていると、売り込みに有利です。

取扱説明書が着いていないのが標準というのが現状であれば、メーカーの方は「しっかりした取扱説明書が着いています」ということは明確な売りにできます。

メーカーから取扱説明書がついた商品を提供することは、メーカー・バイヤー双方にとって大きなメリットとなるのです。
主なメリットは以下の3つです。

  • 商品の信頼性が高まる
  • 販売側のコスト削減への協力ができる
  • 販売側の納期改善への協力ができる

■商品の信頼性が高まる

しっかりした取扱説明書を付けることでその製品の「信頼性」や、「安全に対する配慮」を販売店にアピールできます。

商品の機能については、カタログ・パンフ・仕様書には掲載しきれない情報を記載できるメリットがあります。
「ここはどうなの?」と聞かれたときに、実物がなくても取扱説明書があればかなりの部分が答えられるようになります。

■販売側のコスト削減への協力ができる

現状のメーカーさんは、製品を作ることに手一杯でそこまで意識が回っていないのかもしれませんが、動く物や組み立てるものは基本的に取扱説明書が必要です。
消費者基本法やPL法といった話をする前に、商品には取扱説明書が着いていないと販売できないからです。
謎の部品が入った箱が届いて、組み立てる手順がわからない…誰がそんなものを買ってくれるでしょうか。
昔ならともかく、今はネットでの口コミがある時代です。「取扱説明書が不親切どころか、ついていない」という評判があっという間に流されてしまいます。

ではどうするかというと、結局は販売側で取扱説明書を制作することになるわけですが、制作には当然コストがかかり、そのコスト分は販売側が負担しているわけです。この部分をメーカーが負担することで、売り込みは有利になります。

取扱説明書の制作費をメーカーが負担することにはなりますが、その結果として複数の売り込み先で有利になれば、コストは十分回収できると思います。

■販売側の納期改善への協力ができる

さらに、メーカーさんから見えない点だと思いますが、納期の問題があります。
実は、こちらの方が問題が大きいかもしれないのです。

販売側では、一度に大量の商品がきます。そして、そのどれにも取扱説明書が着いていない以上、全部の取扱説明書を短い時間に集中的に作らなければいけません。

自分がゲームメーカーで取扱説明書の担当をやっていたときは、クリスマス・お正月のシーズン前に新作・移植あわせて十数本が同時に走り、1ヶ月くらいで終わらせなければならないという状態になりましたが、それと同様のことが発生するわけです。

ここで、メーカーさん側から取扱説明書の提供があれば販売会社としては、追加すべき内容があれば既存の問い合わせ先のペラを一枚いれるだけですみます。
さらに取扱説明書をデータで提供している場合は、一部を修正するだけで、取扱説明書を制作する期間をとらずに商品をすぐに販売できることになります。

そして、納期ギリギリで大量の受注がある場合、問題が発生する可能性が高くなることは、どの業界でも同じです。
メーカー側から取扱説明書を提供することで、こういった問題は多少なりとも軽減できるようになります。
メーカーさんで製品ができる時期は販売の時期に比べるとあきらかに分散しています。

■最後に

弊社石井ライティング事務所としても、実は販売・輸入の会社さんから依頼されるよりも、メーカーさんから取扱説明書を依頼される方が仕事がやりやすかったりするのです。
理由は簡単で、「製品を作ったエンジニアさん・・職人さんから直接話を聞いて取扱説明書を作れるから」です。

代表は、エンジニアくずれですが、技術が大好きなのです。ぜひ、そういったお話を聞かせていただいてビジネスをさせてください。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所


都立産技研の合同交流会に行ってきた

2011年2月4日 金曜日

朝から夜まで一日中交流会でした。
デザイナーの.中尾さんに作っていただいたでかいポスターをどどんと張って
「取説屋って仕事があるんです」

と主張して営業した甲斐もあって、持参したパンフもかなりの数が出て、盛況でした。

torisetuya_poster

このポスターが遠くからでも目立つ。
入口から入ったところでよく見えるので、大変効果的でした。
やはり、社長さんたちと話すのは楽しいですね。

ただ、朝から晩まで立ちっぱなしに近かったので少々疲労しましたが。
これから仕事が広がっていくと良いなぁ。


【わかりやすいマニュアルの作り方】第117回 営業にはカタログと取説を

2011年1月11日 火曜日

あけましておめでとうございます。
去年はいろいろと厳しい年でしたが、今年こそはうさぎ年らしく飛躍する、皆様にとって新しい年が良い年になりますように。
私も年男として精一杯がんばろうと思います。

さて。
今回は営業における取扱説明書の立ち位置について説明します。

■営業は取扱説明書も持ち歩くべき

「営業は取扱説明書も持ち歩くべき」と見出しに書きましたが、何のためでしょうか。
もちろん、「商品」について詳細に説明するためです。

「カタログだけで良いじゃないか」と思うかも知れません。
しかし、実際には両方持ち歩いた方がずっと良いのです。

営業マンも無限に勉強時間があるわけではありません。
ややもすれば、今日仕入れた商品を、今日営業に回る必要があるかもしれないのです。

有能な営業マンは、商品のこともよく調べて説明ができます。
その商品にどんな魅力があり、使用者にどのようなメリットを与えるかを説明できるのは当然のことです。

しかし、思わぬ使用シーンを想定された場合、その使用に関する内容がカタロクグに謳われていなかった場合はどうすればよいでしょうか。
そんな時に取扱説明書が役に立つのです。

■いつでも取り出せる設計図書

カタログと取扱説明書の違いは何でしょうか。

簡単に言ってしまえば、カタログは営業ツールで、取扱説明書は設計図書の一部であるということです。自動車やバイクのメンテナンスマニュアルや、パーツリストなどには部品番号がついていることが一番典型的な例です。

カタログは営業ツールですから、営業に不利なことはあまり掲載されていません。
これはわざとというわけでもありません。たとえば、ラグジュアリカーが雪道だの水没に強くないことをわざわざ謳う必要はないからです。そういうことを書くのは四駆のオフローダー向けだからです。

それに対して、設計の意図を使用者に伝えるための文書ですから、使用条件や、使用時の制約条件なども掲載されています(すくなくとも、そのはずです)。
少なくとも、仕様の最低地上高などを見れば推察できるわけです。

つまり、取扱説明書は、営業の時に詳細な説明が必要になったときにはぜひとも必要なものなのです。

もちろん、必ずしも紙で持ち歩く必要はありません。PDFやサイトにしてWebにアップロードしておいていつでも参照できるようにしても良いでしょう。

■携帯電話販売現場での実例

携帯電話の取扱説明書は分厚いので有名です。「誰が読むんだ」ともよく言われます。作っている方としては結構悲しい話です。

しかし、この取扱説明書、2つの場所ではじつにしっかり使われているのです。
1つは言わずと知れたユーザーサポート部門。これがないと話になりません。

そしてもうひとつが販売の現場です。
お客様の要望は実に多種多様です。どんな優秀な販売員でもすべての機能について回答できるわけではありません。

そんなときに販売員の人が使うのがリファレンスとしての取扱説明書です。

商品自身に語らせる、されが取扱説明書の一つの側面です。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所


【わかりやすいマニュアルの作り方】第115回 安全のために読みやすい取扱説明書を

2010年12月14日 火曜日
ごく短い期間の秋が過ぎて、急に寒くなりました。
もう師走です。年末の準備が忙しくなって参りました。

■取扱説明書に必ず書いてあること

さて、本論です。

取扱説明書や注意書きは、書いてあるだけでは意味がありません。
どちらも読んでもらえないと意味がないわけです。
技術的な話になりますが、取扱説明書には、表紙には「製品名」と「取扱説明書」、そして「この取扱説明書をお読みになった後は大切に保管してください」と必ず記載しています。

さて、これらは別に「とりあえずみんなそう書いてあるから」書いてあるわけではありません。実は「製品安全」のために記載されているのです。
こういった記載が必要とされるのは以下のような流れによります。

  1. 製品を安全に設計・製造する
  2. それでもカバーしきれない危険について、取扱説明書に記載する

取扱説明書には、製品を使用した場合の危険について記載してあるわけです。
したがって、上記のような記載が必要になるのです。

  • 製品名(型番)…取扱説明書が「何の製品」であるかわからないといけません。
  • 取扱説明書…この文書が取扱説明書であることを明記します。厳密に言えば、取扱説明書と操作説明書は異なっています。
  • この説明書を…本書を保存して、必要なときには適宜参照できるようにする必要があります。これが記載していないと「読んだけど、捨てた。→事故発生時にはもう忘れていた」と言われる恐れがあるということです。

■安全のための取扱説明書

同様のことは本文についても言えます。

本文が読みにくかったり、「注意」だけで数ページも続いている構成の取扱説明書では「読み飛ばされる」とか、「気がつかなかった」ということになりかねません。

そうすると、2つの問題が起きる可能性があります。

  1. 注意書きに気がつかなかったため、間違った操作を行って、製品事故を起こす。
  2. 製品事故が発生したときに、表示上の欠陥とみなされる。

どちらも大問題ですが、弊社「石井ライティング事務所」は、特に1番の「事故発生」の可能性を下げたいと願っています。
また、最初に書いた表紙の内容などについては、「表示上の欠陥」と見なされるのを防ぐための工夫でもありますが、いずれにも共通するのは、「読みにくい取扱説明書は(使用者に読んでもらえないため)意味がない」ということです。

弊社は読みやすさも安全への第一歩だと考えています。
読みやすい取扱説明書については下記にご気軽にご相談ください。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所


【わかりやすいマニュアルの作り方】第81回 テクニカルライターになるには その01

2010年3月24日 水曜日
今回はちょっと消費者庁関連の話をするつもりだったのですが、ちょっと予定を変更して軽い話を。
…実は体調を崩してしまったので。
さて、今回は「テクニカルライターになるにはどうしたらよいか」について書いてみます。

どうやってなるか、と言われても

最初におことわりしますが、テクニカルライター養成のスクールはありません。
正確には、初心者向けのスクールはありません。ある程度の経験者向けとかはありますが…。
資格も役に立つものはありません。これも、認定試験がありますが、どっちかというと「社内で資格取らないと主任になれないぞ」という意味合いが強いです。
現在、テクニカルライターの置かれている状態は、30~40年前のデザイナーさんの立場と似たり寄ったりだと考えてください。
当時は「デザインなんて社内でやるもの」でした。よっぽどのことがなければデザイナーに依頼するなんて考えがありませんでした。
それを先達の皆様が市場を切り開き、状況を変えてきたのです。
現在「テクニカルライターです」と自己紹介すると、けげんな顔をされたり「そんな仕事あったんだぁ」と言われます。
現在おかれている状況はこんなものです。
未開の荒野と言っても言い過ぎではないかもしれません。

開拓者になるなら…

それでもテクニカルライターになりたいということでしたら、どうにかして業界にもぐりこんでください。
この業界で仕事を始めるには大きく分けて、3つの方法があります。
  • 1つめはマニュアル制作会社に入ること
  • 2つめはメーカーのマニュアル制作セクションに入ること
  • 3つめはフリーライターとしてテクニカルに的を絞っていくこと。
3つめについては、僕が語れるような内容でもありませんので、割愛します。
長くなったので、次回の更新に続きます。