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【わかりやすいマニュアルの作り方】第161回ユーザーサポートと取扱説明書

3月になり、ようやく温かい空気が流れるようになってきました。近所では梅のほころんだところもあるようです。

今週はまだうちのなかが落ち着かないため、個人営業の取説屋としては、さすがに時間が取れず、このブログの更新が遅れてしまいました。申し訳ありません。

■取扱説明書とユーザーサポート

よい取扱説明書を製品に添付すると、ユーザーサポートへの問い合わせが減ります。

「よい」の定義はなかなか難しい部分がありますが、なにより取扱説明書の本来の目的である「使い方を迷うことがない」ことがしっかりできていることが必要なのは言うまでもありません。

どうして問い合わせが減るのか、という点については「取扱説明書を見れば必要なことが書いてあり、問い合わせの必要がない」ため、いままで発生していた問い合わせがなくなるということです。

簡単なことに思えるかもしれません。しかし、「よい取扱説明書が添付されている」ということは、「疑問の発生が抑えられる」ということです。これまでのように「疑問があるからユーザーサポートに電話」の電話の部分が取扱説明書を見るということに切り替わるというのとは少し異なるのです。

■疑問の発生を抑える

ものを製造している会社であれば、トラブルは「発生した後の対処」よりも「予防」の方が重要だということはご承知だと思います。

これは取扱説明書の場合にも同じことが言えます。

「よい」取扱説明書には「ユーザーがやってはいけないこと」「行えば壊れる操作」が書いてあるわけです。
さらに「メンテナンスを行うタイミング」や、「不調のきざし」といったトラブルの初期段階で示されていて、重大事故になるまえに警告を与えることができます。

取扱説明書は、紙という性格からして、ユーザーにムリヤリ読むことを強制することはできません。疑問に思ったときに見てもらうのができる最大のことです。

製品に付けるラベルの注意書きではもう少しだけ効果的な注意ができますが、それでもなお限度はあります。

しかし取扱説明書は、読んでもらえさえすれば。(このあたり、ちょっと悲しいですが)

この製品は「どういう目的」で「どんな場所・時」に使うことを想定しているかは分かります。そして「こう使って欲しい」ということまでは…伝えたいと思っています。

これだけのことが伝われば、「故障」は発生しても、重大なトラブルひいては事故の減少につながります。

弊社は、こういうことから取扱説明書で世界の役に立てることを考えながら制作しております。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所


【わかりやすいマニュアルの作り方】第149回 安全装置について

木枯らしの第一号も吹いていったん寒くなったかと思いましたが、また夏日が来るとかいう気候でどうなっているのでしょうね。恐らくは、太陽活動の変化などによるもので、人間の活動とはあまり関係のない気候の変化だと思いますが、急激な変動は暮らしにくくなって大変です。

さて今回は、少し個人的な事柄から入ろうと思います。…実は、普段使っている二輪車を買い換えました。
今まではスズキのアドレスV100、これが同じくスズキのEN125に。

シート下のヘルメット入れが無くなったとか、スクーターからギア付きのオートバイになったとかいろいろ編かはあるのですが、それ自体ではなく周辺の話からです。

■盗難防止器具の外し忘れ

実は今までアドレスでは、ハンドルロックとカバーしかしていなかったのです。

カバーをめくってみると、20000キロ近く走ったボロいスクーターが出てくるのでは、盗む方もやる気が起きなかっただろうとは思いますが、本来はもっときちんと防犯対策をすべきところではありました。まあ幸い、盗まれたりいたずらされることはありませんでした。

しかし、今度は新車(正確に言うと二千キロ走っていない新古車)なのと、ショップでつける盗難保険に「チェーンなどの施錠をすること」ということが条件として記載されていたため、チェーンロックを付けることにしました。

そして、付けた翌日、早速やってしまいました。

チェーンを外し忘れて、そのままエンジンを掛けてスタート…

幸い、チェーンの長さがあったのと、移動した距離が1メートルほどだったので、ガツンとぶつかる前に停止することができました。はっきり言って僥倖以外の何者でもありません。

ちなみに、多数販売されているオートバイ用のブレーキロックやミナU字ロックにはどれもこれも「外し忘れに注意」という注意書きがついている。これは、逆に言うと外し忘れが如何に多いか、ということを証明しているようなものです。

これを個人責任というのはどうか、とちょっと思います。ある意味、商品に問題があるといえるかもしれません。

■組み合わせによるセイフティ

話はチェーンロックに戻ります。保険の関係上からも、問題があるといっても、ロックをしないわけにはいかないわけです。

ところで、普段使っているバイクのカバーには、チェーンロックを通すための穴が開いています。この穴はチェーンロックを外側から通し、カバーを外せないようにするためのものと認識していました。

しかし、視点を変えてみると、これはチェーンロックをしたまま走り出すことを防止するために最も優れた方法であるとも言えます。

これはどういうことかというと、
チェーンロックを外さない限りカバーを取ることができず、どうやってもまたがって走り出すことはありえない。
ということになるわけです。

こういうシステム構成をフールプルーフといいます。一時置いておくだけで、チェーンロックだけをかけてカバーをしないという状態は、自分の場合ではまず考えられないため、大変安全度の高い方法といえます。

最後に取扱説明書の話に戻しますが、弊社ではシステムとして「こういう方法であれば安全」という方法と、「こういう設定もできるが危険がある」という場合は、手順としては安全な方法のみを記載し、それ以外の方法は追加的な一覧などのところに記載して、あえてその方法を選択しなければ、危険な方法にならないように記載しています。

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【わかりやすいマニュアルの作り方】第144回 データナンバリングとバックアップ

 

今回はデータのバックアップと二重化についての話をします。
弊社では、というよりも自分の仕事のスタイルとして、バックアップを必ず残すということは、ポリシーというよりも基本的な仕事スタイルとしています。

■バックアップについて

バックアップを取るのは、ハードウェアやOSのトラブルで読めなくなることを警戒してですが、実はデータを失うときはむしろそういったトラブルよりも人為的なミスでデータを消す…もっとはっきり言えばデータを空にして元データを上書きしてしまうことです。
システム的なトラブルには大体の場合は予兆があります。システムが、滑らかに動作しなくなったり、今まで見たことのないようなエラーが表示されるようになったり、あるいはハードウエア的に変な音がする、といったことも含まれます。
ですからこういったことに気がつけばその時点でバックアップをもう一度取るといった対策をすれば、ある程度までは損害を防ぐことができます。
もちろん、ある日突然起動しなくなる。といったことはありますかせ油断は禁物ですが。しかし、それよりも恐ろしいのは、ファイルを開いた状態でうっかり「すべてを選択」して、EnterとかSpzceキーを押して、Ctrl-Sを押してセーブしてそのまま終了してしまうことなのです。
なぜ、終了してしまうまでを含めているかというと、終了さえしていなければまだCtrl-Zで操作の取り消しをしていけばデータの復帰が出来る可能性があるからなのです…
もちろん、その結果は数バイトのサイズのファイルが残るだけです。
手の施しようもない悲劇です。

■データナンバリングについて

弊社では、数週間から一カ月、場合によっては何カ月にもわたって同じファイルを書き直して原稿を作成していく場合があります。
まあ、一週間に一度は、ハードディスク全体のバックアップを取っているので、前記のようなトラブルが起こったとしても、最悪先週のデータは残っているということにはなりますが、仕事をする上では致命的と言って良いレベルの大惨事でしょう。
しかし残念なことに、この悲劇を完全に防ぐことはできません。
そのため、長く同じファイルを使い続けているということは、日数が伸びるにつれ統計的に内容を失う確率が高くなっていくわけです。
そして、納期が厳しい最終日近くに一週間前のバックアップに戻されたら……泣くに泣けません。納期が近くなった場合には、多くの場合、メールでファイル送ったりして、結構バックアップがとれている場合もあります、しかしそんな偶然に頼るわけにはいきません。
そこで、筆者は毎日同じファイルを使う場合は、当日の朝、そのファイルのコピーをエクスプローラーで作成して、「ファイル名に」その日の日付をつけるようにしています。
当然ながらファイルを新規作成するときも、作成日をファイル名に含ませています。

例:
file20110912を使っている場合

コピーすると↓のファイルができる。
“file20110912のコピー”

ファイル名を変更する。
“file20110913″ ←ファイルの操作をした日付

そして、実際の作業はこのファイルを開いて行います。
こうすることにより、たとえ何らかのミスが発生してファイルの内容が失われるトラブルが発生したとしても、「昨日作成したファイルまでは残っている」ということになるからです。
ただし、ファイルがたまっていくことになりますから、適当なタイミングで整理をする必要はあります。
もちろん一日分の作業が失われるのはとても痛いことですが、それでも一週間分の作業が失われることに比べると断然ましです。

■もう一つのメリット

さて。

実は、このように履歴を取ってデータを残しておくことは、バックアップの安全性、という視点だけではなく、他にもいくつかのメリットがあります。
一つめは、やはり安全性です。
弊社のような仕事では、一つのファイルを元にして似たような内容のファイルを作ることがよくあります。
こうした時に、最新のファイルをもとに新しいデータを作ると、「ついうっかり」最新のファイルをテンプレートとしてしまうという事故が起こります。
しかし、履歴がとってあれば、2~3日前のデータを使えば「そんなに内容に違いはない」ですから、安全にほぼ最新データからテンプレートを作成できます。
ちなみに、最初の段落で書いた「内容の全消し」というのはこの作業で起こったことでした。
話がそれました。
このような形の履歴を取っておくことのメリットですが「変更依頼に対応しやすい」というメリットもあります。
取扱説明書制作の仕事では、ある程度までできた時点でクライアントにチェックを依頼します。デザイナーさんなんかも、同じような仕事ですね。
そしてクライアント参加の指示や意見に従って最新版から調整を行います。
これで、一方向に進んでいけばことは簡単なのですが、ときどき「前の方がよかった、前のみたいに直してくれ」という意見が出てくる場合があります。
こうした場合、履歴のデータがとってあると、とても助かるのです。
もちろん新しく作ることはやぶさかではありませんが、それでも納期がきついときには、データがあると助かることは変わりありません。

ということで、同じファイルを更新し続ける場合、このように日付をつけた新しいデータを前に作ることは、大変お勧めです。

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【わかりやすいマニュアルの作り方】第132回 注意書きの作り方

今回は注意書きの作り方について説明します。

取扱説明書は、一般にその製品の、正しい使い方と「使ってはいけない使い方」について説明します。

ここまで説明してきた内容ではほとんどが「正しい使い方」の書き方について説明してきました。
しかし、正しく扱っていても刃の部分に手を当てると危険なものや。熱くなるものは数多く存在します。
これらの製品は、決して欠陥製品ではありません。正しくは使えば怪我をしない。
間違った方法で取り扱えば怪我をする。当然のことです。

それだけに、やってはいけないことについても、はっきりと書くことが、必要になります。

■普段とは逆のことを考える

以前にテストの項目で書きましたが、禁止事項(危険なこと)および注意書きについては、自分の経験と想像力がものをいいます。

正しい手順を確認するのにも、技術的な素養が必要です。

しかし、「正しくないこと」を明記しこれをやってはいけないと書くためには、その正しくないことを想像する能力が、必要になってくるのです。

そのためにはどのように考えたらよいかを紹介します。

■やってはいけないことを調べる

一番簡単なのは、やってはいけないことを調べることです。

既存の取扱説明書の注意書きや、過去に書いたものを流用するといったことが代表的でしょう。

しかし残念なことに、この方法は今まで自分のやったことのないジャンルのものには使えないという問題があります。

次に、メーカーの人や販売の人に、今まで何か問題がなかったか、を聞いてみる、という方法があります。

これは、優れた方法です。
メーカーでは、かなりの部分のトラブルについて把握しています、したがって問題点についてもわかっている場合が多いです。しかし残念ながら、メーカーとしてはそれはまさしくやってほしくないことのため、情報が止まってしまう場合があります。
特に実際に事故になった事件などについては、メーカー担当者さんの口が重くなる傾向が高いです。まあこれはやむを得ないことですね。

では、「やってはいけないこと」というのはどのようにしたら、調べられるでしょうか。

簡単なのは「商品名」+「事故」や「トラブル」としてウェブで検索することです。
ただ、これはあまり効率がよい方法ではありません。有名な事件があれば何度も重複して出てきますし、小さくてすんだ事故については検索にかからない場合があるからです。

実は、筆者のお薦めとしては、公的機関が公開している「事故情報データベース」にあたってみることです。
NITEはもちろん、各種の団体が数多くの事故情報を公開しています。
これらのデータベースで、「商品名」で検索をかければ、かなりの数の事故情報が出てきます。

ここで表示された事故情報に目を通すと、事故の原因に幾つか共通するものが見えてきます。
たとえば、熱くなる機器であれば、不注意で触ってしまった、子どもが触った、ちょっとした時に席を外したら出火したといった具合に、同じような傾向が見えてきます。

ここまでがやってはいけないことに関する、事前調査です。

これを基に、実際の製品と合わせて注意書きを作成していくといった手順になります。

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【わかりやすいマニュアルの作り方】第125回 テストについて

雪が降りましたね。季節外れでびっくりです。

さて。

今回はテストについて書きます。
え、なんで取説屋なのにテストと思った人、甘いです。
実は取説屋の仕事は書くことは三分の一くらいです。
より大きいのは、事前の取材と実物に対する調査と試験です。
取材については別の回に譲るとして、対象となる商品の試験について書きます。

■テストとは

当然ながら試験は対象となる商品によって方法は全く異なりますが、基本的にはクライアントさんから受け取った資料、場合によって仕様書であったり、パンフレットであったり、旧モデルのマニュアルであったりします。
というのは建前で、何も資料がない場合もあったりするのですが…
それはともあれ、まずはそういった資料を基に、試験を開始します。
試験はほとんどの場合、セットアップや使用前の準備から始まります。

■大切なのは「使う準備」

ユーザーはこういった操作を普通一度ーあるいはシーズンに一度しか行いません。でも、ここでうまくいかないと、その商品を全く使えないといったことになります。
普段の使用は、たいがいはルーチンワークです。そういった作業は間違いにくく、簡単になっています。まぁ正直なところ、毎日使うものがめんどくさかったら買い換えてしまうと思いますが…

ということで、使用の準備やセットアップ、ソフトウェアの場合はインストールを繰り返すことになるわけす。
ちなみに、ソフトウェアの場合は結構難しいことが多く、dllやフレームワーク、あるいはDirectXといった環境をインストールするので、完全なアンインストールができず、クリーンインストールのやりなおしなどはとても手間がかかることもしばしばです。

■テストに悪ずれを持ち込まない

さて、私たち取説屋がこういった試験をするときは、常に心がけていることがあります。
それは、「悪ずれをしない」ということです。
私たちは、実際のところを言えば、様々な商品を扱ってきたプロです。また、技術者でもあります。簡単な結線や工具を使って組み立てたり、ソフトにしても簡単なマクロを組むぐらいのことはできるわけです。
でも、それだけに「慣れ」は大敵です。
「ああ、ここのすきまはちょっとくさびで持ち上げといて」…ダメです。
一般のお客様はそんなことをしません。
組み立てている途中にバランスが崩れたらそこで作業が止まるのが普通です。
「悪ずれ」していると、これを見落としてしまいます。
「ああ大丈夫」で書いてしまうと、バランスをとって組み立てるのが恐ろしく難しいのを平気で書いてしまうことになりかねません。
きちんとしようと思えば、組立開始前に「ささえを用意する」か「2人で組み立てる」といった記載が必要なのに、これを落としてしまうのです。
これでは「わかりやすい取扱説明書」は作れません。

■ギャップを埋めるもの

「一般ユーザーの視点で」というのは言うのは簡単です。しかし、自分の技術者としての技術が上がっていくにつれ、かえって一般ユーザーの立場から離れてしまうのです。
では、そのギャップを埋めるのは何かというと2つあります。
1つめは、先ほどから書いているように、悪ずれをしない「注意力」です。見落としがなければ、とばしたりすることは減ります。
しかし、じつは一番大切なのはもうひとつです。
それは「想像力」です。

■想像力は無限に

椅子を考えたとき、普通は「座るためのもの」と考えます。
私たちのような取扱説明書を仕事にしている人は、次に「この上に立って踏み台として使う」ということを考えます。
でも、知人のマニュアル制作者はもう一つ先のことを見ていました。
「子供が飛び降りて遊ぶかもしれない」
これは正直すごいと思いました。彼は「子供がそういう行動をするのを常日頃見ていたから」と謙遜していましたが。
「お客様の立場で考える」
言うのは簡単です。しかし、どこでも飛び跳ねる元気な子供や、力が弱くなって目も悪くなったお年寄りのことも全部考えて、必要な範囲はどこまでかを決めて反映するということには、たいへんな「想像力」を必要とします。
ぞういった想像力は今の自分でも足りないと思っています。
人生は修行と言いますが、こういった想像力はまだまだ鍛える余地があります。これからもがんばっていこうと思います。

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【わかりやすいマニュアルの作り方】第121回 取扱説明書をつけて製品の売り込みを

今回は、ビジュアルの話をいったん中断して、取扱説明書の現況について書きます。
実はということではないのですが、流通業界の方にお話しをうかがってきたのです。
いままで漠然と「たぶんこうだろうな」と思っていたことの裏付けが取れました。
いや、正確に言うと、予想を遙かに超えていましたが。

■取扱説明書の現況

さて。

あまりにもショッキングだったので、そのまま書きます。

取扱説明書のついている売り込みなんて見たことがない。

呆然。としか言いようがありません。
「いやぁ、そぅかなぁ」とはうすうす考えてはいたものの、事実としてそういうことを聞くと、少々凹みます。

さらに続けて、バイヤーさんから見た取扱説明書のことを聞いてみました。

ついてるのを見たことがないから考慮したことがない。

当然です。さすがに、電器製品の一部についてはついているようですが、それ以外のほぼすべて、組み立てが必要なものも、回転や折りたたみと言った動作部分のある製品でも、全くないとのことでした。

こうした現況を踏まえて、取扱説明書をどうとらえるべきか、ということなのですが…

非常にぶっちゃけたことを書きますと。

安全に配慮したしっかりした取扱説明書が着いていると、売り込みに有利です。

取扱説明書が着いていないのが標準というのが現状であれば、メーカーの方は「しっかりした取扱説明書が着いています」ということは明確な売りにできます。

メーカーから取扱説明書がついた商品を提供することは、メーカー・バイヤー双方にとって大きなメリットとなるのです。
主なメリットは以下の3つです。

  • 商品の信頼性が高まる
  • 販売側のコスト削減への協力ができる
  • 販売側の納期改善への協力ができる

■商品の信頼性が高まる

しっかりした取扱説明書を付けることでその製品の「信頼性」や、「安全に対する配慮」を販売店にアピールできます。

商品の機能については、カタログ・パンフ・仕様書には掲載しきれない情報を記載できるメリットがあります。
「ここはどうなの?」と聞かれたときに、実物がなくても取扱説明書があればかなりの部分が答えられるようになります。

■販売側のコスト削減への協力ができる

現状のメーカーさんは、製品を作ることに手一杯でそこまで意識が回っていないのかもしれませんが、動く物や組み立てるものは基本的に取扱説明書が必要です。
消費者基本法やPL法といった話をする前に、商品には取扱説明書が着いていないと販売できないからです。
謎の部品が入った箱が届いて、組み立てる手順がわからない…誰がそんなものを買ってくれるでしょうか。
昔ならともかく、今はネットでの口コミがある時代です。「取扱説明書が不親切どころか、ついていない」という評判があっという間に流されてしまいます。

ではどうするかというと、結局は販売側で取扱説明書を制作することになるわけですが、制作には当然コストがかかり、そのコスト分は販売側が負担しているわけです。この部分をメーカーが負担することで、売り込みは有利になります。

取扱説明書の制作費をメーカーが負担することにはなりますが、その結果として複数の売り込み先で有利になれば、コストは十分回収できると思います。

■販売側の納期改善への協力ができる

さらに、メーカーさんから見えない点だと思いますが、納期の問題があります。
実は、こちらの方が問題が大きいかもしれないのです。

販売側では、一度に大量の商品がきます。そして、そのどれにも取扱説明書が着いていない以上、全部の取扱説明書を短い時間に集中的に作らなければいけません。

自分がゲームメーカーで取扱説明書の担当をやっていたときは、クリスマス・お正月のシーズン前に新作・移植あわせて十数本が同時に走り、1ヶ月くらいで終わらせなければならないという状態になりましたが、それと同様のことが発生するわけです。

ここで、メーカーさん側から取扱説明書の提供があれば販売会社としては、追加すべき内容があれば既存の問い合わせ先のペラを一枚いれるだけですみます。
さらに取扱説明書をデータで提供している場合は、一部を修正するだけで、取扱説明書を制作する期間をとらずに商品をすぐに販売できることになります。

そして、納期ギリギリで大量の受注がある場合、問題が発生する可能性が高くなることは、どの業界でも同じです。
メーカー側から取扱説明書を提供することで、こういった問題は多少なりとも軽減できるようになります。
メーカーさんで製品ができる時期は販売の時期に比べるとあきらかに分散しています。

■最後に

弊社石井ライティング事務所としても、実は販売・輸入の会社さんから依頼されるよりも、メーカーさんから取扱説明書を依頼される方が仕事がやりやすかったりするのです。
理由は簡単で、「製品を作ったエンジニアさん・・職人さんから直接話を聞いて取扱説明書を作れるから」です。

代表は、エンジニアくずれですが、技術が大好きなのです。ぜひ、そういったお話を聞かせていただいてビジネスをさせてください。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所


【わかりやすいマニュアルの作り方】第116回 取説を使うシーンは?

びっくりするほど早く季節が過ぎていきます。
今年の秋は大変に短かったですが、その秋が過ぎると、もう年末です。

■取扱説明書を使う2つのシーン

今回は、取扱説明書の外側の話をします。
外側というのはほかでもない、表紙、背表紙、裏表紙のことを指します。

「これらが、取扱説明書は使うシーンとどういう関係があるか?」と疑問に感じることと思います。

それが今回のポイントである、「取扱説明書を使う2つのシーン」です。
普通に考えると、取扱説明書を使うのは買った直後をイメージすることと思います。
実際、取扱説明書を制作するときも、購入直後をイメージして制作する場合が多いです。
しかし、実は取扱説明書を使うシーンはもうひとつあるのです。

■「困ったとき」に開く取扱説明書

はい、その通りです。取扱説明書は、困った時に開くものでもあるのです。
そう考えると表紙、背表紙、裏表紙の重要性がよくわかります。

私たち取扱説明書をいう制作する者は、だいたい取扱説明書の内部を検索できるように考えて作ります。
しかし、残念ながら取扱説明書が複数並んだときにその中から目的の取扱説明書を取り出すための検索性についてはあまり考えることが、正直ありませんでした。

もちろん、メーカーさん以外には同じシリーズを製品の取り扱い説明書がずらっと並んでいるといった場合は考えにくいです。
しかし、そうでなくても、取扱説明書をきちんとファイルしてある場合に、目的とする取扱説明書がすぐ探し出せなければ機能として不十分だということになります。

困ったときに取扱説明書がどれだかわからないでは困ります。
だから表紙には、大きく製品名を書くことはもちろん、製品のイラストと型番を記載します。
製品名には、正式名称以外に愛称やシリーズ名なども書いた方がよいでしょう。

そして、もうひとつ。
そっくりな2機種がある場合には、製品本体のどこに型番が記載されているかを、表紙のイラストに書いておくとよいでしょう。
筆者は、2つの見たところそっくりで、機種の違う無線ルーター2つを前に途方に暮れたことがあります…。

■もちろん本体の注意書きも

本体の型番や製造番号の記載されたシールなどもわかりやすくしておくことはとても大切です。これらの記載場所を取扱説明書にも書いておくのも良いでしょう。
もちろん、すぐにわかる場所に。

これは、取扱説明書を使用するためだけではありません。製品の無償修理や回収といった問題が発生したときには機種名と製造番号-生産ロットが重要になるためです。
製造番号がわからないと、同じ型番でのロット違いに対応できないのは言うまでもありません。

取扱説明書や型番・製造番号はトラブルが起きたときにこそ必要になるものです。
いざという時への備えはしっかりしておくにこしたことはありません。
かけ過ぎにならない程度のコストをかけて。

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【わかりやすいマニュアルの作り方】第115回 安全のために読みやすい取扱説明書を

ごく短い期間の秋が過ぎて、急に寒くなりました。
もう師走です。年末の準備が忙しくなって参りました。

■取扱説明書に必ず書いてあること

さて、本論です。

取扱説明書や注意書きは、書いてあるだけでは意味がありません。
どちらも読んでもらえないと意味がないわけです。
技術的な話になりますが、取扱説明書には、表紙には「製品名」と「取扱説明書」、そして「この取扱説明書をお読みになった後は大切に保管してください」と必ず記載しています。

さて、これらは別に「とりあえずみんなそう書いてあるから」書いてあるわけではありません。実は「製品安全」のために記載されているのです。
こういった記載が必要とされるのは以下のような流れによります。

  1. 製品を安全に設計・製造する
  2. それでもカバーしきれない危険について、取扱説明書に記載する

取扱説明書には、製品を使用した場合の危険について記載してあるわけです。
したがって、上記のような記載が必要になるのです。

  • 製品名(型番)…取扱説明書が「何の製品」であるかわからないといけません。
  • 取扱説明書…この文書が取扱説明書であることを明記します。厳密に言えば、取扱説明書と操作説明書は異なっています。
  • この説明書を…本書を保存して、必要なときには適宜参照できるようにする必要があります。これが記載していないと「読んだけど、捨てた。→事故発生時にはもう忘れていた」と言われる恐れがあるということです。

■安全のための取扱説明書

同様のことは本文についても言えます。

本文が読みにくかったり、「注意」だけで数ページも続いている構成の取扱説明書では「読み飛ばされる」とか、「気がつかなかった」ということになりかねません。

そうすると、2つの問題が起きる可能性があります。

  1. 注意書きに気がつかなかったため、間違った操作を行って、製品事故を起こす。
  2. 製品事故が発生したときに、表示上の欠陥とみなされる。

どちらも大問題ですが、弊社「石井ライティング事務所」は、特に1番の「事故発生」の可能性を下げたいと願っています。
また、最初に書いた表紙の内容などについては、「表示上の欠陥」と見なされるのを防ぐための工夫でもありますが、いずれにも共通するのは、「読みにくい取扱説明書は(使用者に読んでもらえないため)意味がない」ということです。

弊社は読みやすさも安全への第一歩だと考えています。
読みやすい取扱説明書については下記にご気軽にご相談ください。

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【わかりやすいマニュアルの作り方】第114回 取扱説明書をWebに公開しませんか

師走です。

いろいろとせわしない季節になってきました。そろそろ年賀状の支度もしなければなりませんし、年末の買い出しなど年越しの準備も必要です。

■お客様にまで伝えていますか?

今回は前回に引き続いて、取扱説明書の営業的な扱いについて書きます。

前回は、メーカーさんが商品を出す際に「商品に語らせる方法としての取扱説明書」について書きました。これは、メーカーさんから、バイヤーさんへの説明についてでした。

さて、商品を売るには、メーカーさんから販売店さんに売っただけは完結しません。
当然ですね。商品がお客様の手に届いて、初めてその商品は「売れた」と言えるわけです。

商品が、自分自身をお客様にどう伝えるか。
ここでは、インターネットの通信販売を考えてみます。

■取扱説明書をWebに公開しませんか?

一般的にインターネットの通信販売においては、販売業者の人が商品説明のページを作って販売します。
もちろん、、営業的な資料などを渡していますので、それらを元にして制作しているのが一般的ですが、厳しい言い方をするとそれは「販売会社任せになっている」ことにほかならないわけです。

ではどうするかということが、今回の提案の内容です。

「取扱説明書をWebに公開しませんか」

もちろん、自社の製品のページで公開するのです。
そうするとどうなるか。
インターネットの販売会社は一般的に「メーカーページへ」「メーカーの商品紹介ページへ」といったリンクを作るのが普通です。
メーカーさんのサイトには詳細なスペックが記載された商品ページを作っておくのが理想ですが、必ずしもそうできない場合もあります。

そうした場合、取扱説明書のPDFファイルを公開していれば、少なくとも「メーカーサイトに情報がなにもないな…」といった事態が避けられます。
もちろん、きちんとした商品ページを作ってある場合でも、よりきちんとした説明が見られる取扱説明書が見られることはユーザーに信頼感を与えます。

そして、お客様は意外なポイントを気にしている場合があります。
そして、往々にして知りたい内容はカタログやパンフレットにはなく、取扱説明書の中だけにあったりするものです。
お客様の購入の決断の最後の背中を押せるかも知れません。

もちろん、できれば弊社としては、その取扱説明書の制作をご依頼いただけるとありがたいのですが…
最後に。
取扱説明書を制作しながら商品ページを同時に制作するといった作業も承っております。

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【わかりやすいマニュアルの作り方】第113回 バイヤーさんに取説でアピール

板橋区の交流会、北区の交流会と続いて顔を出してきました。
直接商売に結びつくというわけでもありませんが、何度か顔を合わせたことのある方もいらっしゃったりと、年を重ねるにつれ、少しずつ面白くなっていきます。

■作るだけでは…

さて、いままで交流を広めてきたなかで、メーカーさんの知り合いも増えたのですが、それとは別にバイヤーさん(通信販売の人もいれば、実店舗の人もいらっしゃいます)との知り合いも増えてきました。

バイヤーの人たちが異口同音に口にするのは「アイテム数が多い」「特長がないとわからない」ということです。
当然ですね。メーカーの人が売りたいのと同じくらい、パイヤーの人は良い商品がほしいのですから。

もちろん、作った商品が見ただけでわかる特別な特徴を備えているなら、商品それ自体に語らせれば大丈夫です。
「強い商品力のある商品を作る」これができるなら、ベストです。
でも、ほとんどの場合は、そうはなっていないのが現実ではないでしょうか。

そうすると、出てくるのが「差別化」ということです。
でも、単純に商品をつくるだけでは、さきほど書いたように「商品に語らせる」ことは難しいのが実情なのです。

「この製品のトップの平滑度は1ミクロン以下である」
これはすごいことだと思います。とくに、それが木製の大きなテーブルであった場合には。
でも、それを商品だけに語らせた場合は、1ミクロンでも0.1mmでも…正直、たぶんわかりません。

■最初に商品を見るのはバイヤーさん

見出しの通りです。
最初に、貴社の商品を見るのはバイヤーさんです。

もしも、最初に商品を見てもらうときにラッキーにもあなたの会社の営業さんがいれば、その商品のすばらしさをそこで説明できるかも知れません。
でも、そんなラッキーは毎回は続きません。
ラッキーでないとしたら、これを読んでいるあなたは日本有数の大会社で営業員が星の数ほどもいるのでしょう。

つまり、商品はそれでも「自分で語らなければならない」のです。
でも、商品自体は性能や使いやすさ、製品の良さを語ることはできません。

商品が語ることができるのは、以下の3つだけです。

  • 商品それ自体
  • 取扱説明書
  • パッケージ

だから、弊社は提案します。

■取扱説明書に商品のことを語らせましょう。

取扱説明書には、宣伝文句を書く必要はありません。それこそテーブルトップの平滑度を正直に書けばよいのです。
バイヤーさんはプロフェッショナルです。アマチュアの消費者とはちがうのです。

プロフェッショナルなら、アピールポイントをきちっと見せていれば、理解してもらえます。
誇張もなく、正直に「この製品はひんなに良い」と、「正しい使い方を説明する」ことで、バイヤーさんにはアピールできます。

ということで、取扱説明書を改善してみようと思いませんか?

ちょっとでもそんな気持ちになったら、マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所 までどうぞ!


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