「取説屋:石井ライティング事務所」の代表兼テクニカルライターのブログ 本家サイト http://torisetuya.com

【わかりやすいマニュアルの作り方】第167回編集長の話

前回に続いて、編集の話を書きます。
前回は趣味で作成した取扱説明書の話ですが、今回はもうちょっとまじめです。

■編集の話

編集の話です。
編集とは何をするかというと、おおざっぱに言うと「素の文章をきちっと章・節・項に分け、長すぎる文章は短くしたり、句読点をきちんとしたりする。目立たせたい言葉には括弧を付ける。」といった、「文章の後処理」と「DTP(昔で言う製版)のための指定&前処理」といった作業を指します。

実は、この作業をきちんとやっていないでデザインやDTPに回すと…どうやっても、わかりにくい「文書」ができてしまいます。それは、たとえて言えば塗装の前の面取りや仕上げを行わなかった場合に相当します。どうなるのかは言うまでもないでしょう。
ですが、どうしてこういったことを行わないのかというと、理由は簡単、誰も教えてくれないからです。
国語の教科書も(あえて言うと数学も)、実は言うと上のような手順の作業を必ず行っています。
しかし、教えるのは小説や古典文学(もしくは方程式の解法)の内容であり、その「見やすい本の作り方」については、ほとんどというか、自分の学校で学んだ範囲では教えてくれることはありませんでした。
習ったことがないことですから、できるわけがありません。
まぁ一部の才能のある人は、最初からきれいに書くことができますがこれは例外としましょう。
また、趣味で編集の技能を口伝で伝えられている人がいますが、これもまた例外と言うことで。

■編集とは何をする?

さて、では今回の本題です。「編集とは何をする?」という内容の一番上についてはすでに書きました。
「読者に読みやすくすること」が目標です。
この場合、読者というのは製品を買ってくれた人を指します。

しかし、往々にして最初の原稿を書く人も、その原稿をチェックする人も、誰も読者のことをよく知らないということがあります。
たとえば、書いた人も見る人も現場の人間でしたら、「こんなバカのことをするヤツは世の中にいないからとばしたってだいじょうぶだぜい」と思ってしまって、大きく書かなければいけない注意書きを小さく書いただけでよしとしてしまうところがないとはいいきれません。
なお、製品を一般に発売する際には、このことは特に気を付ける必要があります。
むしろ素人に近いスタッフを呼び集めて「こういうときどうする?」と実地に使わせて観察し、かつ聞いてみて、「危なそうだ」と思ったことはその操作や作業の方法のそばに書いておくべきでしょう。

話がそれました。
いろいろな機械で、手順が最初は一つで、順に機能によって分岐していく場合、それぞれのセクションの先頭に「この機能は●●を目的としています」と記載していないと、よくある「機能が羅列してあるが、その機能自体が何が何だか分からない」というよくある悪い取扱説明書になってしまいます。

■責任を取る編集長は大切

こういったことを防止するのは、たしかに何割かはライター(書き手)の役割です。しかし、取扱説明書というのはあくまでも書籍の一種です。そして、書籍である以上、全体の構成などについては「編集長」が責任を負わなければいけないのです。

会社によってこの編集長という名称は異なることがあります。しかし、だれか一人、最終責任を負う人は絶対に必要です。どんな名称であれ、内容二内容に責任を負う人がいなければ決して良い物はできないのです。

編集長は、当然ながら編集や執筆といった制作業務に精通している必要があります。
実務としての業務を知らなくては、スケジュールの調整などができないからです。
たとえば、三日間スケジュールを短くして欲しいと営業から言われた場合、それを受け入れて良い物かどうかを品質の面から判断するのは編集長の仕事だからです。

最初から、品質を保ったまま納期を短くすることが無理であれば、無理だと正直に言って、「品質を妥協するか、納期をなんとかしてもらうか」の二択をありのままに告げて経営者に判断してもらわねばなりません。(これを判断するのは営業の仕事ではありません)

品質は価値です。ですから、高い品質には高いコストがかかります。
同様に、納期もまた価値です。ですから、短い納期にはやはり高いコストがかかるのです。

コストを下げて、高い品質と短い納期。

そんな夢のようなことは残念ながらありえません。
そして、物事には責任者が必要です。

今回は、ちょっときついことを書いてしまいました。

来週は申し訳ありませんが、お休みさせていただきます。

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【わかりやすいマニュアルの作り方】第164回取扱説明書と必勝本・解説本

今日は本当に大変な春の嵐のようです。今日お出かけになる人は、十分気をつけてください。

でも春の嵐と共に、ようやく長かった冬も終わり、やっと暖かくなってくるようです。

つくしも芽を出し、桜の花が咲き、春の気分になってきました。新しい期が始まったところで、楽しく気合を入れて頑張っていきましょう。

さて。本題です。

■必勝本・解説本と取扱説明書

今回は、取扱説明書と必勝本・解説本の違いと棲み分けについてです。

実は私は、ゲームの必勝本にも携わったことがあります。

必勝本というのは、ある意味、取扱説明書の上位バージョン、といった風情のものがあります。

自分のやっていたのはシミュレーションでしたので、コマンドやデータの詳細な説明と、戦略、戦術の説明とリプレイといったところでしようか。

リプレイに関しては別としても、コマンドやデータの詳細な説明に関しては、付属の取扱説明書では版型やページ数の関係から思いっきり「詰めた」書き方をしなければならなかったところを、十分な余裕を持って書き直すことができたので良かったと思います。

また、ソフトウエアのリファレンス系の解説本の場合は、むしろ付属してる取扱説明書が充分なコマンドリファレンスが掲載されていないなどといったことがあったりして、むしろそちらの方が取扱説明書として使われる場合も多いようです。

もちろん、ゲームの必勝本などでRPGやアドベンチャーのストーリーの解説をしていたり、キャラクターのファンブックのようなものは取扱説明書とはまったく異なったものになりますが、それでも一部の必勝本・解説本は取扱説明書と近い構成をしているものがあります。

■違いはどこに?

それでは、必勝本・解説本と取扱説明書の違いはどこにあるのでしょうか。

簡単に言ってしまうと、身も蓋もない話で、一般に取扱説明書の方が制限が大きいということに他なりません。

まず、予算。さらに商品と同梱するためにパッケージに入る版型、さらに取扱説明書である以上、必ず書かなければならない記述など、取扱説明書の方が制限が大きいのです。

たとえば、ソフトウェアの取扱説明書の場合、丁寧にインストールと(あるならば)インターネットでのアップデートの方法、さらにソフトウェアの起動方法などを書きます。

必勝本・解説本では、こういった記述は必要ないということで、、ほとんどの場合はカットされ、その替わりににソフトウェアの内容・機能についての説明が多くなります。

さらに、危険に対する説明や警告も取扱説明書である以上、当然入ってきます。省略することはできません。

また、必勝本では商品を使った「応用操作」、たとえば調理器具であれば、炊飯機能を使った煮物作りなどを掲載できます。

そういう意味では、より商品に詳しく・深く切り込んでいくのが必勝本・解説本であり、最初に使う、初めての使うお客様が誰でも一応使えるようにするのが取扱説明書の役割と言えるかもしれません。

商品が素晴らしいと、より商品に詳しく・深く切り込んでいきたくなります。

でも、そのあたりの棲み分けも必要だと思っています。

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【わかりやすいマニュアルの作り方】第162回取扱説明書は取材が大事

今週は、先週のようなミス(無遅刻だったのに、160回でついにやってしまいました…)をやらないように、移動中にAndroid端末(キーボードがあります)でだいたいのところは書いています。

しかし、昔のW-Zero3よりも変換やスクロールが速くて快適ですね。

■取扱説明書で大切なこと

今回は久しぶりに取扱説明書の作り方です。
取扱説明書を作っている会社にはいくつかのパターンがあります。
まずはデザイン会社、これは会社案内やパンフレットの業務の延長としてとらえている場合が多いです。
次に多いのは印刷会社です。必ずしもすべてではありませんが、中には取説を作っているというよりも、印刷物の一つとして制作を引き受けているといったところもあります。
もうひとつは翻訳会社だったことがある場合です。この場合はあまりデザインが凝ったものではなくても良いものができることがあります。

さて、これらにはどういった違いがあるのでしょうか。

もちろん、個々の会社にはすぐれたところがあります。
デザイン会社を母体としている場合は当然ながら美しく、使いやすく、読みやすいページを製作するでしょう。
印刷屋さんは最終的な納品物に関して見積りでは一番強いと言うこともあるでしょう。
翻訳会社の場合はやはり複数言語の展開に強いです。

■弊社の強みは?

では、弊社のような「取説屋」の強みは何でしょうか。

今挙げたような強みは弊社にはありません。ですが、それに変われると思うものがあって商売をしているのです。
それは、「取材の確かさ」です。

弊社の代表も兼ねておりますテクニカルライターは、もともと(ソフトウェアではありますが)エンジニアでした。そして、動く機械が大好きと言う人間がベースです。

その上にPL法だのなんだのも学びましたが、弊社の特色は、なんといってもその経歴を生かした「技術的な」取材能力です。その上に、商業誌(ゲーム必勝本です)のノウハウをいかして分かりやすく仕上げることです。
この辺りは、技術者出身のテクニカルライターでなければ、
まずひけをとることがありません。

では、取説で一番大切なことは何でしょうか。
予算と言われてしまうとどうしようもないのですが、弊社では商品の意図を正しく伝えることだと思っています。

わかりやすい構成と文章はいわゆる文章力によって形成されるものですが、その土台となる技術の資料・製品の目的といったことの取材、これがないときっちりとした取扱説明書はできません。

弊社は、派手なことはできませんが、こういった地味な取材から取扱説明書を作るように心がけています。

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【わかりやすいマニュアルの作り方】第161回ユーザーサポートと取扱説明書

3月になり、ようやく温かい空気が流れるようになってきました。近所では梅のほころんだところもあるようです。

今週はまだうちのなかが落ち着かないため、個人営業の取説屋としては、さすがに時間が取れず、このブログの更新が遅れてしまいました。申し訳ありません。

■取扱説明書とユーザーサポート

よい取扱説明書を製品に添付すると、ユーザーサポートへの問い合わせが減ります。

「よい」の定義はなかなか難しい部分がありますが、なにより取扱説明書の本来の目的である「使い方を迷うことがない」ことがしっかりできていることが必要なのは言うまでもありません。

どうして問い合わせが減るのか、という点については「取扱説明書を見れば必要なことが書いてあり、問い合わせの必要がない」ため、いままで発生していた問い合わせがなくなるということです。

簡単なことに思えるかもしれません。しかし、「よい取扱説明書が添付されている」ということは、「疑問の発生が抑えられる」ということです。これまでのように「疑問があるからユーザーサポートに電話」の電話の部分が取扱説明書を見るということに切り替わるというのとは少し異なるのです。

■疑問の発生を抑える

ものを製造している会社であれば、トラブルは「発生した後の対処」よりも「予防」の方が重要だということはご承知だと思います。

これは取扱説明書の場合にも同じことが言えます。

「よい」取扱説明書には「ユーザーがやってはいけないこと」「行えば壊れる操作」が書いてあるわけです。
さらに「メンテナンスを行うタイミング」や、「不調のきざし」といったトラブルの初期段階で示されていて、重大事故になるまえに警告を与えることができます。

取扱説明書は、紙という性格からして、ユーザーにムリヤリ読むことを強制することはできません。疑問に思ったときに見てもらうのができる最大のことです。

製品に付けるラベルの注意書きではもう少しだけ効果的な注意ができますが、それでもなお限度はあります。

しかし取扱説明書は、読んでもらえさえすれば。(このあたり、ちょっと悲しいですが)

この製品は「どういう目的」で「どんな場所・時」に使うことを想定しているかは分かります。そして「こう使って欲しい」ということまでは…伝えたいと思っています。

これだけのことが伝われば、「故障」は発生しても、重大なトラブルひいては事故の減少につながります。

弊社は、こういうことから取扱説明書で世界の役に立てることを考えながら制作しております。

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【わかりやすいマニュアルの作り方】第160回販売方法と取扱説明書

こんにちは。前回は大変失礼いたしました。
本当はお休みをしたくなかったのですが、いかにせん弊社は代表一人だけの、ミニマム会社ですので、こういったことが起こるとどうしても手が回らず、お休みせざるを得ません。

さて。今回は、販売形態と取扱説明書の関係について、述べようと思います。

■売り方の変化

変わった見出しがついてるのでびっくりされた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし実際のところ、昔のような対面販売からセルフ販売、あるいは通信販売へと販売方法が切り替わっていくにつれ、取扱説明書の重要性は、より高まっているのです。

何のことだと思われるかもしれません。無理もないと思います。
ここから順に説明していきます。

かつての主な販売方法は、商品について詳しい店員さんがいる対面販売でした。
現在でも最も望ましい販売方法だと思いますが、残念なことに詳しい店員さんを育てるにはコストがかかるため、減っている販売方法です。うちの近所では、商店街の味噌屋さんが「この季節にはこの味噌がおいしいよ。」と勧めてくれるのですが、こんなお店はほとんど見かけなくなりました。

さて、それに代わって主流となっているのは量販店などのセルフ販売方式や、それをさらに突きつめた通信販売です。

広い売り場に少数の店員さんを配置して、レジに商品を持って行きます。このバリエーションに商品カードを持って行く場合もありますし、商品を決めたら、店員さんを呼ぶという方法もあります。
いずれの場合も、これらの販売方法では販売する店員さんが詳しい知識を持っていません。なぜならば、一人一人の守備する販売エリアが大きく、商品点数も多いため、きちんと商品知識を教えようとすると、教育コストが多くかかるためです。

さらに、通信販売の場合には店員さんはいませんから、すべてを本やサイトの「説明」で商品を理解してもらわなければなりません。
勘違いした理解をされてしまうと、後でクレームの元となります。

■売り方と取扱説明書

さて、それでは取扱説明書は売り方の変化とどうかかわってくるのでしようか。

スムーズに買い物をする場合は、さほど影響を与えません。

問題はお客様が迷っているときや、よくわからずにそのまま買って帰った場合です。

商品のカタログ・パンフレットやチラシは店に置いてあります。しかし、これらは商品の良い点ばかり書いてあるため迷っているお客様にとっては、決定的な商品差別化のポイントを見つけるのにはあまり向いていません。

もちろん、それだけ強烈な個性を商品に付けられるのが一番ではありますが、それよりも、自分の商品が誠実であることを説明しようと思った場合、取扱説明書は強い武器になります。
商品のカタログ・パンフレットやチラシと同時に店に一部で良いですから、自由に参照できる取扱説明書があれば、使い道や商品の目的などを間違えることは大幅に少なくなるでしょう。

そうです。
店員の知識不足をメーカーから提供する取扱説明書でカバーしてしまおうということです。

■取扱説明書が役に立つ例

簡単な例で示します。

洗濯機を買おうと思った場合、大きく分けて、縦型洗濯機と横型のドラム式の二種類があります。
今の縦型洗濯機の場合、乾燥機能もついていて、ドラム式と大きな違いはないようにスペック上では見えます。洗いから乾燥まで全部の機能を洗濯機が行うことができます。

しかし実際には、縦型洗濯機は洗濯時間が短く、洗浄力が強いなど、外干しができる環境で使うのに適していて、ドラム式は洗濯時間は長いものの、乾燥まで全部の工程を洗濯機が行うのに適しているといった差があります。

こういったことは、丁寧に商品のカタログ・パンフレットを読み込んでいけば情報を見つけることが、できないわけではありません。

しかし、取扱説明書が置いてあれば、洗濯時間の差などはぱらぱらとめくってみるだけで一目瞭然です。

これらの違いは特性の違いというべきもので、目的に合わせて選ぶと最大の効果が発揮できます。どちらが優れている、というものではありません。

小さなお子さまがいて、おむつの洗濯を、大量にしなければならない場合には洗濯時間が短い。縦型を選択した方が、よい結果が得られますし、若い夫婦で二人とも会社に行っている場合などは帰ってくると、洗濯が終了しているドラム型の方が適しているでしょう。

これらの場合に逆に選んでしまうと「何か使いにくい」という結果になります。

ちょっと使いにくい程度で済めばいいのですが、場合によってはクレームにつながることがあります。クレームは起きる前に予防が一番です。

クレーム対応についても取扱説明書は役にたつのですが、それはまた別の機会に。

弊社はこういったことを考えながら、取扱説明書を提供させて頂いております。

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【わかりやすいマニュアルの作り方】第159回取扱説明書の対象について

ようやく少しずつ温かみを感じるようになってきました。
まだ春は遠いですが、春の足音が聞こえてくるような気がします。

弊社では、先週はいろいろな所に出かけていました。
今回は、その中でつかんだ新しい考えについて述べさせてもらおうと思います。

■制作する取扱説明書の対象を広げる

弊社では、これまでは主に「一般消費者」(コンシューマー)向けの取扱説明書を扱ってきました。

したがって、制作された結果は「印刷所に納品するとそのまま印刷できる」データであり、「凝ったレイアウトされたキレイなデザイン」の仕上がりでした。

はっきり言うと、格好の良い出来あがりです。

しかし、問題もあります。

格好良くしようとすると当然ながらコストがかかります。分かりやすくするためにはある程度の作業コストは必要ですが、格好良くするためのコストとは別のことです。

簡単に言うと、コストの半分はDTPとデザインとレイアウトに掛かっています。これを切ってしまおうということです。

実を言うと、弊社の利益もこのあたりから捻出させていただいたりすることもあるので、これは経営的にはかなりの冒険でもあるのですが…。それでも、この仕事には絶対に意味があると私自身が確信しています。だから、やるのです。

■技術者・作業者・販売者向けの取扱説明書

最終消費者向けの製品を作っていないメーカーやサービスを提供している会社は非常に数多くあります。実際のところ、最終消費者向けでないメーカーやサービスを提供している会社の方が数が多いのではないかと考えています。

営業に行くとよく言われるセリフがあります。

「うちでは消費者向けの製品は作っていないから、取扱説明書は必要ないんですよ」

そうでしょうか。

自分は「技術者・作業者・販売者向けの取扱説明書」のできが、いまひとつのために、作業が滞ったり問い合わせが多くなったりしている例を数多く見ています。

作業マニュアルはきちっと作られている方が良いに決まっています。あえて言えばきちっとできていない作業マニュアルはタダのゴミです。

自分はきちんとした取扱説明書を作成する技術を持っています。それは構成であったり、編集であったり、、最低限のレイアウトの知識であったりしますが、それは極小のハンダ付けをしたり、バフがけで平面に磨いたりすることと同じように、身につけようとするとどうしても時間がかかるものです。

極小のハンダ付けをしたり、バフがけで平面に磨いたりする作業が必要になったらどうしますか?社内の事務員にやらせたり、エンジニアさんにちょっと練習させてやらせますか?
まさか。当然、外注しますね。

取扱説明書制作も一緒です。「きちんとしたわかりやすい取扱説明書」を制作するには、技術が必要です。

「技術者・作業者・販売者向けの取扱説明書」をわかりやすく作り直して、公開してみませんか?

弊社では、現在「技術者・作業者・販売者向けの取扱説明書」の価格体系や作り方を検討しています。少なくとも現状の最終消費者向けの取扱説明書に比べれば大幅に低コストでできると思われます。

もちろん、コストを削っただけではなく、お使いになるお客様にもメリットがある方式、具体的には最終的に納品するデータがDTP用のIllustratorやIndesignといった、操作に専門的な知識が必要なデータではなく、一般的なWordのデータと公開用のPDFのセットなどにする(その分は弊社でもDTP作業がなくなってコストが低下します)といったことを考えております。

詳しく仕様が決まったらまた、こちらでお知らせさせていただきます。

よろしくお願いします。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所


【わかりやすいマニュアルの作り方】第158回 情報公開は取扱説明書公開から

少し日が延びて暖かさを感じる日が増えてきました。

雪国の方はとても大変だと思いますが、頑張って下さい。

■情報公開の第一歩として

さて、今回は前回書いた「第157回取扱説明書は公開しよう」の続きです。

前回は「取扱説明書はどんな時に使われるか」について書きましたが、これを一歩踏み込んでみます。

そもそも取扱説明書とは何でしょうか。これは前々回(第156回広告コピーと取扱説明書の違い)で説明しましたが、取扱説明書はお客様にお渡しする「わかりやすくした技術文書」です。

技術文書である以上、製品寿命やメンテナンスや設定のことも書いてある…はずです。もしも書いてなければ、その取扱説明書は技術文書としては欠陥があるということに残念ながらなってしまいます。

前回、私は製品を購入する前に取扱説明書がダウンロードできるのであればできるだけ見てみると書きました。実際、どうして取扱説明書で見るのかというと「悪い」情報もほしいからです。

どんなに頑張っても「良い情報」だけで構成されるような製品は作ることができません。どうしても営業的に「良くない」情報も含まざるを得ないのです。たとえば、バッテリーは使うと充電しなければなりませんし、劣化もしていきます。交換する必要もあるかもしれませんし、その型番やパーツの発注方法も取扱説明書にはあるとよい情報です。

しかも、技術文書である以上、それらの情報はカットできません。技術文書で悪い情報を掲載していなければ、それは役に立ちません。

■情報公開について

さて、ではもう片方である情報公開について考えてみましょう。

情報公開を求めるとき、あなたはどのような情報を請求するでしょうか。
カッコ良い写真や、良いイメージのイラストの情報を請求する人は、まずいないと思います。

つまり、公開して欲しい情報というのは「カッコ良くない」できれば「公開したくない」情報です。

しかも、「良いこと・悪いことひっくるめて」の情報です。たとえば、製品が重金属を含んでいるか、排気する場合にはどうしたらよいかといった情報が必要です。

こういった目的には、製品ごとに新しい資料を作って公開する方法もありますが、弊社としては「取扱説明書の中に公開すべき情報を入れ込んでしまう」という方法を提案させて頂きます。

そうすれば、取扱説明書を公開するだけで、きちっと正しい情報を公開でき、情報公開を請求されることも減る可能性が大きくなります(断言はできません)。

公開すべき情報については、時代につれて変わっていくところもありますから、それぞれご相談させていただく必要がありますが、潜在的なお客様に対して、積極的な情報提供を行うことは時代のニーズにマッチすることではないかと思います。

そういった取扱説明書の制作のご相談でしたら、以下にどうぞ。
マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所


【わかりやすいマニュアルの作り方】第157回取扱説明書は公開しよう

寒いですね。

いまが一番寒い時期ですから仕方ないですが、それにしても雪がなかなかとけません。
うちではバイクを使っているのですが、結構広い範囲の駐車場の雪が溶けずにそのまま凍り、出口がふさがれてしまいました。
雪がなくなって安全にバイクを出せるようになるまで、ほぼ一週間かかりました。

■取扱説明書はどんなときに使う?

今回は取扱説明書の公開についての話です。
ちなみに、メーカーさんで取扱説明書を制作している場合を想定しています。

さて、まず根本的な話から。
取扱説明書はどんな時に使いますか?
そうです。買った直後と、しばらく使っていて使い方がわからなくなったり、トラブルが起きたときですね。
購入直後は公開していても、あまり見ることはないでしょう。なぜなら紙で印刷された取扱説明書が手元にあるからです。
では、2年くらい使用した後に使い方がわからないことが出てきたらどうでしょうか。

たしかに、取扱説明書には「この取扱説明書はいつでも参照できるように大切に保管して下さい」と書いてあります。自分もそう書いています。
ですが、実際にはどうでしょうか。
「速攻で取扱説明書は捨ててしまう」という人はさすがに少数派だとしても、「外箱の中に入れっぱなしで押し入れのどこかにしまった」「どこにあるか忘れた」といった人がかなりの割合を占めるのではないでしょうか。
あ、これは決して自分の体験談ではありません。ただの一例です。念のため。

こうしたときに、Webで公開してあれば、少なくとも検索できるユーザーは見つけることができます。
また、トラブルの場合にしてもたとえば「停電によって時計がリセットされて12:00になってしまった」「電池の交換方法が分からない」程度のこと、リセットしたり再設定したりすればすむことであれば、ユーザーが自分で時計を再設定すればすみます。うまくいくと、ユーザーサポートにかかってくる電話がわずかではあるかもしれませんが、減るかもしれのせん。
もっとも、減ったとしても「かけるのを止めた」件数は調査する方法がないので、どれだけ減ったのかは定量化した調査は難しいと思いますが。

■公開した取扱説明書のもうひとつの使い道

実は、公開した取扱説明書の使い道はもうひとつあります。
「買う前に取扱説明書を見てみる」ということです。
少なくとも、自分と他の知り合いも何人かしています。
宣伝は基本的によいことしか書いてないということは前回書きました。それに対して、取扱説明書には製品に関するすべてのことが書いてあります。
メンテナンスや清掃の方法、消耗部品がある場合(フィルター、ボンベ、電池など)は交換方法と消耗部品の価格や消耗部品の寿命、こんなことは取扱説明書にしか書いてありません。
家電製品の場合、こういった情報は使い勝手に大いに影響します。しかし、広告からはこういった情報を得られるとは限りません。もちろん、店頭に行ってその商品を直接さわり、店員さんに聞けば教えてくれるでしょうが、そうすると、そこで何かを買わなければ悪いような気になってしまいます。
Webで調べようと思ったら、その製品をすでに買った人のユーザーレポートを探すしかなく、見つかる保証はありません。
ですから、自分は買う前に取扱説明書を参照できる方がありがたいです。

そして、もうひとつ。
これは自分がこういった仕事をしているからこその感じ方かもしれませんが、取扱説明書を公開しているメーカーの方が信頼がおけるような…気がします。
第一には、ユーザーサポートをやる気があるかどうかが透けて見えるということ。
もう一つは、取扱説明書には「良いことも悪いことも含めて」書いてありますから、そういうことも含めて公開しても使う人の利便性を優先する会社だと考えられることです。

以上の理由から、弊社としては取扱説明書はできだけWebにて公開(パスワードなど付けない)することをお奨めします。

もちろん、弊社では紙の取扱説明書と同時に公開できる形式のPDFも同時に提供させていただいております。と、宣伝をさせていただいたところで、今週はここまでに。

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【わかりやすいマニュアルの作り方】第156回広告コピーと取扱説明書の違い

本格的に寒いです。
外の天気もどんよりとしているため、お日様が入らなくてちっとも部屋が温まりません。

さて今回から、通常のスタイルに復帰です。
タイトルの通り、取扱説明書の作り方にもどっていきます。

■広告デザイナーと取扱説明書屋

取扱説明書を作成しようと考えている人で、広告代理店やデザイン事務所に依頼すればできるだろうと考えている人もいると思います。
しかし、デザイン会社に依頼する前に、一度、そこが広告を主な仕事にしているところではないかを確認してから依頼した方が良いと思います。
なぜなら、取扱説明書に必要なテクニカルライティングと、広告のコピーライティングはまったく異なったことだからです。
テクニカルライターとコピーライターはどちらも製品について文章を書く職業であり、いずれもその道のプロフェッショナルです。しかし、向いている方向はまるで違うのです。

  • 取扱説明書は「購入したユーザー」向けの「技術文書」です。
  • 広告コピーや商品パッケージは「購入前」向けの「宣伝文書」です。

対象とする読者の想定が異なります。そして、目的も異なります。
たとえば、広告には製品の欠点は記載されませんが、取扱説明書の場合「危険」「やってはいけないこと」として欠点も記載されます。

つまり、方向性が全く異なっています。これはどちらかが優れているとか、良い悪いのはなしではありません。
こういった理由から、宣伝コピーと取扱説明書の両方を作れる人はまずいません。

■取扱説明書屋の目指す方向

それでは、取扱説明書とコピーライティングの方向が違うことを理解したら、次にどうしたら良いのでしょう。

そうすると、「ぜひとも弊社に」と宣伝をしたいところではありますが、そうはいってもいろいろ事情があるでしょうから、とりあえず取扱説明書は取扱説明書で専門の制作を行っているところを探した方がよいでしょうというアドバイスになります。

そして、メーカーの方は是非とも「自社で」取扱説明書を作るようにしていただきたいと思います。

これは弊社の仕事が増えるかもということも無いわけではありませんが、それよりも、マジメにメリットがあるからです。

以下にメリットを挙げてみます。

  • 製品を販売会社や卸に売り込むときに、取扱説明書を渡せばすむ。
  • 販売用のパンフではないので、メリットデメリットを含めて説明できる。
    (メリットだけでは信用されないこともあります)
  • 販売会社が取扱説明書を作る必要がなくなる(コストダウン)。
  • 販売会社が顧客に説明するのも容易になる。
  • 販売会社へ問い合わせがあったときに取扱説明書を見て回答できれば、更にそれがメーカーまで回ってこないですむ。
  • カタログの文言を考えるのが楽になる。
  • 販社にとっては保証書以外に責任の所在が書かれた文書が点くことになる。、

販売寄りのことを書いていますが、自分はメーカーさんはこういうポリシーであってほしいと考えます。

良い商品を作り、それを正直に説明して売る。

もちろん、販売部門まで持っている大メーカーさんは「売る」ための方法も駆使するのが当然ですが、そうでなければ「売る」ことについてはプロである販売会社を信用して良いと思います。お互いに得意なところを分担する。

そして、その製品に必要な取扱説明書について、お手伝いができれば良いなぁ、と思っているのです。

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【わかりやすいマニュアルの作り方】2012年新年特別版

あけましておめでとうございます。

遅めではありますが、新年のご挨拶を申し上げます。

さて、新年第一回は特別編です。今回は取説の作り方ではなく、弊社石井ライティング事務所は、今年どのようにしようかと考えてる内容について書こうと思います。

技術的な内容については、今回はお休みさせてもらいます。申し訳ありません。

■今年の目標

「取説屋」というものがあり、それは「自分の会社でも普通に依頼できる」ようなものである、たとえていえば街のデザイン事務所と同じようなものであることをできるだけ多くの方に理解して頂く。

また、「取扱説明書は技術者や営業担当の片手間では作れない、専門技能を必要とする専門職である」ことを同時に理解していただく。これは特別なことではなく、上記のデザイン事務所のことを考えてみればお分かりいただけるだろう。確かに、Illustratorを使って、ポスターを作ることはだれでもできる。だが、それが商品になるレベルかということである。ちなみに自分はデザイナーではないのでポスターを作ることはできない。

もうひとつ、製品のボックスに書く内容や広告の内容と取扱説明書はコンセプトが異なり、したがってやはり広告制作を得意としているデザイン会社にも、「良い取扱説明書」を制作するのは難しいと言うことである。もっともこれは裏を返せば自分には「良い広告のキャッチ」は作れないということでもありますが。

■目標その2

取扱説明書は製品に必要なものであるという理解を広める。

これについては方法を考え中である。これが理解されないと、取説屋という仕事は広がらない。

現状では、PL法が要求するかたちになっているが、こういった強制力によるものではなく、「取扱説明書は製品に必要なものである」というコンセンサスが広まって欲しい。

自分はいま、メーカーからバイヤーに売り込みをかけるときに「商品自体に語らしめるツール」として必要なのではないかと考えている。宣伝用のパンフとはコンセプトが異なる文章なので、商品の内容(場合によっては「危険」などの表記で欠点も含む)をしっかりと伝えることができる。

また、取扱説明書をメーカーではなく販売会社に制作してもらうことは可能ではあるが、そのかわりに製品の販売ルートが、その販売会社に限られてしまうという問題が発生する。

だから自分はメーカーに自分の製品について自社で取扱説明書を付けるというコンセンサスが広まって欲しい、そして自分のところがそのお手伝いできると良いなと考えているのである。

なんだか、堅い内容になってしまったが、新年だし、たまにはこういう話もありであろうか。

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