‘取扱説明書・マニュアル制作・作成’ タグのついている投稿
2015年6月5日 金曜日
今回は、取扱説明書を発注するときのページ数と版型についてお話しします。
なんでまたそんな話をするかというと、実は、とても大切な事項だからです。
たとえば、「9 ページの取扱説明書を作ってくれ」とか「13 ページの取扱説明書を作ってくれ」とか言われると、全部電子マニュアルにするのでない限り、対応できません。
…そのうえで、実際にこういった発注に実際に遭遇したことがあるのです。
「8ページじゃわかりにくいよ11 ページにしてくれ」
全く印刷について知らないででしょうが…せめて12 ならまだ…と思いました。
説明することでページ数は変更して頂きましたが、説明が必要だと思いました。
●取扱説明書の版型
取扱説明書の版型については、A4 を推奨します。
これは読みやすさと保存性から来ていますが、さすがに手に乗るような小さい雑貨も世の中にはあり、取扱説明書はパッケージの中に入れる必要があったりすることもよくありますので、強制ではありません。
なお、B5やA4といった紙のサイズを見たことがあると思いますが、これが元の紙のサイズと、その紙を何回折ったかということを示すものです。
●ページ数は4 の倍数?
本は、8ページ、16 ページといった4の倍数のページ数で作られています。
16 ページまたは8 ページというのは、印刷物を作るときに途中でその姿を通る「折り」という工程から来ています。
取扱説明書は薄いので、8 ページというのはあります。また、16 ページというのは印刷物としては普通です。まず紙には「表裏」があるのでページ数は偶数です。そうでないと裏が白紙となってしまいます。
本を作るときは、大きな紙に複数のページを印刷し、それを折りたたんで作ります。これを「折り」という工程といいます。
●折りの作り方
「折り」というのは以下のように作られます。

折りとページ数
紙の真ん中の折り曲げた部分以外のフチを切り落とすと、本のページができあがります。
取扱説明書は紙で作ることを前提としているので、まずはこの「折り」に対応したページ数である、8とか16 といったページで制作します。
もちろん、4 の倍数である12 ページでも制作できますが、それ以外の14 ページやまして奇数のページ数では取扱説明書は制作していません。どうしてもであれば、できないことはありませんが白紙のページが入ってしまいます。
こうして、物理的にページ数が決まっていくのです。もちろん、ページ数は内容によって変化しますが、取扱説明書は「モノ」である以上、こういったことには影響されることを理解してください。
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2015年2月5日 木曜日
独立行政法人製品評価技術基盤機構(nite)訪問
独立行政法人製品評価技術基盤機構(nite)に
おうかがいして話をしていただいてきました。
内容としては、取説屋として
「製品安全の一般論として取扱説明書がどのような位置づけ
であるのかという点について」
をうかがって参りました。
いやぁ、興味深かったです。
まず、取扱説明書というのがnite、ひいては経済産業省
そして国がどう考えているかという話から。
「取扱説明書は『すべての製品』についていることが必要で
例外規定はない」というのが法的な基本的立場です。
消費者安全法からの安全4法と製造物責任法では、こうなっている。
と教えて頂きました。
そうすると、「実際にはすべての製品に取扱説明書が付いている
ようには思えない」という実感と離れていることから疑問を
感じます。
まずは「製品」の定義がPRODUCTSなので、すべての商品では
ないというところから理解しないといけないのですが……。
不動産や、未加工の一次産品、そしてソフトウェア(これは
実体がないため)は「製品」ではないので取扱説明書は必ずしも
必要でないとか…。
今回、書いていくとボリュームが大きすぎるので、今回はこれ
くらいで終わりますが、次回の予告を。
「非常識な使用について」
(「合理的な予見可能な誤使用」と対比して)
「情報弱者」など、使用者の立場から考えると
「誰でも使えなければならない」という点では紙が最強
こんなところ、からでしょうか。
今回はこのあたりで。
タグ:NITE, 制作, 取扱説明書・マニュアル制作・作成, 取説, 安全4法, 法律, 消費者安全法, 製品安全, 製造物責任法
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2015年1月21日 水曜日
【取説屋サイト】料金説明を修正しました。
イラスト作成費など入っていなかったのをきちんと入れました。
また、サンプルの住所などが古かったのも修正しました。
料金体系
http://torisetuya.com/price/index.html
タグ:コスト, マニュアル, 作成, 価格, 制作, 取扱説明書・マニュアル制作・作成, 説明図
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2015年1月20日 火曜日
弊社で作成した取扱説明書の新サンプルをアップロードしました!
「しめ縄 制作説明書」です。
以下のリンクからアクセスしてください。
イラストの使い方などを示しています。
取扱説明書サンプル A4 4ページです。
『しめ縄 制作説明書』http://torisetuya.com/price/img/ShimeNawa.pdf
画像もテキストも全部オリジナルです。
弊社では、一般的な業務としてこの程度の取扱説明書を提供しています。
また、今回は表紙はちょっと省略してあります。
●制作コストについて
コストとしては以下の数字くらいでしょうか。あまり詳細には書けませんが…
◆企画費 20,000円
◆制作費 60,000円 (4ページ×15000円=60,000円)
◆画像制作 60,000円 (12点×5000円=60,000円)
※エンジニアや営業に書かせようとしても、イラストなどはできないと思います。
これで印刷できるファイルとしてお渡しできるのはもちろん、PDFでもお渡しできるので、サイトにもアップできて、サポートにも使えるようになります。多少追加料金はかかりますが、HTMLにすることだってできます。
もちろん、他にもいろいろ提供できるものはあるわけですが、それは折に触れて書いていきます。
とりあえず、サンプルの取扱説明書を見て、「へーえ、こういうのを作る商売があるんだ」と納得してください。
タグ:PDF, PL法, しめ縄, イラスト, サンプル, マニュアル, 作成, 制作, 取扱説明書, 取扱説明書・マニュアル制作・作成, 取説
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2014年12月5日 金曜日
このブログ、いままでは「わかりやすいマニュアル作成講座」というとてもカタいタイトルで、【わかりやすいマニュアルの作り方】というコンテンツを作るという型式で、実際とは必ずしもあってない、というか違っているものでした。
実際、ビジネスとして考えると、自分のやっているのは「マニュアル」というより「取説」であり、そういったことにはブログのタイトルが全然実態に合っていない、ということで、広報にもならないということに気がついたからでした。
自分は「取説屋」であり作業者としては「取説編集者」です。
だから、それに見合った「取説屋BLOG」にタイトルを変更しました。
これからもよろしくお願いします。
タグ:マニュアル, 作成, 制作, 取扱説明書, 取扱説明書・マニュアル制作・作成, 取説, 編集
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2014年10月16日 木曜日
シニアマッチング、といってもよくわからないかもしれませんが、おおむね50歳以上で10年以上ひとつの仕事をやってきた専門家と、企業をマッチングするという銀行が主催するイベントに行ってきました。
もちろん、ありがたいことではありますが、自分はその集団の中では最年少に属していました。しかも、自分のやっているのは「取説屋」という珍しい仕事を自営で。テクニカルライターというと格好いいし、そういう仕事をやっている人もありそうに思えるのですが、漢字にするととたんに「そんなんやっている人いるの?」となります。とはいえ、(他人の紹介とは言え)シニアマッチングなので、素人はいない、最低でも10年以上の業務経験がある人となります。
とはいえ、自分はテクニカルライターであって、コピーライターではありません。広告代理店とマッチングして頂いても、近頃では共同経営者から「あなたは『取説編集者』と名乗りなさい」と言われるほどで、あるものをその通りに書くことはできても、人を引きつけるコピーは書いたことがありません。もちろん、そういった会社が新製品を発売しようというのであれば、製品に付ける取扱説明書という面ではお手伝いできるかもしれませんが。
はっきり言って、自分でももっとしっかり稼ぎたいので、現状の頼りない状況を鑑みるに、クライアントを紹介してくれるかもしれないマッチングは大変有難いのですが、やはり、この「取説屋」という数少ない商売がなかなかマッチングの相手は探しにくいのかもしれませんね。
タグ:シニアマッチング, テクニカルライター, マニュアル, 制作, 取扱説明書, 取扱説明書・マニュアル制作・作成
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2014年9月18日 木曜日
●新サンプルをご提供
弊社で作成した取扱説明書の新サンプルをアップロードしました!
冷・温蔵庫の存在しない機種『CoolHotBox20』の取扱説明書です。
以下のリンクからアクセスしてください。
『CoolHotBox20』の取扱説明書
http://torisetuya.com/service/img/ManualSampleCoolHotBox20.pdf
A4 8ページです。
画像もテキストも全部オリジナルで別の目的に作った物を、さらに画像と必要なテキストを全部差し替えて作ったものです。
弊社では、一般的な業務としてこの程度の取扱説明書を提供しています。
●制作コストについて
コストとしては以下の数字くらいでしょうか。あまり詳細には書けませんが…
◆企画費 20,000円
◆制作費 120,000円 (8ページ×15000円=120,000円)
◆画像制作 30,000円 (6点×5000円=30,000円)
※エンジニアに書かせたら1ヶ月は楽勝でかかると思います。その間、彼は他の仕事ができなくて、ついでに不満になってしまうのです…
これで印刷できるファイルとしてお渡しできるのはもちろん、PDFでもお渡しできるので、サイトにもアップできて、サポートにも使えるようになるわけです。追加料金はかかりますが、HTMLにすることだってできてしまいます。
もちろん、他にもいろいろ提供できるものはあるわけですが、それは折に触れて書いていきます。
とりあえず、サンプルの取扱説明書を見て、「へーえ、こういうのを作る商売があるんだ」と納得してください。
タグ:Manual, PDF, PL法, コスト, サンプル, マニュアル, 価格, 制作, 取扱説明書, 取扱説明書・マニュアル制作・作成, 執筆, 説明図
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2014年7月31日 木曜日
今回は前回の続きです。JTDNAのPLセミナーについてです。
セミナーの内容については、以下のサイトに書いてあるので自分は書かないですましてしまおうと思ったのですが、経済産業省の人事異動などがあり、講師が確保できなくなってしまったために内容が予定と少し変わってしまった点があったりしたので、少し書き出すことにしたのです。http://www.jtdna.or.jp/2014/06/718jtdnapl.html
●セミナー内容
前半:事故予防について後半:事故発生後対策について
これは前回書いたとおりです。
協会の「最新! PL対策」というパンフレットにあるのですが、年ごとに要件が出てきて、2010年バージョンから2014年バージョンに改定されているのです。
この改定でより強く出てきているのが、
●消費者を守るためのPL対策
というコンセプトです。言い換えると、
●企業防衛のためのPL対策ではない。
ということでもあります。
「製造物責任」は製造者だけでなく輸入したところや販売したところも問われることになります。言葉からするとおかしな用に感じるかもしれませんがこれはこのPLという法律は「消費者のためのもの」というのがコンセプトだからなのです。
これらに対応する言葉は今まで二つありました。PS Product Safety 技術的な解決についてはこちらに、CS Consumer Safety 消費者庁が管轄、
PL対策のネタは、会社のブランドに直結しているのだということです。
また長くなってきたので、今回はここまでとします。
タグ:JTDNA, PL法, マニュアル, 制作, 取扱説明書, 取扱説明書・マニュアル制作・作成, 営業, 操作説明書, 製品安全, 説明書
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2014年7月24日 木曜日
7月18日にJTDNAという製品事故予防対策の普及啓発活動を行っているNPO→取扱説明書とPLに関する活動を行っている唯一の団体が主催した「製品安全(PL)対策セミナー」にスタッフとして参加してきました。
スタッフといっても、会場設営といった主に筋肉方面のお手伝いでしたが、それはそれとして、協会の皆様とお会いできたのはうれしいことです。
もっとも、会場がうちから比較的近い池袋だったので参加が容易だったという、裏の事情もありますが。
さて。
自分はこのJTDNAというNPOにて、テクニカルデザイナーという資格を持っています。デザイナーという柄では無いと思わないこともないですが、もう一つの資格は、法律関係の資格なので、ますます方向が違います。
ちなみに現在、自分の知る範囲ではこのJTDNAというNPO以外にはマニュアル取扱説明書の制作、およびドキュメンテーションについて教えているという教育機関は存在していません。
なお、7月18日のセミナーはたいへん盛況で人数が増えて、満員となっていました。
急遽7月に追加セミナーが行われたぐらいです。自分も印刷物の配布とかスクリーンのセットなどを手伝いました。
しかしこの日のセミナーは、予定していた消費者庁の人が人事異動で来れなくなってしまい、渡辺理事長が前後をつめてきっかりお話をされたというものでした。
●セミナー内容
前半:事故予防について
後半:事故発生後対策について
参加したという事を書いていたら長くなってしまいました。
セミナー内容については次回とします。
●JTDNAサイト
http://www.jtdna.or.jp/
●製品安全(PL)対策セミナー
日時
7月 18日 (金), 13:30 ~ 16:30
場所
日本東京都豊島区西池袋1丁目21 三井住友銀行池袋支店
タグ:JTDNA, PL法, マニュアル, 制作, 取扱説明書, 取扱説明書・マニュアル制作・作成, 営業, 操作説明書, 製品安全, 説明書
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2014年1月30日 木曜日
今回、このサイトに掲載するために存在しないプリンタの取扱説明書を作成することにしました。
さすがに、すべてのコンテンツを作成していては、仕事と同じボリュームの作業が発生してしまうので、コンテンツの中の一部ページをサンプル、ということになりますが。 取扱説明書制作の専門家が、「どうやって取扱説明書を制作するか」を実際の作業に基づいて「制作しながら工程を説明する」といったことをやろうと思います。
■取扱説明書を作成するときに、最初にやること
まずは、メーカーさんとの打ち合わせです。 うちが社内で作成するのならばいらないのですが、実際の仕事でメーカーさんとの打ち合わせ抜きには始まりません。
●取扱説明書の仕様を決めます。
「取扱説明書の仕様とは?」と思われるかもしれません。「取扱説明書なんて動かし方を説明するものでしょ」などとも。 その通りです。しかし、それと同時にいくつかの仕様は決める必要があるのです。決める仕様は以下の通りです。
- 版型:商品のパッケージに入るサイズでなければなりません。持ち歩くことがあるならそれに対応も考慮する必要があります。
- ページ数:印刷の都合から8か、できれば16の倍数にします。印刷は大きな紙に4ページ、8ページ、16ページのいずれかに面付けをして行うからです。
- 色数:単色(モノクロ/白黒)、2色(ポイントだけ色を付ける)、4色(カラー印刷)から選びます。取扱説明書の場合ですと、コストパフォーマンスを考慮して「モノクロ」にするのが普通です。
- 表紙とカバー:表紙を本文と別紙にするか、本体にカバーをかけるかといった打ち合わせをします。一般的にはこれらはコストが高くなるわりに特に効果もないので、ほとんど付けません。
- 内容:本文内容の中にユーザーサポートや法律的な記載をどれだけ入れるかについて話をします。 保証書は取扱説明書に入れるのか、別に添付するのか、といったこれまでの商習慣によって決まる内容や、「保証書の原稿は営業からもらう」なのかといった話をします。 こういった法律的な内容については、取扱説明書制作者では手をだせない部分があります。 しかしまた、取扱説明書は現在PLと深い関連を持っていますので、そういったことに関連する内容は当社から提案させて頂く(原稿中に入れ込んだ状態で納品します)ことがあります。
おおよそ、これだけの打ち合わせの後に、製品の機能仕様書やソフトウェアを預かり、オフィスに戻ります。 ここから、取扱説明書のページ構成を考えます。(続く)
タグ:マニュアル, 制作, 取扱説明書, 取扱説明書・マニュアル制作・作成, 打ち合わせ, 書き方
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