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【わかりやすいマニュアルの作り方】第226回 ページ数と版型

2015年6月5日 金曜日

今回は、取扱説明書を発注するときのページ数と版型についてお話しします。

なんでまたそんな話をするかというと、実は、とても大切な事項だからです。

たとえば、「9 ページの取扱説明書を作ってくれ」とか「13 ページの取扱説明書を作ってくれ」とか言われると、全部電子マニュアルにするのでない限り、対応できません。

…そのうえで、実際にこういった発注に実際に遭遇したことがあるのです。
「8ページじゃわかりにくいよ11 ページにしてくれ」
全く印刷について知らないででしょうが…せめて12 ならまだ…と思いました。

説明することでページ数は変更して頂きましたが、説明が必要だと思いました。

●取扱説明書の版型

取扱説明書の版型については、A4 を推奨します。

これは読みやすさと保存性から来ていますが、さすがに手に乗るような小さい雑貨も世の中にはあり、取扱説明書はパッケージの中に入れる必要があったりすることもよくありますので、強制ではありません。

なお、B5やA4といった紙のサイズを見たことがあると思いますが、これが元の紙のサイズと、その紙を何回折ったかということを示すものです。

●ページ数は4 の倍数?

本は、8ページ、16 ページといった4の倍数のページ数で作られています。
16 ページまたは8 ページというのは、印刷物を作るときに途中でその姿を通る「折り」という工程から来ています。
取扱説明書は薄いので、8 ページというのはあります。また、16 ページというのは印刷物としては普通です。まず紙には「表裏」があるのでページ数は偶数です。そうでないと裏が白紙となってしまいます。

本を作るときは、大きな紙に複数のページを印刷し、それを折りたたんで作ります。これを「折り」という工程といいます。

●折りの作り方

「折り」というのは以下のように作られます。

『折りとページ数の関連』説明図

折りとページ数

紙の真ん中の折り曲げた部分以外のフチを切り落とすと、本のページができあがります。
取扱説明書は紙で作ることを前提としているので、まずはこの「折り」に対応したページ数である、8とか16 といったページで制作します。
もちろん、4 の倍数である12 ページでも制作できますが、それ以外の14 ページやまして奇数のページ数では取扱説明書は制作していません。どうしてもであれば、できないことはありませんが白紙のページが入ってしまいます。

こうして、物理的にページ数が決まっていくのです。もちろん、ページ数は内容によって変化しますが、取扱説明書は「モノ」である以上、こういったことには影響されることを理解してください。


【わかりやすいマニュアルの作り方】第194回取説取扱説明書はサポートに必要です

2013年4月9日 火曜日

さて、前回は「ユーザーサポートが必要だ」というコンセプトについて書きました。
老人や子供、組み立てが必要な説明などにはどんなにしてもユーザーサポートが必須である商品というものが存在します。
ユーザーサポートは、「商品の使い方」について説明するものです。
ですから、「この商品をどう使えばいいか」ということが説明できることが必要なわけです。これは、具体的な使い方だけではなくコンセプトといったことも含むということに、ご注意ください。

■コンセプトについて書く
コンセプトというのは商品の目的です。加熱の道具であるとしたら、それは暖房器具であるのか調理器具であるのか、といったことです。
取扱説明書を書いたことがない人から見ると、すごく馬鹿馬鹿しい事のように思われるかもしれません。
ではユーザーサポートの電話の担当者に、聞いてみてください。
「商品の目的がわかってないお客様からの変な電話ってどれくらいあります?」
驚くほどの比率で「変な電話」が含まれているということを教えてくれると思います。例えばキャンプ調理用のワンバーナーを、寒いからテントの中でちょっと暖房用に使うと言ったぐらいのことだったら、使い方として根本的に間違っているいうことは言うまでもなくわかるとしても、ものすごくよくありそうな話だとは思いませんか?
現代は、こんなバカバカしいことでも書いてないといけないと言われる残念な事態になっています。できれば書きたくないことではありますが、法律的にクレームをつけられる(「だって暖房用として使用していけないとは書いてなかった」など)可能性だってあるのです。
別に逃げ口上を書けと言っているわけではありません。当たり前のことでも、目的外使用を禁止するといった事は何かしら書いておかなければならないと言うように、なってきています。でも、禁止事項としてではなく、「この商品は何をするためのものか」というようにお客様に積極的に説明していく、という書き方をした方が良いと思われます。

■使う人のことを考えて書く
前回の終わりに書きましたが、「老人が使う場合」「子供が使う場合」あるいは「技術者が使う場合」といったときには全く異なった書き方をする必要があります。
もちろん、視力のことを考えて、字の大きさをコントロールするといった技術的な話もありますが、それ以上に読む人が、どういう文化的背景を持っているかといったことを考えて書く必要があるのです。
僕の知り合いに、化粧品会社に勤めている人がいます。彼女の説明する化粧水について、僕は説明を聞いてもまったく理解できませんでした。しかし、妻であればおそらく理解できたんだろうと思います。実際そんなに難しい説明して押していたようには聞こえなかったのですが、それでも自分には理解するための文化的背景というか基礎知識が足りなかったので全くわからなかったのです。
これと同じことが、どんな商品でも起こりえます。
そしてわからないとユーザーサポートに電話がかかってくるのです。さらに取扱説明書の内容が悪いと、お客様がその商品で何の操作をしているかといったことが説明できなくなってしまいます。そしてユーザーサポートの手間がさらにかかるようになってしまうのです。
例えば、コンピューターの技術者向けの製品であれば、簡潔に短い文章を使って自律的な説明で書いた方が理解されるでしょう。ただその製品はたとえ同じ製品であってもそのコンセプトが、一般消費者向けであれば全く違う内容で書くべきだということになるのです。
ここが違っていると、目的に全く合わない取扱説明書ができることになります。
ですから取扱説明書を作るときには、誰に向けてどんな商品を作るのかといった取材が必要になってくるのです商品の調査だけでは取扱説明書ができないと言うのはそういう事を指しているのです

今回はこの辺までにしようと思います。


【わかりやすいマニュアルの作り方】第192回 何でプロに頼まないのですか

2013年2月5日 火曜日

販促物の印刷物やウェブサイトのデザインは多くの場合は、デザイナーにデザインを依頼するようになりました。
しかし、ライティングや編集についてはプロに依頼しないで、技術者が担当してしまうということがしばしばあります。
実は取節屋を始めてから、いつも疑問に思うことがあります。
簡単に言うと取扱説明書を制作するときに、デザインについてはプロに依頼しているのに、なぜ、ライティングや編集については技術者が担当してプロに依頼しないのでしょうか?

実際のところ、見てすぐにわかるクオリティやコストの差をプロのライター・エディターの方が打ち出せていない、ということでしょうか……。

■コストとパフォーマンス
コストについては前回書きましたが、あまり大きな差とはいえません。しかも、何回か実行して初めて差が出てくるといった性格をしています。
正直に言うと一回だけは少しコストがかかるかもしれませんし。かし同じような製品のシリーズを作る場合は、前回の製品の構成などは多くの場合その後も流用して使えます。
ですから、大概の場合は「予定してきちんと原稿を作った場合」の方が、「アマチュアの技術者に原稿を作らせる」よりもきちんとして、かつ低コストで原稿があがるのです。

それがどうしてか、というのは、これまでにも何回か述べてきました。
当たり前ですが、技術者は本来以外の仕事を行って、実用に耐えるレベルを維持します。それに対して、プロは書くことでレベルを維持します。根本的に異なるのです。

こういったことはきちんと管理の下に行った方が、さまざまなコストを下げることができる。
で、それらを私達ライターはまったくアピールできていない。
実は、この点こそが問題なのだが、これから改善できていくでしょうか。


【わかりやすいマニュアルの作り方】第184回 テクニカルライティング教育

2012年9月25日 火曜日

少しだけ涼しい風が吹くようになってきました。ただ、降るときは凄い勢いで雨が降るので、温かい空気が残っているのだなと感じます。

さすがに35度を越える高温ではエアコンをつけないと生活が不可能なので(仕事をしようにもまったく頭が働きません)その分だけは助かったと言わざるを得ません。

■テクニカルライティングはだれが教える?

さて、今回はテクニカルライティングのやり方をどうやって身につけるか、という話をします。

自分自身は、とても幸運なことに、プログラマーからマニュアルのセクションに異動し、現場でプロの編集者の下にあって丁稚奉公方式で覚えました。
しかし、この方法は、たくさんの人数を教えることができるわけではないので、効率の面ではとても褒められたものではないやり方です。

実は、さきほど国文科出身の人にちょっと尋ねてみました。

「国文科では『わかりやすい説明』とか『技術文書の書き方』とかの教育って、どこかでやっている?」

「うーん、ないと思う」

「え?、ないの?」

「うん、でも他にどこで教えるかというと…えーと」

結局、技術文書の書き方については、大学のレポートや論文の指導か、ビジネススクールのレポートの書き方・プレゼンテーションのやり方といったところでしか指導をしていないんじゃないか、という結論に落ち着いた。

逆に言えば、技術文書を書くエンジニアのほとんどは書き方を習う機会がまったくないということである。

■書き方を身につける

とはいえ、業務では説明文書や技術文書は内容を理解しているエンジニアが書かなければなりません。よほど人数に余裕があって、専門職を当てられるというところでもあれば別ですが、あいにくそんなところはいまのところ見たことがありません。

では、どうしたらよいでしょうか。

普通の場合、以下のような解決方法を選択することになります。

  1. 今までやってきた技術文書の書き方を踏襲する
  2. テンプレートを制定して、それに従う
  3. プレゼン用の資料の作り方で説明資料も作成する

…etc

もちろん、プレゼンテーション用のPowerPointで制作するにしろ、あらかじめ定めたテンプレートを使用して制作するにしろ、元のベースとなるものがしっかりとしていれば、少なくとも元のエンジニアが制作したものよりは(見せるためのものという意思が入っているだけ)良い物になっているでしょう。

とはいえ、それでカバーできるのは1セクション内の構成までです。
全体の構成や、説明図をどう入れるか、あるいは説明図・表の作成方法というのは誰にも教えられないままの状態で変わりませんから、全体としての読みやすさはあまり向上しないということになります。

とはいえ、テンプレートを使用して、ワードでヘッダ・フッタを付けたり、章題を付けたりするようになると、それぞれの中身に対する理解がしゆすいものになるため、効果がないわけではありません。

ただ、全体を通しての改善には、全体を見通す編集や、そういった業務を経験したことがある人の方が望ましいのは言うまでもありません。

ただ、現在は、そういったことを教えるしくみ、教育システムができていません。
これは、理系と文系をつなく大切なところだと私は考えています。
こういった教育についてもこれから考えていきたいと思います。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所


【わかりやすいマニュアルの作り方】第181回翻訳とネイティブ

2012年8月28日 火曜日

東京の天気はとても良いのですが、沖縄では台風15号で変なことになっているようです。
できるだけ被害が少ないことを祈ります。
また、人的被害がないことをお祈りさせていただきます。

■翻訳される取扱説明書

取扱説明書は、しばしば翻訳したり、翻訳されたりすることがあります。
もちろん元の製品が、外国製であったり、また日本製品を外国に輸出したりするためです。

では、それぞれ取扱説明書の翻訳を行う場合、原文の原稿が上手くできていて、正しい翻訳ができれば問題はないでしょうか。
私の知る限りでは、これだけでは全く充分ではありません。
製品には、それを作った国もしくは場所の文化があります。文化を無視して、単純に言語を翻訳しただけだと、意味が通じないことがしばしば発生します。

一番わかりやすいのは、外国製のカレンダーを買ったときでしょうか。
カレンダーの、日曜日は共通です。また、元旦とクリスマス程度までは一緒ですが、それ以外の休日はすべて異なります。
確かに、今週の始まりが何日かということは知ることができますが、休日が何日なのかあるいはゴールデンウイークと言ったことについて、外国製のカレンダーでは知ることができないのです。それでも、デザインが優れているその他の理由で外国製のカレンダーを使用しますが、これが、外国でデザインして日本で発売されたカレンダーですと、きちんと休日が日本仕様に、書き換えられています。

こういったことは家電製品でも同じことです。
たとえば炊飯器は外国でも発売されていますが、「無洗米対応」などについてはメニューが変わっているはずです(すみません未確認です)。なぜならら「無洗米」今の所一般的な商店では日本にしかないからです。

■文化と安全と技術文書

文化および、社会は国々によって異なります。
たとえば電気製品であれば日本のような百ボルトのところもあれば二百ボルトのところもあります。二百ボルトの場所であれば安全に関する考え方は大きく異なります。
なぜなら、二百ボルトの電圧の場合、感電した場合に自分の意志で手を離すことができないからです。また、過電流が流れた場合の火事になるまでの時間だと、大きくことなります。

そのため、取扱説明書のような技術的な文書であっても、一度、翻訳された文章を、ネイティブの人に読んでもらい、できれば全体をリライトしてもらった方が、使いやすいものになります。
また、そうしないと、文章に翻訳調といった調子が残ることになります。

どういうわけかこの、大変評判が悪いです。この翻訳調を消すためだけの目的でもリライトはした方が、良いと感じています。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所


【わかりやすいマニュアルの作り方】第165回イラストは線画で作る

2012年4月10日 火曜日

いよいよ春本番になってきました。

こちらの語録ではなく、個人サイトの方に記事を書いたのですが、ちょっとした距離のツーリングにも行ってきました。横須賀の海はきれいでした。

仕事の方としても、いよいよ期が改まり、新しい仕事になっていくところですね。

■イラストを線画で描く

今回は、取扱説明書につけるイラストの話です。

弊社では取扱説明書につけるイラストは、人に見せるためのビジュアルではなく、説明の一部だと考えています。

以前にもこちらに書きましたように、弊社ではイラストにはモノクロ二値の線画を使用しています。

つまり、美しいカラー写真や、かっこよく色を使用したイラストではなく、いちばんシンプルな線だけの絵を使っているのです。見やすさとわかりやすさを優先した結果です。

また、状態によっては、本体に描かれているマークや商標などを省略することもありますし、実際よりもマークや、凸凹な道、目立つようにはっきりと描き直す場合もあります。

もうちょっと現場の人にわかりやすい書き方をすると、イラストレーターで線画を使って描いて、グラデーションなどは一切使っていません。

この線画は見やすいということはもちろんありますが、拡大縮小が自在で、ボケずに常にシャープだというメリットがあります。

■制作上でもメリット

実は、イラストを線画で描くことは制作上でもメリットがあります。

なお、「制作」というのはこの場合には印刷工程のことを指しています。

まず、とても大切なことには、このモノクロ二値のタイプのイラストは、まず印刷できないということがありません。また色ズレやボケが発生するということもありません。

ことんなこと自分には関係ない…と思うかもしれませんが、これらのことはとっても大切です。最終工程まで行って、印刷できないからイラスト全部作り直し、なんてことが起きたらスケジュールはどうなるんだろうと思うとゾッとします。

■ワードで作る取扱説明書

最近は、弊社では「ワードで作る」マニュアルというものも作っています。

これは、DTP系のアドビのソフトを使用せず、ワードによる簡易DTPだけで取扱説明書を作るというものです。DTP(組版)のコスト分だけ少し安くできることと、校正が少し楽だというのがメリットです。ただいま、実験的に作っています。

とはいえ、イラストに関してはやっぱり同様の方法でしっかり作り込みますので、イラストの点数が多くなるとやはり値段が高くなってしまうという欠点があるのですが。

このあたりの、Illustratorで画像を作ってワードに張り込むといったあたりの手順については、珍しいことをやっているわけではないので省略します。

ただ、この方法で取扱説明書を作ってみると、ワードには吹き出しなどがあって便利だなぁと思うことはあります。
このため、他のIllustratorでも使えるように、吹き出しのEPS画像を作成してしまいました。

また、説明図のイラストには、今述べた吹き出し以外に、矢印(細いもの・太いもの・上下左右に向いたもの・ひねったリ曲がったりいるもの・片方向に双方向と多種多様なものが使われます)や引き出し線が使われます。

また、こういった記号や線の後ろにちょっとだけ白い縁をつけてあげて見易くする、といった工夫も行っています。

もちろん、こんな細かい手法については説明していませんが、何気なく見てもちょっとは見易くなっているはずです。

今回はちょっとまとまりのない話になってしまいましたが、このあたりでということに。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所


【わかりやすいマニュアルの作り方】第160回販売方法と取扱説明書

2012年2月28日 火曜日

こんにちは。前回は大変失礼いたしました。
本当はお休みをしたくなかったのですが、いかにせん弊社は代表一人だけの、ミニマム会社ですので、こういったことが起こるとどうしても手が回らず、お休みせざるを得ません。

さて。今回は、販売形態と取扱説明書の関係について、述べようと思います。

■売り方の変化

変わった見出しがついてるのでびっくりされた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし実際のところ、昔のような対面販売からセルフ販売、あるいは通信販売へと販売方法が切り替わっていくにつれ、取扱説明書の重要性は、より高まっているのです。

何のことだと思われるかもしれません。無理もないと思います。
ここから順に説明していきます。

かつての主な販売方法は、商品について詳しい店員さんがいる対面販売でした。
現在でも最も望ましい販売方法だと思いますが、残念なことに詳しい店員さんを育てるにはコストがかかるため、減っている販売方法です。うちの近所では、商店街の味噌屋さんが「この季節にはこの味噌がおいしいよ。」と勧めてくれるのですが、こんなお店はほとんど見かけなくなりました。

さて、それに代わって主流となっているのは量販店などのセルフ販売方式や、それをさらに突きつめた通信販売です。

広い売り場に少数の店員さんを配置して、レジに商品を持って行きます。このバリエーションに商品カードを持って行く場合もありますし、商品を決めたら、店員さんを呼ぶという方法もあります。
いずれの場合も、これらの販売方法では販売する店員さんが詳しい知識を持っていません。なぜならば、一人一人の守備する販売エリアが大きく、商品点数も多いため、きちんと商品知識を教えようとすると、教育コストが多くかかるためです。

さらに、通信販売の場合には店員さんはいませんから、すべてを本やサイトの「説明」で商品を理解してもらわなければなりません。
勘違いした理解をされてしまうと、後でクレームの元となります。

■売り方と取扱説明書

さて、それでは取扱説明書は売り方の変化とどうかかわってくるのでしようか。

スムーズに買い物をする場合は、さほど影響を与えません。

問題はお客様が迷っているときや、よくわからずにそのまま買って帰った場合です。

商品のカタログ・パンフレットやチラシは店に置いてあります。しかし、これらは商品の良い点ばかり書いてあるため迷っているお客様にとっては、決定的な商品差別化のポイントを見つけるのにはあまり向いていません。

もちろん、それだけ強烈な個性を商品に付けられるのが一番ではありますが、それよりも、自分の商品が誠実であることを説明しようと思った場合、取扱説明書は強い武器になります。
商品のカタログ・パンフレットやチラシと同時に店に一部で良いですから、自由に参照できる取扱説明書があれば、使い道や商品の目的などを間違えることは大幅に少なくなるでしょう。

そうです。
店員の知識不足をメーカーから提供する取扱説明書でカバーしてしまおうということです。

■取扱説明書が役に立つ例

簡単な例で示します。

洗濯機を買おうと思った場合、大きく分けて、縦型洗濯機と横型のドラム式の二種類があります。
今の縦型洗濯機の場合、乾燥機能もついていて、ドラム式と大きな違いはないようにスペック上では見えます。洗いから乾燥まで全部の機能を洗濯機が行うことができます。

しかし実際には、縦型洗濯機は洗濯時間が短く、洗浄力が強いなど、外干しができる環境で使うのに適していて、ドラム式は洗濯時間は長いものの、乾燥まで全部の工程を洗濯機が行うのに適しているといった差があります。

こういったことは、丁寧に商品のカタログ・パンフレットを読み込んでいけば情報を見つけることが、できないわけではありません。

しかし、取扱説明書が置いてあれば、洗濯時間の差などはぱらぱらとめくってみるだけで一目瞭然です。

これらの違いは特性の違いというべきもので、目的に合わせて選ぶと最大の効果が発揮できます。どちらが優れている、というものではありません。

小さなお子さまがいて、おむつの洗濯を、大量にしなければならない場合には洗濯時間が短い。縦型を選択した方が、よい結果が得られますし、若い夫婦で二人とも会社に行っている場合などは帰ってくると、洗濯が終了しているドラム型の方が適しているでしょう。

これらの場合に逆に選んでしまうと「何か使いにくい」という結果になります。

ちょっと使いにくい程度で済めばいいのですが、場合によってはクレームにつながることがあります。クレームは起きる前に予防が一番です。

クレーム対応についても取扱説明書は役にたつのですが、それはまた別の機会に。

弊社はこういったことを考えながら、取扱説明書を提供させて頂いております。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所


【わかりやすいマニュアルの作り方】第152回よくあるレイアウトについて続き

2011年11月22日 火曜日

今回は、前回の続きです。

ここではよくある例を挙げてみます。見出しは以下のように設定されているとします。
■大見出し ●中見出し ◆小見出し

前回提示したよくある例は以下の通りです。
■設定
●初期設定
小見出しは略
●機能設定
◆画面設定
◆サウンド設定
◆操作設定
◆通信設定
◆セキュリティ設定

それに対して、弊社の修正提案の内容は以下の通りです。
■初期設定
小見出しは略
■機能設定
●機能設定の入り方
●画面設定
●サウンド設定
●操作設定
●通信設定
●セキュリティ設定

実際のところ、上のような例はとても数多く見られます。
では上の例ではどこが問題なのかについて説明していきます。

最初から答えを書いてしまうと、機能設定以下のレベルの見出しが、レベルが低すぎるということです。

レベルが低過ぎるとどのようなことになるかというと、デザインにもよりますが、読者はレベル3以下の、見出しのブロックをそれぞれ「別のもの」とは認識しません。
そういう意図とで作っているなら良いのですが、「設定」という製品の仕様に縛られて取扱説明書の内容をそのまま作ったのであれば、読者は混乱することになります。

もちろん、この例はわざわざそのように書いたのですが、同じ「設定」の項目であるからといって「セキュリティ」と「サウンド」を同時に、まぁせいぜいのところ続けて設定したいと考える人がどれだけいるでしょうか。
自分はそういった人はごく少数だと考えています。
「セキュリティ」の設定をするときは、「セキュリティ」だけを。
「サウンド」の設定をするときは「サウンド」だけを。
それぞれ設定すると思うのです。

「サウンド」の設定と一緒に「画面」を設定するかもしれないし、「セキュリティ」の設定と「通信」の設定は一緒に行うことはよくあります。しかし、それでもページ単位で独立していた方が探しやすくなることは間違いありません。必要であればそれぞれの参照ページをつけておけばすみます。弊社ではむしろそういういった作り方を推奨しています。

■取扱説明書制作は理念

取扱説明書は製品に付属している製品を、分かりやすく使うための部品です。
ページを切り詰めることよりも、お客様が機能を使おうと思ったときに使いやすくする。製品を構成する部品にコストダウンを優先して安いものを使って、製品が使いにくくなる。それでは製品全体の評価を落としてしまいます。
それと同じことです。

わかりやすく使えなければ、取扱説明書は存在の価値がありません。
機械、製品の仕様に従って取扱説明書を作るのは間違いではありませんが、より良い作り方があります。
お客様の使い方を考えて、それにしたがって取扱説明書を制作するべきです。
弊社では、このような理念に基づいて取扱説明書を制作しております。
良い製品を提供して、お客様に喜んで頂きたいメーカー・販売会社の皆様、弊社の取扱説明書を試してみませんか?

弊社では、福祉用品・生活雑貨・電子デバイス・機械設備等々、さまざまなジャンルの取扱説明書を承っております。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所


【わかりやすいマニュアルの作り方】第151回 文字組とわかりやすさ

2011年11月15日 火曜日

前回でこの【わかりやすいマニュアルの作り方】も150回を超えていたのですね。
自分ながら驚きです。
一応はとついてしまうものの、仕事のネタだけでこんな回数を書けるとは思っても見ませんでした。

最初は2008年6月30日ですから、4年とちょっと続いているということになります。
最近は、ここの内容を使って取扱説明書制作-または既存の取扱説明書の修正のコンサルティング゛も手がけようかと思っています。

■文字組とわかりやすさ

さて、本文です。

今回はとりあえず、現在社内などで取説を作ることになっていて、既存のものがわかりにくいという人向けです。
はい、タイトルの通り文字組を見直して見てください。そして、その取説のすべてのページに同じスタイルを適用してください。それだけで(と言ってもページ数によっては結構な作業量です)その取説はぐっと見やすくなるはずです。

■本文と見出し

「本文は文字が大きいほど見やすくて分かりやすい」ははっきり申し上げまして嘘です。
文字は意味のある一固まりずつにまとまって、それを論理だって並べてなければ意味はとれません
まずは、機械的に意味のあるブロックごとに見出しが付いていることを確認してください。
次に、ワープロであれば、以下のルールに従ってそれぞれの見出しと本文を書式設定してください。

  • 大見出し/レベル1見出し
    太いゴシック14pt以上
    見出しの前に改ページする(できれば自動で)
    この内容は「インストールする」「設定する」「使い始める」といった大きな区切りです。これより意味的に小さい内容の見出しが「大見出し」になっていたら、その見出しはレベルを「中見出し / レベル2見出し」に落としてしまってください。
  • 中見出し / レベル2見出し
    太いゴシック12pt以上
    段落罫線などで、ページをいっぱいに区切る。
    視覚的に、ブロックが認識できるように設定する。
  • 小見出し / レベル3見出し
    本文と同じフォント。太字、インデントなし。
    このレベルの見出しはなくても良い。
    むしろ小見出しが多いということは、見出しレベルの設計を、中見出しにならないか見直ししてみるとよい。
  • 本文
    2~4文字分のインデントをつけてください。
    このインデントの目的は「見出しと本文が違う」ということを明らかにするためです。 多くの素人さんが作成した取扱説明書はここができていない場合がしばしば見られます。
    見出しと本文があまり違わず、気軽にa. b. 1. 2. …などと付けてしまった結果、大幅に検索性が落ちるというか、自分がどこにいるのかすらわからなくなるという事態に陥ってしまうのです。

上の方で小見出しの項目で見出しレベルの再設計を考えた方が良いと書きました。

■よくあるレイアウトについて

ここではよくある例を挙げてみます。見出しは以下のように設定されているとします。
■大見出し ●中見出し ◆小見出し

以下に、よくある例を示します。
■設定
●初期設定
小見出しは略
●機能設定
◆画面設定
◆サウンド設定
◆操作設定
◆通信設定
◆セキュリティ設定

こんな感じで書かれているものをよく見ます。
実際、これの何処に問題があるのか、と思われるでしょう。

デザインにもよりますが、レベル3である小見出しは、論理的ブロック内の区分けです。つまり、画面と操作と通信とセキュリティの設定は「すべて同じ論理的ブロックに含まれる」ということです。
これだけの膨大な内容を一つのブロックとして理解するのは、普通の人には困難なことです。人が一つのブロックとして理解できるのは1つかせいぜい2つの見開きまでです。8ページも10ページも同じ中見出しの文章があったら、それは見出しの設計がおかしいです。
たとえ、仕様書の設計がそうなっていても、従わなければならない理由はありません。見出しの設計から見直すべきです。

上記の例は、こう設計すべきところです。
■初期設定
■機能設定
●機能設定の入り方
●画面設定
●サウンド設定
●操作設定
●通信設定
●セキュリティ設定

こういった見出しの見直しをして、きちんとフォーマットしてやると、テキストの修正をしなくても見違えるほど見やすくなる場合があります。
この項目は長くなってしまったので次回に続きます。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所


【わかりやすいマニュアルの作り方】第119回 読んでもらうには見掛けも重要 その2

2011年1月25日 火曜日

すっかりお正月気分もぬけ、いよいよ新しい年の仕事へと気合を入れ直しているところです。
いままでは「取説屋にはどうやって依頼するの?」とか「いくらかかるのかわかりにくい」といったことに対応ができていないことに気がついたので、サイトのほうにも少しずつですがまた手を入れていく予定です。

■見せ方をととのえる

さて、本題です。
と書いたところでもう少しだけ続けます。

本サイト(マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所)についてです。
以前は、サイトを全部自分作っていました。デザインは適当なテンプレートで、アイコンなどの画像はWebや素材集でやはりいい加減に見繕って配置していました。
それでも、最初は自信がありました。なぜなら私はライターであり、書く文章の内容はプロの書くテキストだったからです。

しかし、これは結果的にうまくいきませんでした。
当然のことで、読者のことを考えていないため読みにくく、そもそも読んでもらえなかったためです。
しかし、最終的にそれらのテキストは細々とサルベージして、現在のサイトの中に組み込み、読んでいただいているようです。

ですから、見せ方にはしっかりと整える必要があるわけです。

■取扱説明書の図について

本題に入る前に、以下の3種類の図を見てください。

ScrewPhoto ScrewPhotoKirinuki ScrewIllusrt
写真 写真キリヌキ 線画イラスト

これらは、左の元画像から作成したものです。

■取扱説明書で写真を使う

今回は、取扱説明書で写真を使う場合の話をします。

一般的に「とりあえず取扱説明書を作ってみよう」という初心者の方はそのまま写真を張り込んで、よしとする場合があります。

はっきり言いますが、これでは駄目です。

写真は大変に情報量が多いものです。本ブログは写真のブログではないので、詳細なことは書きませんが、写真は光の方向・明るさ・レンズ・絞りなどのさまざまな情報をもっています。
また、背景が四角く残り、たとえその背景が白やグレーの無地であったとしても、結構気になるものです。
写真を撮影した人がプロの写真家で、商品を中心とするというコンセプトの上で、それなりのスタジオで撮影したものならそれで良いかもしれませんが、実際には背景やメッキの表面に余計なものが映り込んでいたりします。
これらは、説明しようとする製品について必要な情報ではなく、雑音(ノイズ)に他なりません。

次に、写真から製品だけをキリヌキ加工をした場合を考えてみます。
この処理はフォトショップなどのソフトを使えば、比較的容易にできるようになりました。
写真から製品だけをキリヌキ加工した場合は、背景はなくなるため、かなり見やすくなります。
これが不要な情報を削減するということです。

■取扱説明書にはなぜ線画を使うのか?

弊社で作成する取扱説明書は、ほとんどの場合、説明図はほとんど線画を使用しています。
線画を使用するメリットは、すでに写真のところで書いたことと重複しますが「線画は情報量が少ない」ことです。

線画には、ライティングも陰影もありません。そのかわりに製品の色を見せることはできませんが。

その分、「説明したいことに集中して見てもらう」ことができるようになるのです。

もうひとつの理由は「線画は加工が容易」ということがあげられます。
上の3つの図を見ていただきたいのですが、アダプターネジの写真には「K」の文字が浮き彫りになっています。
この文字は「どのアダプターを接続するか」を見分けるために必要な情報なのですが、写真から見分けるのは難しいです。それに対して、右側の線画では「K」の文字を黒ベタに設定することで、お客様に必要な情報を丁起用できるようになりました。

ただし、デメリットとしては「作成が難しく、手間がかかる」という点があげられます。
一部の修正だけならば線画の方が楽な場合もありますが、悩ましいところです。

簡単に線画のメリットとデメリットをあげさせていただきましたが、弊社ではできるだけ線画の使用をおすすめしています。
もちろん、作図も弊社で゜承っております。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所