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【わかりやすいマニュアルの作り方】第204回 簡単なサンプルで

2013年8月21日 水曜日

今回は、久しぶりに取扱説明書の書き方について、簡単なサンプルを使って説明しようと思います。

ネタは何かと言うと…ジップロックで醤油を入れて冷やす場合の取扱説明書を作る場合について説明します。
なんのことはない、このサンプルは自分がキュウリの醤油漬けをジップロックで作ろうとして失敗した-庫内に醤油をだだこぼしにした-ときの手順そのものだったりするのですが、まぁ、それはおいとくといたしまして。

●普通のシーンでの説明の書き方

この手順を普通に書くと、大体以下のような書き方になります。

「醤油を入れて、きちんと口をとじて冷蔵庫で冷やします。」

どこも悪いところはないように見えると思います。
これ自体は悪い書き方ではない、ということを先にお断りさせていただきます。
手順としては、一応全部を説明してありますから。

●取扱説明書での書き方

しかし、取扱説明書としては、このテキストでは駄目なのです。
では、実際にはどう書くでしょうか。
ささっと書いてみます。

  1. 醤油を入れて、口をとじます。
  2. 口を閉じたら流しに持って行き、袋を逆さまにして醤油が漏れないことを確認してください。醤油が漏れるようなら、きちんと口を閉じ直してください。
    [Point]口がきちんと閉まっていないと、冷蔵庫で冷やしたときに、庫内に醤油が漏れてトラブルの原因になります。
  3. 袋を冷蔵庫で冷やします。

…こんな感じでしょうか。
どこが違うかというと、真ん中に確認の作業が「工程として」入っていて、さらにそのやり方の推奨例が掲載されていることです。

●取扱説明書のポリシー

なぜでしょうか。
本来は、「流しの上で」斜めにしなくても確認すれば良いはずなのですが。

トラブルの防止をするのが取扱説明書の役目のひとつだと自分は考えています。
最低限の説明だけでは、ユーザーが特殊な専門家でもないかぎり、トラブルを減少させることができません。それでは、取扱説明書としては失格だと自分は考えています。

「安全な」確認工程が入っているのです。
流しの上なら斜めにしても、こぼれてもトラブルにはなりませんね。

だから、自分は取扱説明書を制作するときは製品の製作者と一度でよいから打ち合わせをお願いしたいと思います。
トラブルを減らして、便利に気持ちよく製品を使ってもらいたい。
取扱説明書の制作者も、製品の製作者も願うところは一緒なのです。

良い取扱説明書ができることを願って。


【わかりやすいマニュアルの作り方】第203回電気用品安全法(電安法)の解釈を見直し-反面の危険は?その2

2013年6月19日 水曜日

梅雨は急に降ったりやんだりでおちつきません。急な雨には気をつけましょう、というのはあるにせよ、どちらかというと何なんだこの天気はというのが正直なところです。まぁ、バイク乗りだから雨が嫌いなだけかもしれませんが。
今回は前回の続きで、電気用品安全法(電安法)の解釈の改正によってどのような危険が考えられるかの続きについて書いてみようと思います。
しつこいようですが、今回の追加内容は、「今までは電気回線か赤外線でしか操作ができなかったリモコンを、通信回線を通じて操作できるように変更した」ということです。

■操作対象から離れたところでの操作

前回も書きましたが、操作に対するフィードバックが必要というのは、家庭内電化製品の前にユーザーがいないところで操作を行うからです。
ではユーザーが離れた場所で操作するという事にはどのような問題が発生しうるでしょうか。

●事故発生と離れた場所での操作

まず真っ先に考えられるのは何らかの事故が発生したときに、機械を止めることができない、あるいは電気⇒ブレーカー、ガスならば元栓といったような元から断つといった操作が行なえないという点、そして火災や水による害が発生したとしても、火を消したり、排水をしたりといった直接の対策は離れた場所では行なえないという点にあります。
つまりいちど事故がおきてしまったら、その事故の拡大を食い止める事は大変難しいということになります。
ということを考えると、通信を利用したリモコン操作は「危険が発生しないもの」だけに限ると言う方針になってくるわけです。
これが今回の解釈にも含まれている内容です。

●安全な製品とスマートフォンによるリモコン

とは言え、安全な製品とはそもそも何でしょうか。
コンロをはじめとする調理器具や、風呂などのように大きな熱量を扱うものは危険があると考えるのは理解できます。
またそれに準じるものにしてもすでに対策が施してあれば問題なく、火が起きたり言う事は避けられそうな機械というのも想像ができます。たとえば、電気あんか程度なら、という気はします。
とはいえ、考えてみると、「押し入れの中に入れっぱなし」の電気あんかのスイッチを入れることを考えるとやっぱり危険なのかもしれませんね。

●危険がなければそれは安全な製品?

これに対して、webカメラのようなものはどうでしょうか。

webカメラ は、直接の危険を発生しません。しかし、最悪の場合は「ストーカーに乗っ取られて家の中を覗かれる」といった危険だって考えられないことではないのです。
スマートフォン等による通信を利用した家電製品に対するリモコン操作は、これからどんどん出てくることと思いますが、便利になる反面、今までにはないような危険が発生するという事は、心して開発しなければならないと思います。

■スマートフォンによる操作と取扱説明書

さて最後に、このリモコンの通信対応ということが、商品ひいてはこのブログのテーマでもある取扱説明書にどのような影響を与えるかを考えてみます。

実はというほどのことではないですが、現在の家庭電化製品に搭載されている表示パネルよりも「大きくて高性能な表示機器」がリモコンに使用できるようになります。
しっかりしたUI(ユーザーインターフェース)を使えば、取扱説明書無しでもリモコンだけで操作ができるようになります。
しかしその半面、例えば「家電用通信リモコンのチップメーカー提供の汎用リモコンソフトウェア」などをしっかり専用にカスタマイズして使わないと、他機種と紛れたり、汎用UIのため、わかりにくいといったことも起こることが考えられます。

さらに、いままでのハードウェアの取扱説明書の作り方がすべてソフトウェア用である必要がでてきます。こういった対応を必要になる、ということです。

■リンク

最後にやっぱりもう一度リンクを貼っておきます。

経済産業省>消費者政策>製品安全ガイド>電気用品安全法のページ>(3)解釈・Q&A

http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/kaishaku.htm

電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈の一部改正について(20130424商局第1号)

http:www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/kaishaku/gijutsukijunkaishaku/kaiseibun20130510.pdf

 


【わかりやすいマニュアルの作り方】第202回電気用品安全法(電安法)の解釈を見直し(5)-反面の危険は?

2013年6月13日 木曜日

前回大ネタのトリと書いてしまいましたが、引っ張ってしまい申し訳ありません。
実際のところ確認してみると既にこの機能に対応した家電製品が発売されていることが分かったのでさらにまた1回伸びるということになってしまいました。
仕事のスケジュールだったら、間違いなくクレームの嵐ですね。

今回は、前回書いたのとは逆で、電気用品安全法(電安法)の解釈の改正によってどのような危険が考えられるかについて書いてみようと思います。

しつこいようですが、今回の追加内容は、「今までは電気回線か赤外線でしか操作ができなかったリモコンを、通信回線を通じて操作できるように変更した」ということです。

今回も思った以上に長くなってしまいました。
本原稿が予想の二倍ぐらいのサイズになってしまったので、分割してアップロードすることにします申し訳ありません。

■操作対象からのフィードバック

今回のような解釈の見直しがあった背景としては、スマートフォンの普及により、操作をした結果がどのようになったのか、フィードバックを確認できるようになったというのが最大の原因です。
また、スマートフォン側にしても汎用のOSが普及し、AndroidもしくはiOS向けのアプリを作れば、それだけで済んでしまうという、これまでのそれぞれの携帯電話に対応する必要があった開発に比べるとかなり開発が楽になった、また多機種に対応できるようになったと言うように条件が整ったということがあげられると思います。

「フィードバックが必要」と言われても、エンジニアの方以外にはイメージしづらいでしょうから、フィードバックとはどういうことか簡単に説明します。
ここでは一例としてエアコンを考えてみます。

フィードバックがない場合はどのように、エアコンを操作することになるでしょうか?

  1. 携帯電話でエアコンをオンにします。
  2. 携帯電話を見てもエアコンがオンかどうか、あるいは室内の気温が何度かといったことはちっともわかりません。

したがって自分の記憶やメモによって、エアコンのオンオフを操作する必要があります。
はっきり言って使い物にならない。ときっぱり言い切ってしまってよいでしょう

それに対して、フィードバックがある場合はどのようになるでしょうか。

  1. 携帯電話でエアコンをオンにします。
  2. 携帯電話にエアコンの状態が表示されます。またエアコンにセンサーが搭載されていれば室内の気温も同時に表示されます。
    エアコンの状態と室内の状態を確認して、エアコンのオンオフの操作を行います。

フィードバックがない場合というのを書きましたが、実際にはこういったものを作るとは考えられません。上にも書いたように実用的でないからです。
かといって、一般的なスマートフォン以外の携帯電話では、機種別にソフトウェアを開発する必要があります。そんなことをしていては、とてもではありませんがコスト的に引きあいません。

●スマートフォンの家電リモコンとセキュリティ

対応方法としてHTMLを使用してサイトを作って対応といった方法も考えられますが、その場合はセキュリティの面が大変に不安なので、やはりこちらも実用的ではありません。
セキュリティが不安というのは簡単に言うと、誰かに勝手に家のエアコンをオンにされちゃったりするということです。とても嫌なことだと思います。…少なくとも私はそんな家電は使いたくありません。
したがってどう考えても、HTMLではなく専用のアプリケーションが必要という点は動かせないと思います。

●通信環境とフィードバック

フィードバックの問題は、通信環境が信頼がおける必要があるということでもあります。
どういうことかというと、これも問題としては簡単で、「スイッチをオンにできたのかどうかがちっともわからないリモコン」は、当てにならなくて誰も使いたいとは思わないでしょう。
当然、家電本体およびリモコンどちらの通信環境もリトライなどを行える環境が必要になってくるわけですが、これらがきちんとしたシステム上にないと、とてもではないですが実用になりません。
そうなると、フィードバックが正しく表示できていない場合には、指示した操作ではなく、安全な操作が実行されるということになるはずです。もちろん事故が発生するよりも良いことですが、そんな操作が行われると不満がだんだん溜まっていく事は間違いありません。

●フィードバックとセキュリティ

さらにフィードバックの問題は通信環境のセキュリティの問題に直結します。
誰だって自宅内の冷蔵庫や洗濯機やエアコンを誰か他人に勝手に操作されたいとは思いませんよね。
さらに上に挙げたフィードバックが行われることを前提にすると、家電からのフィードバックを得るだけでも、家の中に人がいそうかどうかといった事は簡単に推測できるようになってしまうのです。
極端に言えば家庭内のセキュリティー機器、たとえばwebカメラのようなものも操作できるようになります。他人が勝手に家庭内を覗くことができるかもしれない、というのはとても不愉快だと思います。もちろん危険も発生します。

さて極めて残念ながら、ここからまた同じくらいの分量のテキストを書いてしまいまして、ブログの一回のアップにはあまりにも大きすぎると思われたため二回に分割してアップすることにしました。
したがって今回はここまでです、次回をお楽しみにお願いいたします。

■リンク

最後にやっぱりもう一度リンクを貼っておきます。

経済産業省>消費者政策>製品安全ガイド>電気用品安全法のページ>(3)解釈・Q&A

http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/kaishaku.htm

電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈の一部改正について(20130424商局第1号)

http:www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/kaishaku/gijutsukijunkaishaku/kaiseibun20130510.pdf


スマート家電関連、おそるべしパナソニック

2013年6月6日 木曜日

ここ数回に本ブログに書いてきていたスマート家電、すでに製品化されていました。
おそるべしですね。パナソニックは。

記事はどちらもITmedia LifeStyleさんより
「帰宅前にエアコンON」にゴーサイン、パナソニックが対応へ – ITmedia LifeStyle http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1305/14/news1…

パナソニック、「スマート家電」を本格展開 (1/2)
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1208/21/news1…

でも、これはまさしく始まりに過ぎません。

このことに関する自分のブログ
http://torisetuya.com/t_blog/2013/06/%E7%AC%AC201%E5%9B%9…
実は、このネタもう一回で終わらす予定だったのですが、実物があるとなると、2回に伸びそうです。


【わかりやすいマニュアルの作り方】第201回 電気用品安全法(電安法)の解釈を見直し-広がる夢

2013年6月4日 火曜日

驚くほど早く東京都内が梅雨に入ってしまいました。かと思えば、梅雨に入ったというのに晴れの日が続いたりもしています。
なんだか変な気分です。体調を崩さないように気をつけてくださいね。

本ブログも200回を突破して、珍しくまめに毎週更新を続けています。

今回更新が続くのは、何よりも大ネタが飛び込んできてくれたということに尽きます。

そして、今回はその大ネタのトリとなります。今回は、自分自身の興味が向いているので、ふだんよりもぐっと長いものになってしまいました。

■改正の内容について

さて、前回及び前々回に引き続いて電気用品安全法(電安法)の解釈に変更があったことについて書きます。

前回も書きましたが、今回追加されたのは、「今までは電気回線か赤外線でしか操作ができなかったリモコンを、通信回線を通じて操作できるように変更した」ということです。

後日追記:iOS7からBluetoothを使った、近距離無線通信iBeaconがサポートされました。まさしくこれですね。

実は…今回書く内容は、前回及び前々回の2回の説明とは全く異なり、「こんなこともできるすごいぞ!」と、技術の使い道について夢を語る回となります。もしかすると、実際には実現できないようなことが多数含まれるかもしれませんが。

でも、自分はこのあたりの技術の夢が楽しくて仕方がないのです。

「今まではこういう事は法律的に全くできませんでした」ということは同じですが、これは個人的な技術に関する趣味の問題です。
まぁブログなので勘弁してください。

また、前回までは、この変更によって通信回線を利用してリモコンが操作できるようになるとどういうことが起きるかいうことについては、いくつかサンプルを示すにとどめました。

もう少し追加してみようと思います。

■これを利用するとどういう良いことがある?

実例としてすぐに考えつくのは前回までのサンプルや、以下のようなあたりでしょう。

●家の外から洗濯機を起動する

家の中にある洗濯機に…あらかじめ洗濯物を洗濯機に入れておかなければなりませんが…さすがにスマホはそこまでのことやってくれません……指示を出して家に帰った頃に洗濯が終わるようにセットし直す。

●自動掃除機を家にいないときに起動する

もちろんこういった遠隔地からの操作と言う事が便利になる事はもちろんですが、実は表に現れていないもう一つの側面があります。

これを利用するともっと良いことがあるのです。

実はこのブログの原稿を書いていて「あれっ? もしかしたら、これが実現するとこんなことできるんじゃないか?」と気が付いた事でもあったのです。

■これを利用すると考えられるもっと良いこととは?

答えはとても簡単です。

超高性能リモコンがほとんどノーコストで出来てしまう」ということです。

なんと言ってもスマホと言うかなり高性能なCPUを積んだ小型コンピューターがリモコンになってくれるのです。

たとえ1世代や2世代古いスマホであっても、既存のディスプレー付きリモコンに搭載しているワンチップCPUなどとは比較にならないほど高性能な上、さまざまなデバイスが無料で利用できるようになるのです。

これはものすごいことです。

ついでに言うと、これによって本体の操作パネルもなくしてしまうと、高機能のリモコンがありますから、そちらでほとんどの操作はできますし、コストをかなり下げることができます。

●ハードディスクレコーダーをスマート操作

ここまでの内容でイメージできない人向けに、ハードディスクビデオ録画機を例に考えてみましょう。

もちろん、本体と赤外線リモコンといった現状の組み合わせは再生・停止・早送りといった直接操作にはもっとも向いています。

しかし、番組の録画予約といった機能を操作しようとすると、本体から録画メニューを呼び出し→番組表呼び出し→録画設定といった一連の操作を行うことになります。

簡単に言うと、これらの操作のユーザーインターフェースを本体に内蔵させなければいけないということになります。

録画だけでなく、録画した動画の管理機能などについても同様です。動画の削除やフォルダを作って移動といった機能は、スマホのお得意です。

こういった機能を持ったアプリケーションを作るのは、一般のソフトウェア会社で可能です。ハードウエア設計の中に含めないで良いのです。

また、これらの全ての操作をハードウエアと、赤外線リモコンの限られたキー操作だけで行おうとすると非常に難しくなります。

かといってへ赤外線リモコンのキーを追加すると「こんなに多いキーのリモコンでは、わけがわからないよ」といったことになってしまいます。

もちろん、アプリを間違ってアンインストールしてしまったといった場合にそなえて、本体でオンオフができたり、アプリがダウンロードできたり、バックアップを取っておけたりということは危険防止策として必要になります。

■スマホのデバイスを利用したリモコンも…

普通に、リモコンと言う面から考えるとこのような結果になるのですが、実はスマホをリモコンにできるとすると、さらに、とんでもない高機能化ができるというもう一つの側面があります。
それは、「条件による機能の実現」です。

やはり具体的に書いてみましょう。

●雨が降っている日の昼間だけ除湿器を動かす

「天気」の条件を取得して、本体の動作に反映させます。

もっともこの天気の条件の取得方法をインターネットにするのか、それともスマホ本体に湿度計といった機能があること前提にするのかといった事は残ります。

もちろん、時計についてはスマホのほうの時計を利用して、操作される除湿器本体には搭載する必要すらありません

●天気によって、洗濯機の動作を変える

天候による動作の判断についてはもうひとつ例を書きます。

スマホリモコンが使える場合、洗濯物と洗剤を夜に洗濯機の中に入れておいて、明日の朝の天気、晴れか雨かによって洗濯をするかどうかを自動で決めて動いてくれるということができるようになります。

ついでに、快晴なら30分の簡易乾燥モードを、曇りで乾きが悪そうなら、しっかり乾燥を選ぶなんて事も簡単に機能追加できます。
ハードウェア的には通信するというだけのコストで…

●オーナーの場所をGPSで取得して、対応した操作をする

これ、どこまでやって良いのか全く不明なのですが……

スマホ本体のGPSと通信機能を併用するとそのスマホを持っている持ち主がどこにいるのか、操作されるデバイスの場所がどこにあるのか、といったことを取得できるようになります。

例えば、マンションに住んでいるオーナーが100メートル以内に帰ってきたら空調をオンにするといったことが可能になるわけです。

ただこの辺本当にわからないのが、この遠隔操作どこまで自動化して良いのでしょうか。

スマホがリモコンになるという事は当然ながら、プログラミングした操作にしたがってリモコン操作される可能性があるということです。本体側からは人間が操作しているのかスマホがプログラムに従って操作しているのかは判別する手段がありません。

さらにこっそり書いてしまうと、本体側からはOSが何かと言うぐらいのことまでは判別できるかもしれませんが、コマンドを出している機器がスマホなのかどうかといった形状については判断できません。

つまり……タブレットからあるいはもっと言えばパソコンから画面をちょこちょこっといじると、家電製品が操作できる様になるのかもしれないのです。

ちょっとわくわくするような法律の解釈の改正だと思いませんか?

■リンク

最後にやっぱりもう一度リンクを貼っておきます。

経済産業省>消費者政策>製品安全ガイド>電気用品安全法のページ>(3)解釈・Q&A

http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/kaishaku.htm

電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈の一部改正について(20130424商局第1号)

http:www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/kaishaku/gijutsukijunkaishaku/kaiseibun20130510.pdf

◆電気用品安全法

http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/topics.html


【わかりやすいマニュアルの作り方】第200回 電気用品安全法(電安法)の解釈を見直し-内容(3)

2013年5月29日 水曜日

今回は、本ブログの200回目の記念すべき書き込みに当ります。まあ飽きっぽい自分が「よく200回も続いたものだなぁ」と自分をお祝いしてあげたい気持ちがあります。
何よりも、このブログを続けられた理由として最も大きいのは何よりも読んでくださった方がいらっしゃることです。読んでくださった人たちに感謝いたします。ありがとうございました。

さて、今回のブログは前回及び前々回に引き続いて電気用品安全法(電安法)の解釈に変更があったことについて書きます。実は今回書く内容が前回及び前々回の2回の説明よりも重要な説明になります。

■改正の内容について

前回書いたようにこの解釈の変更については既に適用されています。まぁ、それはよいとして。
今回追加された内容が何かと言うと、今までは電気回線か赤外線でしか操作ができなかったリモコンを、通信回線を通じて操作できるように変更したということが最大の変更点です。
前回までは文字通り安全基準、赤外線や音声によって操作できるリモコンの安全基準の仕様について細かな変更があったということについてでした。
今回の解説が、解釈の変更の最も大切なポイントである「通信回線を通じて家の外からでも、携帯電話などを使って自宅内の家電を操作できるようにする」ということの内容なのです。

■追加された内容

さて、前回書ききれなかった内容の解説に戻ります。

今回もとても重要な内容です。概要も抜き書きします。

(2) 通信回線(別表第四 1(2)ロの解釈 1 に掲げるものを除く。)を利用した遠隔操作機構を有する機器で次の全てに適合するもの。

簡単に言うと、通信回線を使用したリモコン…たぶんスマホになるでしょうね…について定義しています。

●別表4

「別表第四 1(2)ロの解釈 1 に掲げるもの」の内容ですが、以下のとおりです。

「器体スイッチ又はコントローラーの操作以外によつては、電源回路の閉路を行えないもの」
ちなみに別表4というのは以下のアドレスにあります。
http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/kaishaku/gijutsukijunkaishaku/beppyoudai4.pdf
ここにそれぞれの内容の詳細がありますが、全文を引き写していてはまた膨大な量になってしまうので、抜き書きをします。

「器体スイッチ又はコントローラーの操作以外によつては、電源回路の閉路を行えないもの」というのですが、やはりものすごくわかりにくいので簡単に省略して抜き書きします。もちろん原文の本文には、細かい仕様が規定されています。
(1) 赤外線リモコンの蛍光灯
(2) 電力線搬送波を利用した遠隔操作機構電力線通信
これは、電力線を利用したPLCとかPLTと言われる有線リモコンのことです。
最近はほとんど見ないですね。誤動作試験の試験条件が記載されていますが、むやみに長くわかりにくいので試験条件は省略します。利用する技術者の方はオリジナルの仕様書をダウンロードして読んで、従ってください。

イ 遠隔操作に伴う危険源がない又はリスク低減策を講じることにより遠隔操作に伴う危険源がない機器と評価されるもの。

ロ 通信回線が故障等により途絶しても遠隔操作される機器は安全状態を維持し、通信回線に復旧の見込みがない場合は遠隔操作される機器の安全機能により安全な状態が確保できること。

ハ 遠隔操作される機器の近くにいる人の危険を回避するため、次に掲げる対策を講じていること。

(イ) 手元操作が最優先されること
(ロ) 遠隔操作される機器の近くにいる人により、容易に通信回線の切り離しができること

ニ 遠隔操作による動作が確実に行われるよう、次に掲げるいずれかの対策を講じること。

(イ) 操作結果のフィードバック確認ができること
(ロ) 動作保証試験の実施及び使用者への注意喚起の取扱説明書等への記載

ホ 通信回線(別表第四 1(2)ロの解釈 1 に掲げるもの及び公衆回線を除く。)において、次の対策を遠隔操作される機器側に講じていること。

(イ) 操作機器の識別管理
(ロ) 外乱に対する誤動作防止
(ハ) 通信回線接続時の再接続(常時ペアリングが必要な通信方式に限る)

ヘ 通信回線のうち、公衆回線を利用するものにあつては、回線の一時的途絶や故障等により安全性に影響を与えない対策が講じられていること。

ト 同時に 2 箇所以上からの遠隔操作を受けつけない対策を講じること。

チ 適切な誤操作防止対策を講じること。

リ 出荷状態において、遠隔操作機能を無効にすること。

■感想

何よりも、リモコンの方でしか操作できなくて、手に負えない状態になるというのを危惧しているようです。
安全策として本体操作を最優先にして止めることができるようになっていたり、通信が切れた時の対策をきちんとするようになどと、基本的な安全策については書かれています。
……もっともこれを守らないで出すメーカーが出て問題になったりしそうな気はしますが

●疑問点

それにしても、取扱説明書を作っている人間としては、以下の部分が1番気になります。

ニ 遠隔操作による動作が確実に行われるよう、次に掲げるいずれかの対策を講じること
(イ) 操作結果のフィードバック確認ができること
(ロ) 動作保証試験の実施及び使用者への注意喚起の取扱説明書等への記載

おかしいでしょうこれ。
簡単に言うとそれぞれは実際に使うときは以下の通りの感じの動作になるはずです。

(イ)は「スマホでエアコンをオンにしたら、エアコンからオンになったよという返事が帰ってきて表示される。」といった、「リモコンに対するフィードバックの表示」です。
(ロ) は「動作保証試験の実施及び使用者への注意喚起」を取扱説明書に掲載する…動作保証試験って何ですか?使用者への注意喚起って、取扱説明書はそもそも注意すべきことがいっぱい書いてあるんですよ。何を注意喚起するんでしょう、全然書いてありません。

しかも、「次に掲げるいずれかの対策」をすれば良いと書いてあるんです。
全然違うことなんですから両方やらなければじゃないんでしょうか。
リモコンに対するフィードバックがあったら取説に注意書きをしないで良いということなんですか?

●文字表現

…なぜ、「~にあっては」というのに「~にあつては」という表記を使用しているのでしょうね?
経済産業省の中にはもしかしたらまだ明治時代の人がいらっしゃるのでしょうか?

■リンク

最後にやはりもう一度リンクを貼っておきます。
経済産業省>消費者政策>製品安全ガイド>電気用品安全法のページ>(3)解釈・Q&A

http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/kaishaku.htm
電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈の一部改正について(20130424商局第1号)
http:www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/kaishaku/gijutsukijunkaishaku/kaiseibun20130510.pdf

◆電気用品安全法

http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/topics.html


【わかりやすいマニュアルの作り方】第199回 電気用品安全法(電安法)の解釈を見直し-内容(2)

2013年5月22日 水曜日

さて、前回に引き続いて電気用品安全法(電安法)の解釈に変更があったことについて書きます。
この件について、ちょっと昼食時の雑談で業界の人と話をしたのですが、実はこの変更、家庭向け電気用品のリモコン操作の根本にかかわることの変更なので、とても大きく大切な変更なのですが、驚くべきことに法律や条例の変更ではなく、経済産業省による法律の解釈の変更に過ぎないという事を言うと、とても驚いていました。
当然だと思います。なんといっても本当に根本から安全基準が変わるのですから。

詳しい解釈についての解説は置くとして、何が変わるかということについて全体的な話をします。

■改正の内容について

前回書いたようにこの解釈の変更については既に適用されています。まぁ、それはよいとして。

今回追加された内容が何かと言うと、今までは電気回線か赤外線でしか操作ができなかったリモコンを、通信回線を通じて操作できるように変更したということが最大の変更点です。
家の外からでも、携帯電話などを使って自宅内の家電を操作できるようにする、ということです。

…まだわかりにくい。なんなんだこれは。
要するに、次のようなことができるようになったということです。

  • 帰った時に家の中が暑いからスマホで家のエアコンをonにする。
  • 家のビデオで録画するのを忘れていたけど、外からスマホで録画セットをする。
  • 自宅に誰かいるように見せかけるため、外から照明をつけたり音楽を鳴らしたりする。
  • 家の中のセキュリティ用監視カメラを外から操作する。

今まではこういう事は法律的に全くできませんでした。

具体的なデバイスの話をすると、恐らく数百円のデバイスでこういった機能は組み込めるのではないかと思われます。
まぁ、これだけの大変化が、経済産業省の解釈ひとつで変化したということなのですから、大騒ぎになっても無理は無いところです。

 

●追加された内容

さて、内容の解説に戻ります。

ここが、最大の変更点です。極めて重要なので、概要を抜き書きします。

通信回線を利用した遠隔操作機構を有する機器で次の全てに適合するもの。

  • イ.  遠隔操作に伴う危険源がない又はリスク低減策を講じることにより遠隔操作に伴う危険源がない機器と評価されるもの。
  • ロ . 通信回線が故障等により途絶しても遠隔操作される機器は安全状態を維持し、通信回線に復旧の見込みがない場合は遠隔操作される機器の安全機能により安全な状態が確保できること。
  • ハ.  遠隔操作される機器の近くにいる人の危険を回避するため、次に掲げる対策を講じていること。
    対策の内容は、簡単に言うと「リモコンより手元操作優先、遠隔操作は手元でオフにできるようにしろ」と言うことです。
  • ニ . 遠隔操作による動作が確実に行われるよう、次に掲げるいずれかの対策を講じること。 (対策の内容省略:この対策の内容についてはまた別の回に解説します。)
  • ホ . 通信回線(別表第四 1(2)ロの解釈 1 に掲げるもの及び公衆回線を除く)において、次の対策を遠隔操作される機器側に講じていること。  (対策の内容省略:この対策の内容についてはこちらも別の回に解説します。)

▼別表第四 1(2)ロの解釈 1 に掲げるものとは
1.「器体スイッチ又はコントローラーの操作以外によつては、電源回路の閉路を行えないもの」ということです。
元の文書には、これらコントローラーの操作や安全についての諸条件が詳細に記載されていますが、ここは取扱説明書のブログなのでここでは省略します。

  • ヘ . 通信回線のうち、公衆回線を利用するものにあつては、回線の一時的途絶や故障等により安全性に影響を与えない対策が講じられていること。
  • ト . 同時に 2 箇所以上からの遠隔操作を受けつけない対策を講じること。
  • チ. 適切な誤操作防止対策を講じること。
  • リ . 出荷状態において、遠隔操作機能を無効にすること。

読んでいただけば、おわかりのように大変に厳しい内容です。
本当は今回のブログの更新で全部説明しようと思っていたのですが、ニ・ホあたりの内容を全部記載していては、あまりにもボリュームが大きすぎますので次回にでもまわそうかと思います。
……と言うか、もはや取扱説明書とはかなり関係のない内容になってきてしまってるのではないかと少し心配しています。

それにしても、今時「イロハニホヘト」でリスティングしてるのは、、役所の文章以外では聞いたことがありません。なかなか興味深いところです。

内容的には、なにより、これが「全てに適合するもの」というところが大きいです。
ただし今回追加されたのは、こういった回線を使ったリモコンの操作が可能になったという点なので、かなり厳しい内容であったとしても大変革であるということについては間違いありません。

■リンク

最後にもう一度リンクを貼っておきます。
・経済産業省>消費者政策>製品安全ガイド>電気用品安全法のページ>(3)解釈・Q&A
http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/kaishaku.htm
・電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈の一部改正について(20130424商局第1号)
http:www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/kaishaku/gijutsukijunkaishaku/kaiseibun20130510.pdf

◆電気用品安全法

http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/topics.html