【わかりやすいマニュアルの作り方】 第101回安全システムとしての取扱説明書制作
■取扱説明書は不要?
次回の更新に続きます。
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「わかりやすいマニュアルの作り方」も100回を過ぎました。最初のうちは、本当に作り方について書いていた本ブログも、100回ともなると40回あたりからネタが尽きて、マニュアル周辺の話へとシフトしていくようになりました。
■ブログを続けると言うこと少し、本ブログ自体について書きます。まず、どうやって100回も書いたのかということから。これは簡単です。業務にしたのです。毎週、決まった日に更新という業務にしました。余裕があれば他の日に考えるということになっていますが、実際には余裕があれば、遊んだり寝たりしてしまって、原稿は書きません。だから、毎週一回業務として書くことを自分に課していました。会計の締めは大嫌いです。でも、毎月やらないと金の流れがわからなくなります。だから、業務としてやります。このブログについても同じです。毎週書かないと、自分のやっていること、方向性がわからなくなります。だから書いているのです。
■これからの方向性そして、これからの方向性について。このブログを開始したときは、マニュアルは「ユーザーの利便性」のためのものだと思っていました。ですから、内容もだいたいそんな感じです。ですが、今はマニュアルは「お客様の安全」のためのものと考えるようになりました。ですから、すこしずつそういう風に内容も変わってきています。
次の100回、どうかわっていくかわかりませんが、ほんぶろぐをよろしくおねがいいたします。
ありがたいことに、100回目です。先週は怪我をしたりと続けられなくなる機器もありましたが、なんとかこえられたようです。
例えば版型であったり、デザインであったり、ページ数であったり、また予算であったりします。
たとえば、「この箱に入れたいから、取扱説明書は小さくして」とか、「このデザインでいくから、注意書きのサイズは小さくして」といった場合です。実際、日常茶飯事といって差し支えありません。
その結果、注意書きの文字が5ポイント以下の米粒のような文字となって読みにくくなってしまったり、デザインに従った結果、薄い色で印刷された文字で印刷されるといったことが起こります。
でも、これらの「版型・デザイン・ページ数」といった制約はすべて制作者側の都合です。
弊社はこれまで、こういった制約の下で「制約の範囲内でできるだけよいものを制作する」ことをやって参りました。これからも、やらざるをえないでしょう。
しかし、弊社はできる限り「安全を優先したい」と考えます。
・書ける範囲が小さすぎて、詰め込むと文字が小さくて読みにくくなる
→書ける範囲を大きくする
・ページ数が少なくするために、図を減らして文字も小さくしてびっしりと詰め込んでいる
→ページ数を増やす
・デザインが読みにくい色や書式を指定している
→デザイナーと協議
このように、「わかりやすい・読みやすい」を実現するためには、ある意味商品の企画にも意見を出す必要が出てくる場合があります。
こうした場合に、同じ方向「安全を優先する」向いている会社さんと一緒に仕事をしたいと弊社では考えています。
現在、取扱説明書や注意書きの「わかりやすさ」には、公的な基準はありません。
弊社でも取扱説明書冒頭の注意書きについては、メーカーさんの法務部から原稿を頂くといったこともよくありました。そして、実際のところ「これで良いのか」といった資料がまとまっているところについては、弊社でも昨年まで知りませんでした。
弊社が参加していることもあるため、宣伝のようになってしまいますが、私の知る限りではそういったガイドラインを出して、第三者として「わかりやすさ」を検証できる機関はJTDNA(NPO)しかありません。
マニュアルの作り方のガイドラインやチェックの方法の基準については、JTDNAの出している各種ガイドラインが参考になると思います。
特に「取扱説明書ガイドライン」は有料ですが、購入してでもいちど目を通しておくことをおすすめします。
JTDNA http://www.jtdna.or.jp/
取扱説明書ガイドライン http://www.jtdna.or.jp/businesses/torisetsu-guideline.html
媒体検証ガイドライン http://www.jtdna.or.jp/businesses/baitai-kenshou.html
とりあえず、ここまででまずひとくぎり、連載100回ができたことを喜ぼうと思います。
前回は、梁瀬先生のセミナーの内容をアップさせて頂きました。
今回は、取扱説明書の根本、「取扱説明書は何のためにあるか」というお話をしようと思います。
いきなり結論を書いてしまいますと、「取扱発明者の目的は、製品を正しく使ってもらうため」にあります。
そんなに難しそうなこととは思えませんね。
では、それがどうしてこんなに問題になるのかというと、「正しい」という部分にあります。
「正しい」というのは、メーカー側から見た、「正しい」と思う使い方です。これを伝える必要があるのです。
正しい使い方がわからないと、ユーザーは、間違った使い方をするか、あるいはもっと困ったことに「全く使えない」と言うことが起こります。
全く使えないと、当然ながらユーザーは起こってユーザーサポートに電話をしてきます。まず個のを減らす、これが「良いマニュアル」の目的の一つです。
これまでは、だいたいそう言ったことを書いてきました。しかし、問題はそれだけではありません。
製品を、正しく使わなかった場合、何事もなければよいのですが、不幸なことに事故につながる場合があります。
正しくない使い方も、勝手に使っていて問題がないぶんにはまぁかまいません。しかし、ひとたび事故が発生した場合は、ユーザーの「誤使用」ということになり、「取扱説明書に正しい使い方の記述がない」または「取扱説明書に、その使い方を禁止されていない」といった場合、とても困ったことになってしまうのです。具体的には。PL裁判を起こされて負けます。
では、禁止事項をずらずらと並べばよいかというと、これがやっぱり読みにくい。読みにくすぎると、「読めない」と断じられて「書いてないのと同じ」になってしまいます。
ではどうするかというと、今までも何度か書きましたが「正しい使い方を書く」ことが大前提です。そして「これ以外の使い方はしないでください。」と包括的に禁止してしまいます。
これ以外には使用方法をきちんと制限できる記述方法はありません。少なくとも筆者は他の方法を知りません。
正しい使い方をきちっとユーザーに伝え、かつ「それ以外はダメ」と伝える。
マニュアルに要請される役割は以前より増えているようです。
ここ何年かで産業構造が大きく変わっています。
個人商店が減り、大規模小売店や通信販売にどんどんシフトしています。
ここでそれを論じても、どうなるわけでもないのですが、生産者(必ずしもメーカーとは限りません、輸入をしてる方も含まれます)は、今までのように知識のある、店員さんに売ってもらうことができなくなりました。
しかし、それでも商品に説明が必要なことがあることは変わらず、説明の必要性は、まったく減っていません。
さすがに生鮮食料品に関しては、お店の人が調理の仕方などを説明してくれているようですが、電気製品などに関しては、店員さんの知識の低下は、かなりのものがあります。もちろん、プロの店員さんはいますが、比率としては明らかに低下しています。
しかし、商品の説明をしなければなりません。
そのためにどうするか。方法は一つしかありません、商品そのものに語らせることです。
つまり、説明が不要な商品を作る。これが理想ですが、それができないのであれば、商品に説明書をつけます。
このとき、間違えてはならないのは、取扱説明書は商品の一部だということです。
一番よくあるのが「取扱説明書は商品の付属物である」という勘違いです。
「付属物だから、とりあえず付いていればいいや」という結果につながります。
これは大きな間違いです。
どんなに良い機能があっても、その機能の使い方が分からなければ、その機能はないのと変わりません。
むしろ、わかりにくいだけであればクレームの原因となるだけですから、むしろない方が良いとも言えます。
説明と本体は一体なのです。
昭和時代の製品のように単機能の製品であれば、必要ない場合もあるかもしれませんが、現代の製品では考えにくくなっています。
むしろ、ユーザーの方も知識が低下している(お米を洗剤で洗う消費者が居る時代です)ことを考えると、説明がきちんと付いていない商品はそれだけで欠陥であるということです。
PL法には「表示欠陥」という言葉があります。
文字通り、事故が発生したときに取扱説明書や表示やシールなどが不足していたり、間違っていたりして、危険を防止できない場合に言われることなのですが、実はこれはとても恐ろしいことなのです。
PL保険に入っていらっしゃるとしたら、是非とも約款を見直してください。そこには次のようなことが書いてあるはずです。
表示欠陥がある場合は、この保険は支払われない。
このことは、JTDNAのセミナーで知ったのですが、言い換えると、「取説に欠陥があったら、保険金は出ないよ」ということです。
脅すわけではないですが、これは相当にヤバいはなしです。
ちなみに、表示欠陥というのは、取扱説明書の中に、メーカーの連絡先が書いてなかったという場合なども含まれます。
今は、消費者保護ということで、こういった方向がどんどん強化されているようです。
厳しい時代です。
前回の直接的な続きです。
突然、歌のタイトルのようなものが出てきて驚かれたかと思います。
しかし、まぎれもない前回の続きです。
ですが、前回とは全く趣が変わってしいるので驚かれるかもしれません。
さて。
前回の「取説屋」のお客様層について、もう少し掘り下げて考えました。
すると、お客様は「自分の仕事に誇りを持っているプロ」だという結論になりました。
つまり私はプロと仕事をしたかった。ということなのです。
プロは、自分の作ったもの責任と愛を持っています。
責任を持つのはプロとして当たり前、愛がないならプロとしてやるべきではありません。
つまり、私、取説屋は、こういう「プロとしての技能」を持っています。
一緒に、良い仕事をしたいです。
ただ、それだけのことです。
本当は、取扱説明書が不要な製品が理想だというのは私も知っています。
でも、昔とは販売方法も変わりました。
昔は、お店で、対面販売をしていました。
今は、対面販売よりも、電話インターネットファクスを使った通信販売の比率がはるかに大きくなっています。
昔ならば、店員さんは専門家でした。商品の説明もしてくれました、サポートもしてくれました。アフタサービスももちろんしてくれました。
ですが今は、そういった、説明などについてはほとんど望めなくなっています。
商品の情報については、製品を出すが、メーカー側、生産者側が提供しないといけなくなっています。
消費者保護法との関連もありますが、何より、通信販売の説明のもととなるものは商品の説明です。
生産している人や会社が商品の説明をつけなければ、通信販売の業者は一般的な説明をつけることになります。
あなたの商品が「こんな特色があるのでこう売りたい」と思っても、それを伝えない限り、伝わりません。
販売会社に口頭で説明しても、それはなくなります。
「説明をこうつけてほしい」そう思ったなら、紙かデータでつけるべきです。
そしてそれをお手伝いできるのが、私「取説屋」だと考えています。
「取説屋」は、取扱説明書ばかりを作っているとは限りません、リリースやニュース原稿のもとだって作れるのです。
自分の商品はこういうものだ、と説明したことがある方は、ぜひご相談ください。
更新が遅くなってすみません。
今回からというか、しばらく前からですが方向を変えてきています。
方向を変えた理由は、いままでの「ただの取説制作者」から「相談できる取説屋」へと変わろうと思っているからです。
今回、代表の石井は講習と試験を受けてPL関連のNPO、JTDNAの正会員となりました。
試験なんて、武術の昇段試験とか、二輪の限定解除以外、ずっと受けていなかったので、大変に緊張しました。
さて、そのJTDNAですが、「内閣認証NPO法人」で、PLについて研究しているおそらく日本で唯一、取扱説明書についてPLの視点で研究している団体です。
東京商工会議所への相談から、梁瀬和夫先生をご紹介いただき、そちらからご紹介いただいたのが、このJTDNAでした。
予想を大いに裏切ってありがたかったのは、その事務所が自転車で行ける距離だったということですが…。
とりあえず、次回のセミナー(無料)はこちら。また、梁瀬先生のお話です。
申込書は以下のPDFをダウンロードして記入してFAXにて。
平成22年5月~7月のセミナーというページにリンクがあるのですが、なかなか見つけづらいと思いますので、直リンにて。
https://docs.google.com/viewer?url=http://www.jtdna.or.jp/PDF/2010seminer_annai100506.pdf
ということで、ここからが本文です。マクラの方が長くなって申し訳ありません。
上のマクラとも関係しますが、取扱説明書が、どうして、PLと関係するのでしょうか。
実は勉強はじめるまで、取説屋をやっている自分も、法律的な詳しいことは知りませんでした。税策の実務については詳しいのですが、法律的な裏付けに乏しかったのです。
本来ならば厳密に定義して書かなければならないのですが、社長ブログ、ということで、簡単に書かせていただきます。
取扱説明書に問題があると、PL関連で裁判になったとき、「表示欠陥」として、確実に負けます。
「だって、書いてないじゃないか」
これだけです。抗弁の余地はありません。
都市伝説となっている「猫を電子レンジに入れて乾かそうとした人が、裁判して多大な賠償金をメーカーから取った」(ちなみに、ウソです)という話がありますが、これはマニュアルの不備(生き物を入れてはいけないと書いてなかった)ということで負けたということになっています。
では、細かく「●●をしてはいけない」を延々何ページにもわたって書いておけば良いかというと、今度は「字が小さすぎて読めなかった」とか別のことをいわれることになるわけです。
では、どうすればよいか、という対策、リスクマネジメントとしての対策をとればよかったのです。
ちなみに。上の「猫電子レンジ」の件は、正解は一つではありませんが、うちでならこうしますという回答例を載せておきます。
「本製品(電子レンジ)は、食品を温めるためのものです。使用目的以外に使用しないでください。」
基本的に、これで全体に網がかかります。
このうえで、細かい内容の注意を書いていけばすんだのです。
長くなってきましたので、今回はここまでに。
前回はあまりの仕事の忙しさに、更新をお休みしてしまいました。
仕事があるのはとてもよいことですが、できればきちんと更新はしていきたいと思っています。申し訳ありません。
さて。今回は「マニュアルの立場」についてです。
実は、ということではないのですが、私は今週末に講習を受けて、PL対策に対応したマニュアルを作る資格を取る予定でいます。
昔話になりますが、自分がこの仕事(テクニカルライター)を始めた頃は、マニュアルは製品の付属物で、法的な定義はありませんでした。
今でも、製品の付属物だと思っている方は多いようです。
でも、実は今ではそれではいけなくなってしまっています。
先日の、消費者保護法の改正により「メーカーまたは販売者は、消費者にわかりやすく情報を伝える義務」が課せられました。
PL事故が起こった場合、きちんとした取扱説明書がないと、「表示欠陥」となってしまい、「やってはいけないこと」を記したものがないために、莫大な金額を支払わされる…ということもないとはいえなくなってしまったのです。
そうです。
マニュアルは、いままでの「製品の説明書」から「消費者に製品のことをわかりやすく伝える」ための文書へと立ち位置を変えました。しかも、以前とは異なり、法律的な裏付けのある文書になりました。
もちろん立場は変わっても、私達テクニカルライターにとっては「わかりやすいマニュアルを作る、という点では変わりはありません。しかし、マニュアルを作るにあたって今までの判例や。規則に基づいて作る必要が生じてきました。
また今まではマニュアルを、主に業界団体の基準に従って作られてきましたが、業界団体のマニュアルが不十分であるとされる判例が相次ぎました。
そのため、現在では、業界団体ではなく、第三者機関によるチェックを受けたものが必要とされています。
というわけで我田引水ですが、今回その第三者機関であるJTDNA(内閣府認証NPO法人)の「テクニカルデザイナー」という資格を取るために講習を、受けに行くことにしたのです。
ということで、これから石井ライティング事務所の制作するマニュアルは、JTDNAの「取扱説明書ガイドライン」に沿ったものに変わっていくと思われます。
PL法で訴えられないための安全ではなく、お客様の本当の安全のために、という点は変わりません。
これからも石井ライティング事務所をよろしくお願いします。
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